4375 セーフィー 4Q後取材 20250226【初回取材】
2025/03/18
2025/03/18
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Q.今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?
A.創業は2014年であり、ソニーグループの木原研究所からスピンアウトした社内ベンチャーに所属していた3人のメンバーによって設立された。当時は機械学習を活用しAIをつくるのに高性能なAIを構築するために大量のデータの取得が必要であったが、防犯カメラを設置してそこからデータを取得するクラウドプラットフォーム事業を展開することを決断した。
当初はBtoC事業を展開していたが、日本ではDIYの一環として自宅に防犯カメラを設置する文化が十分に浸透していなかったことや、クラウド録画の映像データの質が良く大手建設会社が現場で活用していたことから企業のニーズを感じ、BtoB事業へとシフトした。現在は、高品質な映像と強固なセキュリティが評価され、市場の拡大を進めている。
Q.データセキュリティの重要性についてどのように認識しているか?
A.既に約30万台が市場で活用されており、それらから映像を集積するプラットフォームを運営しているため、データセキュリティの確保は極めて重要であると認識している。
Q.御社の事業はカメラを仕入れてソフトウェアを組み込んでいるという理解で良いか?
A.創業初期は市販のカメラに自社のソフトウェアを組み込んでいたが、近年のウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket」シリーズやエッジAIカメラ「Safie One」をはじめとするオリジナル製品は弊社で商品を企画し、メーカーにて開発、製造をしてもらっている。
Q.現場DXというコンセプトはどのような経緯で出てきたのか?
A.大手飲食チェーン店や建設業の一部顧客において、エリアマネージャーや現場監督が現場へ移動する際の費用や時間の削減のためにセーフィーのクラウドカメラを利用するようになり、2018年頃から現場DXの事業展開を開始した。
Q.収益構造はどのようになっているのか?
A.スポット収益とリカーリング収益によって構成されている。スポット収益の約8割はカメラの本体代金となっており、カメラ1台の価格は様々である。リカーリング収益は月額の録画料金が30日録画プランで2,000円となっている。
Q.四半期別で見た場合のスポット収益の増加分は、次の四半期におけるリカーリング収益の増加分と相関する認識で合っているか?
A.概ね相関するが、カメラの単価やパートナー経由による販売、建設現場向けのレンタルサービス等の様々な販売形態があるため、綺麗な相関関係にはなっていない。
Q.建設現場向けのレンタルサービスとは具体的にどのようなサービスを提供しているのか?
A.建設現場向けの屋外用ポータブルカメラである「Safire Pocket」と、屋外用固定設置カメラである「Safie GO」の2種類があり、機器のレンタル代金、通信代金、クラウド録画機能の3点セットで提供している。なお、この売上はスポット収益ではなく、リカーリング収益として計上している。
Q.オリックスと資本業務提携を締結したことでサービス展開にどのような影響を与えたか?
A.オリックスは様々な建設業界との取引があったため、オリックス経由で大手ゼネコンへのサービス提供が可能になった。
Q.建設現場向けレンタルサービスの商流は、オリックス経由以外にはどのようなルートがあるのか?
A.他には建機やレンタル商材を扱うパートナー経由や直販がある。
Q.直販売上とパートナー経由売上の比率はどれくらいか?
A.従来はパートナー経由売上が6割を占めていたが、2024年12月期3Q以降は小売業界の直販が増加しているため、同等の比率になっている。
Q.直販が増加した理由は何故か?
A.上場後に拡充した営業人員が成長し、営業生産性が向上したためであると考えている。
Q.直販とパートナー経由の切り分けはしているのか?
A.直販で新製品の販売や新規業界、各業界での大手企業との取引開拓をし、直販での経験をパートナーに共有して販売することを理想形としている。しかしながら、お客さまが選ぶ商流で販売することが基本方針となる。
Q.パートナーの販売方法はどのようになっているのか?
A.例えば、当社がNTTへソフトウェアとカメラをセットでOEM提供し、NTTブランドとして販売しているパターンや、USEN、セコム、キヤノンのようなカメラを持っている各社には当社のソフトウェアのみを販売しているパターンもある。
Q.直販とパートナー経由での収益性の違いはあるか?
A.パートナー経由の場合は仕切り値で販売するため売上高が少なくなるが、営業工数が削減できるというメリットもあるため、結果的に営業利益ベースで見るとほとんど差はないと考えている。
Q.売上総利益率が上場初期から大きく上昇している理由は何故か?
A.リカーリングの売上総利益率は約60%、スポットの売上総利益率は約20%であるため、リカーリング収益の比率が高まってきたことで全体の売上総利益率が上昇していると考えている。
Q.黒字化を達成する時期はいつ頃を見込んでいるか?
A.上場前は黒字化を維持していたが、上場を機に先行投資として人員の拡充を実施したため、赤字が続いている状況であった。しかしながら、売上高対比での投資額を抑えることで黒字化達成は可能であると考えているため、2025年12月期は黒字化を宣言している。
Q.中長期的な業績目標はどのようになっているのか?
A.今後は更にクラウドカメラの課金台数が増加する見込みであるため、直近は利益成長よりも売上成長を重視したいと考えている。
Q.人材の教育コストは高いのか?
A.幅広い営業スキルが必要となるため、教育期間も半年から1年程度を要する。
Q.上場後に一人あたり営業利益額が減少した理由は何故か?
A.人員の増加ペースが売上高の増加ペースを上回ったためであると考えている。また、上場時は人材の育成方針が定まっていなかった面もある。
Q.ARPC(=課金カメラ1台あたりの単価)が2022年以降変動していない理由は何故か?
A.ARPCは単価の高いレンタルカメラと月額2,000円の店舗向けカメラの比率に影響されるが、現在は比率が一定の水準で推移しているため、単価の変動がなくなっている。今後はAI解析による分析サービスやコンサルティングサービス等の高単価サービスを増やすことで単価向上を図っていきたいと考えている。
Q.サービスの需要状況は今後どのように推移していく見込みか?
A.人手不足や安心安全への意識の高まりにより、防犯カメラの需要は今後も増加していく見込みである。更に、顧客のAI活用に関するノウハウが高まることでソリューションの需要も増加していくと考えている。
Q.市場の年間成長率はどれくらいか?
A.カメラ市場全体で見た場合の年間成長率は10%程度であるが、その中でもAI活用やクラウドに限ると20%以上の成長率となっていると見込んでいる。
Q.マーケットシェアが54.1%と非常に高いが、他社の参入障壁となっているものは何か?
A.高品質な映像、カメラの故障率の低さ、セキュリティの高さ、主要な販売パートナーとの提携、サービスラインナップが大きな参入障壁となっていると考えている。
Q.オンプレミスカメラとの競争関係はどのようになっているのか?
A.市場の8割~9割がオンプレミスカメラで十分であると考えているため、今後はクラウドの利便性やAI活用のメリットを認知させていく必要がある。
Q.どのような企業と競合するのか?
A.カメラ市場全体で見た場合は大手メーカー企業があげられるが、販路は様々でありそれらのメーカー企業とは完全な競合にはならない。
Q.他社への乗り換えによる解約は発生するのか?
A.解約理由の多くは店舗の閉鎖であるため、乗り換えによる解約は少ない。
Q.業績の季節性はどのようになっているのか?
A.売上高に関しては、過去の推移から4Qにスポット収益が増加する傾向にある。費用に関しては、2Qと4Qで展示会イベントが多くなるため、マーケティングコストが増加する傾向にある。
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