5034 unerry 2Q後取材 20250306【初回取材】

2025/03/31

2026/03/11

Disclaimer
この取材ノートは投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式 (有価証券) についての投資判断あるいは有価証券の価格やリターンに対する動向に関する助言を行うものではありません。
当取材ノートに投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。
取材ノートに記載された内容は取材時の内容・取材ノート原本を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。ご了承ください。
また、取材ノートに記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。
大きい変更があった場合は再投稿という形で新しく上げ直すよう努めます

※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。

株探 バフェット・コード

スピーカー: CEO,CFO
P/E 48.1x P/B 3.80x (取材記事公開日現在)

Q. 創業から今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?

A.1990年代に米国の大学院でデータ分析を研究しており、その頃にGoogle創業者のラリー・ペイジ氏とも同大学院を通じて接点があった。同社の事業発展を間近で見た経験を通じて、これからはデータの時代になると考え、起業を志した。コンサルティング会社を経て2008年に独立し、店舗型企業やラグジュアリーブランドのモバイルマーケティング支援を行う中で、「消費の90%以上を占める実店舗購買のマーケティング効果測定」が大きな課題であることを認識し、スマートフォンのGPS機能や2013年に登場したBluetoothビーコン技術の進化によって、こうした課題を解決できると考え、2015年に当社を創業した。創業後、同年12月には、ビーコンシェアのオープンプラットフォーム「Beacon Bank」のβ版をリリースした。

2019年6月には、広告配信サービス「Beacon Bank AD」を開始し、2020年1月には、ショッパー行動分析ツール「ショッパーみえーる」の提供を開始した。同年4月には、NTTデータ(現NTTデータグループ)と資本業務提携を締結し、新たな移動体験の創出を目指した。2021年4月には、三菱商事とスマートシティ関連事業での資本業務提携を行い、事業の拡大を進めた。2022年7月には東京証券取引所グロース市場へ上場し、2023年8月には三菱食品とリテールメディアネットワーク事業の共同推進を目的とした資本業務提携を行った。
創業初期の3年間はプロダクトマーケットフィットに苦戦したが、試行錯誤を経て、現在は「データに基づく分析・可視化」、「行動変容(広告)」、「One to One(ソリューション提供)」という3つのサービスの柱を確立した。

Q. 小売業界とまちづくりに注力することとなった経緯はどのようになっているか

A. 当初は小売・消費財メーカーに加え、不動産、公共交通、金融、製造、ヘルスケアなどの幅広い業種への展開に取り組んでいた。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行で人流データの重要性が注目され、小売・消費財メーカー及びまちづくり分野への需要が急速に高まったことから、これらの分野に注力することになった。

Q.事業の全体像はどのようになっているか?

A. 大きくデータ取得、データ加工、データ活用の3つの要素に分かれるw。
データ取得は120以上のスマホアプリと提携し、当社のソフトウェアを組み込んでもらうことで位置情報を取得している。利用者にはアプリのプライバシーポリシーで当社のデータ利活用に同意を得ており、個人情報は取得していない。
データ加工では、毎月840億件、年間で1兆件を超える位置情報データをAIで分析し、性別・年代等を推定し付加価値を高めている。
データ活用では、ダッシュボード提供等の分析・可視化サービス、広告配信等の行動変容サービス、システムソリューション提供等のOne to Oneサービスを行っている。

Q. スマホアプリを提供する会社が御社と提携するメリットは何か?

A. メリットは3点ある。1点目は当社の高精度な位置情報技術を活用したユーザー体験を実現できる点で、これが最大のメリットであると考えている。2点目は当社技術により蓄積したデータを自社で活用できる点である。3点目は、アプリ利用者の位置情報に合わせて当社から広告を配信をすることで収益化が可能になる点である。

Q. 同業他社と比較した際の競争優位性は何か?

A.主に2点ある。1点目は4.2億IDの大規模なデータ量を保持していることが重要な競争優位性となる。ビッグデータを活用したビジネスは一定規模のデータ量を超えないと価値が出ないが、当社はグローバルTOP10に入るビッグデータ企業である。2点目は、ビッグデータをしっかり収集・活用してプロダクトを開発し、分析・可視化、行動変容、One to Oneソリューションという3つのサービスを有機的にクロスセルすることで継続顧客(リカーリング顧客)からの安定的な収益獲得に成功している。

Q. 通信キャリア等が自社で保有しているデータを用いて同様の事業を行う可能性はないのか?

A. 通信キャリアの人流データは、主に基地局を起点にした125〜250mメッシュ(格子)での分析が中心であり、店舗レベルの来店計測や特定の場所への来訪分析には不向きである。また、当社は利用者から同意を得た上で位置情報を取得し、個人情報を保有せずに行動変容(広告)やCRM等のソリューションまで展開できるため、この点が大きな優位性となっている。
したがって携帯キャリアとは補完関係にもあり、プレスリリースで発表もしているように実際には協業関係となっている。

Q. 取得しているデータはどのような情報なのか?

A.緯度、経度、時間、高さなどの位置情報を取得しており、AIを活用して性別、年代、町丁目レベルの居住地、生活行動等を推定・付与し、付加価値を高めている。

Q. 各サービスのクロスセル状況はどのようになっているか?

A. 顧客の約8割が分析・可視化サービス、5割が行動変容サービス、3割弱がOne to Oneサービスを利用している。多くは分析・可視化サービスから導入し、行動変容サービス、One to Oneサービスへと活用領域を拡大する傾向がある。

Q. リカーリング顧客の獲得経路はどのようになっているか?

A. 売上規模で見ると直販が最も大きい。トップリレーションや展示会などを通じてリードを獲得している。一方、案件数で見るとパートナー経由が多く、電通・三菱商事・三菱食品・TOPPANなどの業務提携先からの紹介が増えている。なお、リカーリング顧客数(*1)は現状127社である。

(*1)リカーリング顧客:4四半期以上連続で取引のある顧客企業、および、直近3ヶ⽉以上連続で取引のある新規顧客企業をリカーリング顧客とする。2024年6⽉期より、代理店経由のサービスユーザーがリカーリング顧客条件に該当する場合は、当該ユーザーをリカーリング顧客としてカウント。

Q.子会社の三菱食品を含む三菱商事との提携経緯はどのようになっているか?

A. 三菱商事の都市開発事業部門と縁があり、様々なプロジェクトを通じて相互理解が進み、国内外のまちづくりにおけるデータ利活用を目的として、2021年に資本業務提携を締結した。三菱商事内の複数部門との協働が進み、小売部門や三菱食品との連携も拡大した結果、小売事業者のDX化支援や消費財メーカーの購買を最大化する広告サービスを共同商品化につながっている。

Q. リカーリング顧客の顧客単価の成長イメージはどのようになっているか

A. 分析・可視化サービスの顧客単価は年間数百万円規模だが、行動変容サービスをクロスセルすることで数倍になる。One to Oneサービスはさらに高付加価値サービスであり、月額15万円程度からスタートした顧客が、1〜2年後には月額1,000万円以上に拡大するケースもある。

Q. One to Oneサービスの売上が四半期ごとに大きく変動する理由は何故か?

A. One to Oneサービスは初期費用と運用費用に分かれており、アプリ開発などの初期費用は金額が大きく、開発完了時に売上計上することが多いため、開発完了タイミングに応じて四半期ごとの売上が変動しやすい。

Q. 今後の事業展開はどのように考えているか?

A. 既存の分析・可視化サービス、行動変容サービス、One to Oneサービスの3サービスの枠組みは大きく変わらないと考えている。分析・可視化と行動変容はスケールしやすいビジネスのため、売上比率は今後高まっていき、One to Oneサービスは人手が必要なサービスで安定的拡大となるため、売上比率は相対的に低下すると予想している。
上述の3つのサービスをリテールDX(小売り事業者向け)、リテールメディア(消費財メーカー向け)、スマートシティ(官公庁・不動産事業者向け)、グローバル(インバウンド・海外データ・海外事業者向け)の4つの事業領域に対して展開し、成長を目指す方針である。

Q. 事業計画はどのように策定しているのか?

A.売上の計画は、基本的に案件別に積み上げた上で、サービス別や事業別に集計している。中期計画では、リカーリング顧客数を増やしていくことで2028年6月期に売上100億円を目指している。事業別の売上計画については既存顧客からの引き合い、市場規模、成長性などを考慮して策定している。

Q. リカーリング顧客の年間平均客単価が約2,500万円で安定している理由は何故か?

A. 継続期間が浅いリカーリング顧客は単価が小さく始まり、1~2年かけて成長する傾向がある。一方で、継続期間がながいリカーリング顧客の単価が上昇しているため、全体の年間平均単価では約2,000万円以上で安定している。

Q. リカーリング顧客数の増加ペースはどのような見通しか?

A. 2025年6月期の期末予想は142社を予想しており、平均客単価は大きく変動しない見込みであるため、売上高の増加率と同程度のペースでリカーリング顧客も増えると想定している。

Q. 新規顧客がリカーリング顧客に移行しない場合に考えられる要因は何か?

A.直販顧客は当社が直接フォロー可能であり、継続率が高い。一方、パートナー経由の顧客は当社が直接フォローしにくいため、試験導入だけで終了してしまうケースがある。

Q. 今期の新規取引先数の増加見通しが多い理由は何故か?

A. 小売業界では仕入原価や紙チラシのコストが上昇し、競合対策やDX、チラシ等の販促費削減需要が高まっている。当社が分析・可視化、行動変容、One to Oneサービスを総合的に提案して需要にお答えできるようになったことと、同時に当社の認知度も向上していることから、新規取引先の増加につながっている。

Q. 具体的にどのような職種の人材が不足しているのか?

A. 事業規模拡大に伴い、全般的に人材需要が高まっている。特に営業や技術開発の人材が不足しており、事業成長の鍵を握っている。

Q. サービス別の粗利率はどのようになっているか?

A. 分析・可視化サービスはデータ分析ダッシュボード等のサブスクリプション(定期収入)モデルであるため、粗利率は約90%と高い。行動変容サービスは媒体費が発生するためやや低く、約30%程度。ただし、当社独自の付加価値サービスとなっており一般的な広告代理店モデル(10〜20%)と比べると高い水準にある。One to Oneサービスは外注費や開発人員の原価が掛かっており約40%程度で推移している。

Q. 全体の粗利率の今後の見通しはどう考えているか?

A.全体的な粗利率(売上 – 直接原価)は50%前後で推移すると予想している。

Q. 販管費の内訳として、主には人件費と採用費という認識で良いか?

A. その認識で問題ない。大部分は人件費であり、開発投資に充当される業務委託費等も含まれる。

Q. 今後の利益率の見通しはどうなっているか?

A. 売上増加に対して固定費の増加は限定的であるため、営業利益率は上昇傾向にある。中期モデルとしては15~25%を想定している。年度ごとの投資額により変動する可能性はあるが、売上増に応じて利益率が高まる収益構造である。

Q. 投資と業績の優先順位はどう考えているか?

A. 今期より資本コストを意識した経営にシフトしている。適切なROI基準で投資を行い、売上成長につなげ、収益性の向上によって高いROE・時価総額を実現する好循環を構築中である。

Q. 今期の業績見通しはどのようになっているか?

A.今期の業績は、売上高が前期比32%増の3,746百万円、営業利益が前期比34%増の240百万円、当期純利益が前期比103%増の138百万円と予想している。年末の需要拡大が大きく寄与し、第2四半期は予想を上回る売上高と利益を得られた。当社の業績は四半期ごとに波があるため、年度ベースでの業績を重視してほしいと考えている。

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