278A Terra Drone 3Q後取材 20250110【初回取材】

2025/01/28

2025/01/28

Disclaimer
この取材ノートは投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式 (有価証券) についての投資判断あるいは有価証券の価格やリターンに対する動向に関する助言を行うものではありません。
当取材ノートに投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。
取材ノートに記載された内容は取材時の内容・取材ノート原本を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。ご了承ください。
また、取材ノートに記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。
大きい変更があった場合は再投稿という形で新しく上げ直すよう努めます

※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。

株探 バフェット・コード

スピーカー: 取締役
P/E -x P/B 9.36x (取材記事公開日現在)

Q.ドローン事業を展開するに至った経緯はどのようになっているのか?

A. 2010年創業のTerra Motorsでは電気自動車を海外展開する事業を運営していた。当時は、日本から世界的な企業を創出したいという強い思いがあり、世界で戦うことができる新事業を模索していた中でドローンに出会ったため、2016年にTerra Motorsからドローン事業をスピンアウトし、ドローンソリューションプロバイダーとして創業した。

Q.どのような戦略でM&Aを実施してきたのか?

A.日本の場合は測量分野におけるドローン活用が多いが、オイルガス、電力、鉱山、農業、UTM分野では海外の企業が主要な顧客となるため、各国のソリューションに合わせた事業展開を目指してM&Aを実施してきた。

Q.御社のビジネスの競争優位性は何か?

A.市場規模が大きく、参入障壁が高い分野を戦略的に選択し、各分野のトップ企業をM&Aで取り込みながら多様な事業領域を運営できている点が強みであると考えている。

Q.ドローン産業における測量分野はユニークな市場なのか?

A.ドローン産業全体でみるとユニークな分野であるが、日本の測量分野に限っては、政府主導のi-Constructionの影響で土木業界のDXが先駆けて進んでおり、市場が大きく拡大する一方で参入プレイヤーも増えている分野である。なお、サウジアラビアではドローンのライセンス取得が非常に難しいため、当社は高い競争優位性を持っている。

Q.ドローンのライセンスとは具体的にどのようなライセンスが必要なのか?

A.ドローンを飛ばすためのオペレーションライセンスと、ドローンを商用利用するためのコマーシャルライセンスの2種類がある。必要なライセンスは国ごとに異なっており、サウジアラビアは両者のライセンスが必要であるが、日本はオペレーションライセンスのみで運用が可能となっている。

Q.御社のドローンソリューション・運航管理事業におけるソフトウェアの強みは何か?

A.ハードウェアへの高い組み込み技術と、要件定義に基づいたソフトウェア開発力と考えている。     特に子会社であるユニフライは高い技術力を持っている。

Q.ハードウェアは独自で開発している認識で合っているか?

A.その認識で合っており、スイスの大学との共同研究や、買収した企業の技術を活用しながら、顧客のニーズを捉えたハードウェア開発を行っている。

Q.商品開発において目標にしている企業はあるか?

A.今後は、顧客のニーズを的確に捉えることで、費用対効果を最大化した商品開発を行っている、キーエンスのような会社を目指していきたいと考えている。

Q.ドローンソリューションを提供している企業は他にあるのか?

A. 上場企業でも同じ業界に対してソリューションを提供している企業はあるが、顧客とのソリューションの作りこみに強みがある点と、市場規模を考慮した事業展開を両立している点は、当社の優位性が大きいと     考えている。

Q.ドローンソリューションセグメントのビジネスモデルはどのようになっているのか?

A.サービス、ソフトウェア、ハードウェアの3軸で提供している。例えば、ゼネコンが外注で測量をしたい場合はサービスの提供、測量を内製化したい場合はハードウェア+ソフトウェアの販売をしている。

Q.今後はサービス、ソフトウェア+ハードウェアの提供どちらを伸ばしていきたいと考えているのか?

A.業界ごとの顧客属性によって需要が異なるため、顧客のニーズに合わせてどちらも伸ばしていきたいと考えている。

Q.ソフトウェアは具体的にどのようなものを提供しているのか?

A.例えば、DJIのドローンに当社のアタッチメントを取り付けて測量する場合、地面に向かってレーザーを照射し、三次元データを取得している。この時に得られたデータの解析をクラウド上で依頼したり、納品した成果物を閲覧できるソフトウェアを年間約100万円のSaaSで提供している。

Q.測量事業で重視しているKPIは何か?

A.主要KPIはハードウェアの販売台数、サービスの提供件数、ソフトウェアの期末アカウント数であるが、ソフトウェアの粗利率が高水準であるため、ソフトウェアを伸ばしていきたいと考えている。しかしながら、ソフトウェア、ハードウェア、サービスを一体で提供しているため、サービスとハードウェアもバランスよく伸ばしていく必要がある。

Q.顧客は、最初はサービスから利用し、内製化を検討する場合にソフトウェア+ハードウェアを購入することが多いのか?

A.その認識で合っている。

Q.ソフトウェアのアカウント数が伸びている要因は何か?

A.既存顧客の解約率が低いため、既存顧客のアカウント数にハードウェアの新規購入アカウント数が加算されて純増している。また、今後はハードウェアを購入した顧客以外も当社のソフトウェア(クラウド)を利用できるようなサービスも検討しており、そうなれば新規アカウント数の増加も期待できる。

Q.ハードウェアの売上高は今後どのように伸びると見込んでいるか?

A.新製品の開発・販売を通じてシェアを拡大していくことで、今後も緩やかに伸びていくと予想している。

Q.測量事業は今後も安定的な成長を見込んでいるか?

A.測量や建設はなくならない分野であるため、日本は安定的に推移していくと考えているが、サウジアラビアの場合は日本と比較しても予算が多いため、日本よりも高い成長率で推移していくと見込んでいる。そのため、将来的に当社は、成長率が高く、利益の出やすいサウジアラビアに注力していきたいと考えている。

Q.サウジアラビアでは石油に依存するモノカルチャー経済からの脱却に向けて、都市開発を進めているようだが、これによって測量市場が成長し始めている認識で合っているか?

A.その認識で合っている。サウジアラビアでは「サウジビジョン2030」というプロジェクトにおいて、2030年までの街の近代化のために建設投資が計画されており、地図の作成でドローンの需要が高まっている。サウジアラビアではドローンの普及率が低いため、アラムコと提携してサウジアラビアでのドローン産業の構築を目指している。

Q.点検事業でオランダの売上比率が大きいのは何故か?

A.オランダにある会社を買収したことと、オランダ・ベルギーが陸上タンクの世界市場で大きなシェアを占めていることが理由である。

Q.ドローンを用いた点検ではどのようなことをしているのか?

A.ドローンを飛ばしてタンクに異常がないか点検をしており、特に板厚検査は当社の独自技術を活用している。

Q.点検事業は今後も成長を見込めるか?

A.オランダのタンクは40~50万個あるが、当社が点検しているのは数千個程度であるため、まだ成長余地があると考えている。また、2025年からはドイツにもサービスを展開していきたいと考えている。

Q.オランダの点検タンク数が数千規模に留まっているのは営業が追い付いていないためか?

A.その認識で合っているが、直近は新規顧客数やFPSO(=浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)等の高単価案件も増加傾向にある。

Q.点検事業は営業人員を増加させることで、更なる売上高成長を見込めるのか?

A.その認識で合っている。例えば、オランダの買収した企業には営業担当が不足しているため、当社で営業人員を確保して支援する必要があると考えている。

Q.点検時にドローンを活用するメリットは何か?

A.点検のために人員を投下する場合、足場を組んで高所で人が作業する必要があるため、工数がかかる上に高所の危険な作業が発生する。ドローンで板厚検査を行うことで、足場工事が削減され、高所作業が減るので、安全性の向上とコスト削減効果が大きい。

Q.農業事業はドローンパイロットは充足しているのか?

A.現状は問題ないと考えており、インドネシアで抱えている300人程度のパイロットを他国にも派遣している。

Q.競合他社と比較した場合のドローンパイロット数は多いのか?

A.農業事業を展開しているインドネシア単体で見ると多いが、インドネシアを除くと他社と同程度であると考えている。

Q.点検事業の日本の主要な顧客は三井海洋開発になるのか?

A.FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の原油貯蔵タンクの点検においてはその認識で合っているが、現場はブラジル等の海外であるため、日本の売上には計上していない。

Q.農業事業ではどのようなサービスを提供しているのか?

A. インドネシアとマレーシアで農薬・肥料散布サービスを提供している。

Q.農業事業の成長戦略をどのように考えているか?

A.現在は人員の削減や、コストの見直しによって売上総利益率の改善が進んでいるため、今後は営業を強化して業績拡大を目指したいと考えている。

Q.営業体制はどのようになっているのか?

A. 従来は少ない人数で営業を行っていたため、今後は人員を増加させて営業チームを編成したいと考えている。

Q.農業事業の売上成長率はどれくらいを見込んでいるか?

A.受注状況は好調であるため、40~50%の売上成長率を目指している。

Q.UTM市場において、民間企業が参入できる理由は何故か?

A.2014年頃からEUの行政執行機関がUTMの構築を推進しており、民間企業向けに開発を委託     しているため、現在のUTM市場は民間企業によって形成されている。当社を除いて、日本ではNTTデータとNEC、海外ではIndraとThalesが高い競争力を持っている。

Q.UTM事業はどのような場面で御社に売上が発生するのか?

A.システム開発費用、運用に係るメンテナンス費用、飛行従量課金を適用するなど、複数のタイミングで売上が発生する。

Q.直近のUTM事業の売上には運用費用は含まれているのか?

A.UTM事業の売上に運用費用は含まれているが、現時点では高い割合ではない。現在は各国の顧客を獲得している段階であるため、運用費用は2027年頃に大きく拡大していくことを目指して取り組んでいる。

Q.子会社であるユニフライのUTM市場における強みは何か?

A.欧州のUTMガイドラインであるU-spaceに準拠したシステムになっていることが強みである。

Q.U-spaceは今後グローバルスタンダードになる可能性はあるか?

A.可能性は高いと考えている。

Q.黒字化の達成時期はいつ頃を見込んでいるのか?

A.従来はM&Aによる売上拡大を目指していたが、まずは黒字化を目指す方針に転換したため、近い将来     には純利益の通期黒字化達成を目指している。

下の投稿タグから過去のノートが参照できます。

 

追加の質問や、「これ違わない?」という指摘などあればコメント欄よりお願いします。
企業様宛のコメントや質問、要望なども受け付けております。
この辺りは公開されませんのでご安心ください。

ピックアップ

取材ノート

関連記事

コメント

コメントする

コメント記入欄の上に表示するメッセージ

コメント記入欄の下に表示するメッセージ

PAGE TOP