5034 unerry 3Q後取材 20250618
2025/07/04
2025/07/04
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スピーカー: CFO
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Q.2025年6月期3Qの業績についてどう捉えているか?
A. 例年、売上が3Qに偏重しやすい傾向があるものの、今期は行動変容事業において一部の小売業顧客による販促予算抑制の影響で、例年より3Qの売上偏重が緩やかになった。ただし、3Q累計では計画通りの進捗で、利益は計画を超過している。
Q.リカーリング顧客数は前四半期から7社の増加に留まっているが、増加幅が限定的に見える要因は何か?
A.当社では「リカーリング顧客」を1年以上継続または3ヶ月連続で取引のある顧客と定義しており、新規顧客がリカーリング顧客へと移行するまでに一定の時間がかかる構造となっている。四半期単位での顧客数の増減にはばらつきがあり限定的に見える場合がある。
また、新規顧客の初期単価は相対的に低いものの、継続的なクロスセルやアップセルを行うことで、長期的にみると売上拡大が期待できるビジネスモデルとなっている。
Q.KPIとして何を重視しているか?
A.当社の売上の中核を占めるのが「リカーリング顧客」であるため、平均単価を維持しつつ、リカーリング顧客数を増やすことを最重視している。
Q.行動変容事業のビジネスモデルはどのようなものか?
A.行動変容事業は、広告代理店に近いビジネスモデルであり、小売業の販促予算の影響を受けやすい。媒体費などの原価が発生するため粗利率は他のサービスと比較して低いものの、売上規模が大きく業績へのインパクトも大きい。
Q.前四半期と比較してOne to One事業の成長が鈍化しているように見受けられるが、どのように評価しているか?
A.前期3Qにおいては、スマートシティ関連の大型開発案件があったため、今期3Qが相対的に控え目に見えているが、現在の水準は定常的なものであると考えている。また、エンジニアリソースに限りがある中で利益率の高い案件を積極的に受注しており、粗利率は改善傾向にある。
Q.One to One事業について、4Q以降の成長可能性をどのように見込んでいるか?
A.今期においては、プロダクト開発や社内の業務効率化に注力するため社内開発にエンジニアリソースを充てていた。4Q以降はこれらの取り組みが一巡し、リソースの一部が案件に再分配される見込みであることから、一定の事業拡大が可能であると見込んでいる。
Q.One to One事業の粗利率が50%台となっているが、この水準は適正と考えているか?
A. 当社ではOne to One事業の標準的な粗利率を50~60%と見込んでおり、現在の水準は想定内である考えている。
Q.分析可視化事業について、前年同期比で売上の伸びが控えめに見えるがどのように評価しているか?
A.分析可視化事業は、案件数・規模ともに計画通りに推移しており、当社としては順調に成長していると認識している。前期は、自治体案件等において売上計上タイミングが3Qに集中した影響があった。一方で、今期は会計上の工事進行基準の適用によって売上計上タイミングが分散し、成長率が抑えられているように見えている。
Q.2026年6月期以降も工事進行基準の適用は継続するのか?
A. 2026年6月期以降も継続する見込みである。
Q. NRR(=Net Revenue Retention)が四半期ごとに大きく変動しているが、どのように捉えているか?
A. NRRは、既存のリカーリング顧客の売上成長を示す指標となっている。今期は売上高が各四半期に平準化している影響で、3Q時点では低下しているように見えているが、通期では改善を見込んでいる。
Q.採用計画の進捗状況はどのようになっているか?
A.積極的に採用しており、順調に進捗している。
Q.上方修正を行わない理由は何か?
A. 利益予想の達成は確実視しているが、積極採⽤を継続するため現時点での業績予想の修正はおこなっていない。修正が必要と判断した段階で開⽰する。
Q.来期の成長率はどの程度を見込んでいるか?
A. 2028年6月期の売上高100億円に向けて平均成長率で36%を想定しており、その前後と見込んでいる。
Q.景気の不透明感によるリスクをどう捉えているか?2025年6月期3Qの小売業の顧客の予算抑制は来期以降も継続する可能性があるか?
A.小売業を中心に仕入コストや各種費用の高騰による景気影響の先行きは分からないものの、過去に大きな影響を受けた新型コロナウイルスの流行時のリスクまではないと考えている。今回の小売業の顧客の予算抑制は限定的と認識している。
Q. 12ヶ月売上高は今後どのように活用されるか?
A. 12ヶ月売上高は、季節要因による四半期ごとの変動を平準化し、成長トレンドをより的確に把握していただくために導入した指標であり、今後の成長を確認する中心的な指標として活用していきたい。
Q.販管費は中長期的な利益構造に沿って調整していくのか?来期の見通しはどうか?
A.販管費のうち半分以上は人件費および採用費が占めており、今後も中長期的に優秀な人材の積極採用を継続する方針である。2028年6月期に向けては売上高をCAGR36%で成長させつつ、人件費の総額の増加割合は25%程度に抑える想定であり、営業利益率の向上を実現しつつ採用等の投資を行っていく予定である。
Q.データ保有量が多い一方で、研究開発費が少ない理由はなぜか?
A.データ活用を発展させる取り組みは主に人件費として計上されており、表面上は研究開発費が少なく見えている。
Q.一部、売上高に占める割合が10%を超える顧客が見られるが、今後の売上割合の推移はどのような見通しか?
A.一部顧客の売上高構成比が高いのは事実であるが、顧客基盤の拡大と売上高の増加により、特定顧客への依存度は今後徐々に低下していく見通しである。
Q.海外で類似の事業を展開している企業は存在するか?
A.海外ではデータの収集とサービス提供が分業化されていることが多く、当社のようにデータ収集からサービス提供までを一貫して行う企業はないと思われる。当社は自社保有データを柔軟に活用できる点が競争優位性につながっており、顧客からの高い評価にも寄与している。
Q.キャッシュアロケーションについて、今回新たに開示した理由は何か?
A.今後、M&Aや出資などの戦略投資および株主還元を検討していく方針であることを明確にするためである。株主還元については、様々な意見を受けて柔軟に対応する方針としている。営業キャッシュフローについては今後も増加傾向を見込んでおり、利益の使途に関する説明責任を果たす観点から明確化した。
Q.M&Aの対象領域として、具体的に想定しているものはあるか?
A.データの幅を広げられる点、データを活用したサービスを拡大できる点、日本国内にとどまらず、海外エリアへも展開できる点の3点を主なM&A候補の選定基準としている。なお、選定にあたっては、社内で一定の財務規律を設けた上で検討している。
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