4980 デクセリアルズ 2Q後取材 20241217【初回取材】

2025/01/17

2025/01/17

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株探 バフェット・コード

スピーカー: IR
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Q.今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?

A.1962年にソニーの化成品子会社としてソニーケミカルが設立され、その後様々な製品を開発して成長してきた。2012年にソニーの事業ポートフォリオ見直しの一環で、デクセリアルズとして独立し、2015年には東証一部市場に上場、2022年に東証プライム市場に移行を果たした。
当社は電子材料部品事業と光学材料部品事業を展開しているが、これらの製品は最終的にスマートフォン、ノートPC、タブレット等のコンシューマーIT機器や、自動車、データセンター等で使用されている。さらに、主力製品である異方性導電膜(ACF)、反射防止フィルム、光学弾性樹脂はニッチな市場ながら世界シェアはNo.1(※)となっている。

※以下の3製品で世界トップシェア
・異方性導電膜(ACF):株式会社富士キメラ総研発行「2024ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」による、大型および中小型ディスプレイ向けACFの合計の2023年の金額シェア。
・スパッタリング技術で製造された反射防止フィルム:株式会社富士キメラ総研発行「2024ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」による、 表面処理フィルム(ドライコート)の2023年の金額シェア。
・光学弾性樹脂(SVR):株式会社富士キメラ総研発行「2024ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」による、ディスプレイの貼り合わせで使用される光学透明接着剤(OCR/LOCA)の2023年の金額シェア。光学弾性樹脂(SVR)は、光学透明接着剤の当社製品名。

Q.ビジネスモデルはどのようになっているのか?

A.当社は、自社でしか提供できないようなシングルソース製品の創出をテーマに事業運営をしている。具体的には、ディスプレイメーカーや組立メーカー等の直接顧客だけでなく、その先のIT製品メーカーや自動車メーカー等の最終顧客に対して直接アプローチし、顧客の課題感や要望を洗い出し、顧客の課題を解決したり技術トレンドを先回りした製品を開発・提案したりすることで、最終的に直接顧客に対し当社製品を部材指定していただく(デザイン・イン)。そして、直接顧客に対しては、製造工程の量産化支援や要望にあわせた製品カスタマイズ等、生産効率向上のサポートをする(=スペック・イン)。当社のシングルソース製品は付加価値も高く、価格競争に陥ることも少ないため、自社の高い収益性を確立できていると考えている。

Q.デザイン・インはいつ頃から始めたのか?

A.ソニーケミカルの時代からソニー等の最終顧客に対してソリューションを提案する活動を継続してきたが、デクセリアルズとして独立後、その活動を強化するとともに全社に展開し、ビジネスモデルとして確立した。

A.デザイン・インの取り組みから開発した製品は具体的にどのようなものがあるのか?

Q.具体例の1つとして粒子整列型ACFという製品がある。これは近年のスマートフォンにおけるディスプレイの高精細化や基板素材の変化に伴い、今後発生し得る顧客の技術的課題を予測して、そのソリューションとして開発に至った製品である。

Q.競合他社と比較した場合の強みは何か?

A.創業時よりソニーグループの様々な子会社が統合された会社であるため、化学、電気、光学など多様なバックグラウンドを持つエンジニアが多数在籍しており、これらの高度な技術を掛け合わせ、顧客の技術的課題に対して唯一無二の製品を提供できる点が強みであると考えている。

Q.研究開発体制はどのようになっているのか?

A.材料技術、プロセス技術、無機・有機技術等、様々な分野のプロフェッショナルが、事業・製品別に研究開発を行っているほか、コーポレートR&D部門が将来の技術開発を行っている。また、社内で毎年開催している技術交流会では各部門の取り組みを共有し、部門を横断した技術の掛け合わせによる新たな価値創出にも取り組んでいる。

Q.顧客へのヒアリングはどのような人材が担当しているのか?

A.顧客の要望だけではなく、潜在的な課題も発見できるよう、営業のみならずエンジニアも加わり、提案を行っている。このとき、営業は供給面、エンジニアは技術面で提案をしているが、当社の場合は営業にも技術的な知識が求められるため、営業メンバーには元エンジニアや理系出身者が多いのが特徴である。

Q.中期経営計画の内容はどのようになっているのか?

A.前回の中期経営計画では稼ぐ力の向上と成長基盤の強化が実現できたため、今回の中期経営計画では、事業ポートフォリオの拡大とともに成長投資と還元を両立させることを目指している。
前期の売上高は1,052億円であったが、中期経営計画では2029年3月期までに売上高1,500億円を目標としている。このためには、既存領域の質的強化と、成長領域であるフォトニクス事業、自動車事業をそれぞれ成長させていきたいと考えている。
また、株主還元に関しては、前中期経営計画の総還元性向は40%を目処としていたが、稼ぐ力が向上したことで現中計では期間累計で60%を目途とした(配当性向は40%/年度)。あわせて、期間中に機動的な自社株買いを実施しながら期間累計の目途をクリアしたいと考えている。

Q.フォトニクス領域と自動車領域を成長領域として位置付けている理由は何か?

A. 既存領域での最終製品であるコンシューマーIT製品は製品サイクルが短く業績変動も大きいため、製品サイクルの長い自動車を従来から成長領域として設定していた。車の電装化や自動運転技術の進化に対応した製品の需要は今後も伸びると考えている。さらに、自動車の次の成長領域として、将来的に技術進化が見込まれる領域・技術の中で、今後発生し得る社会課題に当社の技術やリソースが活かせる分野としてフォトニクスを特定し、2022年3月に京都セミコンダクターをグループに迎え、2024年4月からはデクセリアルズフォトニクスソリューションズとして本格的な事業成長に取り組んでいる。

Q.中長期的に見て、成長領域はどの程度まで成長させたいと考えているか?

A.前期の成長領域の売上高比率は全体の20%であったが、2029年3月期までに30%まで成長させる計画である。そのために、自動車・フォトニクス事業に当社のビジネスモデルを展開して顧客の課題を解決する製品を先回りして開発・提案し、ニッチな領域で新規市場を創り出すことが重要であると考えている。

Q.売上や利益以外に、事業成長の目安になる指標は設定しているか?

A. 売上や利益以外に、持続的な企業価値向上に関わる指標としてROE(株主資本利益率)を位置づけており、EBITDAを当社の稼ぐ力、ROICを投資効率性を測る指標として設定している。

Q.シングルソース製品を創出した後はどのようにして業界全体へ製品を浸透させていこうと考えているのか?

A.業界における先進企業を最終顧客とすることが多いため、トップランナーが当社製品を採用すれば同業他社からの注目も浴びやすく、結果として顧客ごとにカスタマイズされた当社製品が広がっていくことが多い。

Q.今回の中期経営計画のROIC目標が14%となっているが、前回の中期経営計画の目標値より低い理由は何故か?

A.今回の中期経営計画では、前回よりも積極的な先行投資を実施したいと考えている。これには次期中期経営計画での成長も見据えた長期投資も含めているが、投資によるリターンをすべて織り込んでいるわけではないため、見た目は低く出ている。

Q.中期経営計画で計画達成に向けた投資で1,300億円、持続的な成長に向けた投資500億円を計画しているが、具体的な内訳はどのようになっているのか?

A.計画達成に向けた投資は、成長領域への投資や、既存領域で需要の増加が見込める製品に関して、製造ラインや建物の新設・増設等に充てる予定である。
例えば、今年から開始している鹿沼第2工場の拡張工事は、ACFの需要増加に伴って生産能力を拡充する目的であり、投資費用は300億円程度となっている。持続的な成長に向けた投資は、この現中期経営計画だけでなく、その次の中期経営計画の成長も見込んだものであり、蓋然性が高まった段階で実行する予定である。

Q.下期以降の成長領域の業績をどのように見込んでいるか?

A.自動車領域については、特に主力製品である反射防止フィルムが上期は予想以上の業績であったが、下期は計画通りの水準になる見込みである。ただし、来期以降も新しいモデルへの採用が予定されているため、中長期では成長が続くと期待している。
フォトニクス領域については、データセンター向けの製品が下期から出荷を開始する予定であり、今後は生産性改善に取り組みながら事業成長を目指す。

Q.フォトニクス領域のデータセンター向け製品とはどのような特徴があるのか?

A.例えば、光トランシーバーに不可欠な高速フォトダイオードという、光信号を電気信号に変換する光半導体は、大容量や高速なデータ通信を可能にしている。

Q. 目指したい最終的な企業の位置付けはどのようになっているか?

A.デジタル・テクノロジーの進化に欠かせない製品を創出し続け、社会課題の解決に貢献することで事業成長、ひいては企業価値向上を実現する企業を目指している。

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