166A タスキホールディングス 2Q後取材 20240529
2024/06/12
2024/06/12
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スピーカー: CEO
P/E 11.1x P/B -x (取材記事公開日現在)
Q.2Qの業績をどう評価しているか?
A.タスキ側は計画を上回って着地し、新日本建物側についてもしっかり棚卸資産を積み上げられているため、来期に向けた準備を整えられていると考えている。
Q.新日本建物で取り組んでいるマンションについて、競合他社で販売が進んでいないケースがあったり、金利上昇に伴う需要変化リスクが考えられたりしているが、事業環境についてどう捉えているか?
A.需要減退に関する声は聞こえてきていない。顧客も積極的に弊社物件を購入しており、特段の心配はしていない。
Q.新日本建物で取り組んでいる集合住宅の開発の顧客や売り方、エリアについてどう考えていたらよいか?
A.ファンドにバルクで販売するというのを基本的なスタンスとしている。また、扱う物件についても東京23区にこだわっており、需要は固いと考えている。また、東京の都心5区についてはルネサンスプレミアムコートシリーズというハイグレードなブランドも展開しており、そちらについては地方の事業会社の社長や、事業会社本体が投資用として購入するケースもある。
Q.販売先のファンドについて、出資者は国内と海外どちらなのか?
A.顧客ファンドの資金の出所に関しては海外の資金だと考えている。なお、あくまで販売窓口は日本国内であり、海外に直接販売しに行っているという訳ではない。
Q.タスキについては相続税対策のニーズが中心と考えているが、事業環境には特に変化はないという理解でよいか?
A.その認識で問題ない。商品設計が投資用とは少し異なるため、あまり意識はしていない。
Q.統合後、実際に感じているシナジーは何かあるか?
A.今回オーラ社買収の際に、運転資金は銀行からの借入となったが、2社が1社になったことで現預金の保有額が増えて、借入をしやすくなったとは考えている。
それ以外に、現在は仕入物件及び仕入物件情報並びに販路の共有等に取り組んでいる。
また、システム面についても、元々新日本建物とタスキでは一部のシステムは共通していたものの、タスキが使っていたシステムや運用体制に全面的に切り替えようとしているところである。
Q.オーラ社の事業はどのようなものか?
A.同社は土地のオーナーに対して、どのように土地を活用したら価値が上がるかという提案を行っている。
例えば、日本には空き地が多く存在しているが、自分の土地だけでなく、隣の土地やより大きな範囲をまとめ、マンション用地とすることで土地の価値を大きく上昇させるというような提案を行っている。
Q.不動産コンサルティングという業態と比べて、売上の伸びが大きく、利益率が低い印象を受けるが、これは何故か?
A.最終的にまとめて販売することで価値が高まるため、提案をした際に一旦オーラ社が土地を買い取るケースが多い。結果として、売上高には不動産の売買から上がる収益が入っているため、売上の嵩が大きくなっている。同様に、フィーで収益を取っている訳ではなく、不動産の売買益で収益をあげているようなモデルであるため、コンサルティング業のような利益率とはならない。
Q.オーラ社の業績見通しについて、2026年4月期における目標が売上高12,900百万円、経常利益1,300百万円となっているが、成長に向けたボトルネックは営業人員になるのか?
A.その認識で問題ない。日々土地オーナーに対して営業する必要があり、営業人員数が重要なKPIと考えている。
Q.2024年4月期の売上高の見込が4,900百万円であることを考えると、営業人員は単純計算で倍以上必要になるのか?
A.倍までは必要と考えていないが、一定人数は増やす必要があると認識している。
Q.オーラ社とはどのような縁があって今回の買収に至ったのか?
A.オーラ社の代表取締役である横山が前職を辞めて独立する際、タスキで支援を行っていたのが始まりである。元々はIPOを目指していた会社であったが、一旦当社グループに入る方が、双方シナジーがあるという判断をしたのが今回の背景である。
Q.11月中旬に、新たな中期経営計画について発表予定とのことだが、現時点で投資家とコミュニケーションを取っている方向性はどのように認識していれば良いか?
A.主である3社の事業の成長性をしっかり実現していくことが重要である。また、従前から伝えている通り、稼いだ分についてはITへの投資を積極的に行っており、テクノロジーに対する投資は継続予定である。また、テクノロジー領域に関してのM&A等も積極的に検討しており、このような部分を投資家に向けて説明したいと考えている。
Q.新中計における業績の立ち上がり方について、何か開示している方向性はあるか?
A.利益率は上がってくるのか、という質問を投資家から受けることがあるが、そこについては、建築費の上昇等要因はあるが、達成すべき課題であると回答をしている。
Q.業界的な要因として、建築費の高騰などの影響は感じているか?
A.建築費の高騰の影響は受けているが、建築費上昇分を加味した原価率を見越して事業計画を策定することで吸収できると考えている。
Q.建築費以外に懸念しているコストなどはあるか?
A.オーラ社ののれんについて監査法人と協議中であり、償却費が確定していない。償却期間によって費用負担が変わることは留意しておいて欲しい。
Q.タスキと新日本建物のPMIに関して、カルチャー面や制度面などを統合していく際の課題感はあるか?
A.2社の交流の上では、基本的には社長の柏村が両社の間に立って、両方の会議に出席するなどを行っている。特に制度面ではよりシナジーが生まれるような制度設計を実現するべくディスカッションを行っている。
また、カルチャー面に関しては新日本建物自体元々タスキのメンバーの古巣でもあるため、そういった面では比較的スムーズな印象であり、特段問題が起きているとは認識していない。
一方で、タスキは元々ITを活用して不動産業界に変革を起こしていくという考え方から動き始めた会社であり、業務としては新日本建物よりも簡素化・効率化されている部分がある。その点は、それぞれの業務の必要性を確かめながら効率化に取り組んでいく想定であり、実現可能なシナジーであるとも考えている。
Q.SaaS事業のTOUCH&PLANは現在検証中という認識だが、外部リリースに向けてどのような状況か?
A.現在検証の終盤であり、6月末位から少しずつ外部に案内をしていく想定である。
デモについて、外部からの反響は好感触であるが、一度に拡大してしまうと当社側で混乱が発生する可能性もあるため、状況を見ながら少しずつ外部に提供を始める想定である。
Q.オーラ社の空き家プラットフォームビジネスについてはどのようなものか?また、ポテンシャルはどのようか?
A.現在空き家のマッチングプラットフォーム自体は数多く存在するが、オーラ社の空き家プラットフォームビジネスはそれらと異なり、オーラ社にとっての商材を探すためのサービスとなっている。
スポットワーカーを活用し、空き家と思われる写真と場所を撮影し、案件になりそうな物件のデータベースとして蓄積しており、例えば、人が退去した際などに過去の物件情報や相場と照らし合わせ案件化を図るなどの活用が可能である。
Q.新しい中期経営計画に関して、株主還元について何か考え方はあるか?
A.35%という配当性向はしっかり守っていきたいと考えている。また、新日本建物については従来年間で30円の配当を出していたため、それを下回らないようにしたいとは考えている。
実際、今期に関して、タスキは12か月、新日本建物は6か月、オーラ社は5か月の変則決算となっているが、通期に均した上での配当性向35%と考えると、そのような水準が見えてくると考えている。
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