2428 ウェルネット 2Q後取材 20260311【初回取材】
2026/04/02
2026/04/02
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スピーカー: CEO
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Q. 創業から今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているのか?
A. 当社は燃料販売会社の子会社として新規事業開発を目的に事業を開始し、当初は親会社が抱えていた燃料代金回収の課題解決に向けて、紙の払込票によるコンビニ決済事業を立ち上げた。銀行系ファイナンス会社と連携して専用ソフトウェアを開発・無償配布したことで導入が進み、事業が軌道に乗った。
その後は、三井物産との資本提携による信用力強化も図りながら、バーコードを活用した決済システムを構築し、決済対象や収納機関を広げることで決済のワンストップ化を進めた。
さらに、現金決済の縮小を見据えてクラウドサービス型ビジネスや交通事業者向けシステムへと展開し、セキュリティ課題の高まりを受けて安全な決済システムの開発にも取り組んだ。
現在は、交通系領域においてAWSを活用したサーバー型認証システムを基盤に、QRコードを活用したデジタル乗車券「スルッとQRtto」を開発し、プラットフォームの提供を行っている。今後は、電子マネー・認証・販売管理システムを一体化し、AI活用による付加価値向上を図っていく考えである。
Q.事業の構想は基本的に宮澤社長が主導しているか?
A.その理解で合っている。
Q.御社の強みは過去の実績に基づく高い信用力やコスト競争力という理解で合っているか?
A.その理解で合っている。特に、AWSを活用したクラウド化の波が来ていることが非常に追い風となっている。例えば、「スルッとQRtto」開発のコンペティションは大手メーカーを含む43社が参加する熾烈な競争環境であった中で、当社はクラウドベースの提案で他社よりも一桁低い価格を提示できた点が大きく評価され、受注に至った。
また、AWSは広く普及しており顧客も共通して利用しているケースが多いことから、システムトラブルが発生した場合にもスムーズな対応が可能となり、自社保有のシステムに比べて運用コストを低く抑えることができる点も強みとなっている。
Q.SaaSとしてサービスを提供している競合他社と比較してもコスト競争力等で優れているということか?
A.その理解で合っており、これまでにかなりの労力をかけてノウハウを蓄積していることが結果として表れている。
Q.ビリングカテゴリーやEビリングカテゴリーはどのようなビジネスモデルか?
A.ビリングが請求書などに紙を使用する請求・収納代行サービスであり、当社が利用者から収納金額を受け取り、一定の手数料を差し引いた金額を収納機関(コンビニエンスストア等)へ支払うモデルである。
一方、Eビリングはペーパーレスの電子請求・電子決済サービスである。なお、Eビリングは特許を取得していたことが、AmazonやGoogle等の大手が採用した要因となった。
Q. ビリングカテゴリー・Eビリングカテゴリーの現状や今後の成長見通しをどのように考えているか?
A.非対面決済市場全体が成長していることから、取扱高は増加している。一方で、市場が縮小傾向にあるコンビニ現金決済の売上比率が高いことは依然として課題である。また、直接取引ではなく部品提供をしている事業者に関しては、事業者側でシステムの乗り換え等が発生した場合は実質的に当社のサービスが利用されなくなり手数料収入が減少するなどのリスクもある。
そのような状況を勘案し、より高い利益率を期待できる事象者との直接取引増加や、SaaS(決済+α)の領域に注力していく方針である。
Q.送金カテゴリーの今後の展望をどのように考えているか?
A. SaaS(決済+α)に次いで大きく成長していくと考えている。当初は就活生の交通費支給等で細々と使われていたが、コロナ禍でイベント中止に伴う返金が多数発生したことから需要が急拡大した。当社の送金サービスは全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)と直接繋がっている点に大きな強みがあり、送金先の携帯電話番号を指定するだけで返金手続きが可能な点や、誤送金や組み戻しの手間がなく即座に送金が完結する点が高く評価されている。
代表的な事例としては、大手チケット取扱企業等によるチケット代金の返金、大手旅行代理店の返金代行、ANAやJALの航空会社の現金配布の代替手段として導入されており、現場の手間削減とキャッシュレス化に大きく貢献している。
Q.中期経営計画の見通しについて、ビリング・Eビリング・送金等の既存カテゴリーの伸び率は小幅に留まる一方で、SaaS(決済+α)の戦略分野であるアルタイルトリプルスタークラウド、電子マネー、ekaiin.comが大きく成長していく想定という理解で合っているか?
A.その理解で合っている。電子マネー分野では、現在は一部の大手プラットフォーマーの寡占市場となっているが、そうした状況が続くことで取引客をプラットフォーマーに奪われるリスクを懸念する事業者が一定数存在しており、当社はその受け皿となるべく、金融庁対応も含め、顧客企業のアプリに電子マネーを組み込むモデルの開発に取り組んでおり、寡占市場に風穴を開けつつある。
地域マネー分野については、全国の地域マネーは補助金に依存している所が多く、補助金終了後を見据えてクラウド型のサービス提供を準備している。
また、アルタイルトリプルスタークラウド分野における鉄道やバスの電子化市場は約50%/年の成長が続いており、これらの状況を踏まえると、戦略分野に大きな成長を期待している。
Q.アルタイルトリプルスタークラウドやスルッとQRttoで使用されているシステムは同一か?
A.その理解で合っており、当社は北海道MaaSやJAL MaaS等のMaaS基盤も提供しているが、全て同じシステム基盤である。顧客に合わせてデザインやロゴのみをカスタマイズして提供しており、クラウドサービスとして横展開する際の大きなメリットとなっている。今後は、このビジネスモデルを電子マネー分野で展開していきたい。
Q.アルタイルトリプルスタークラウドの収入形態について、月額利用料に加え、取扱額に応じて発券料や決済手数料等を受け取る従量課金制という理解で合っているか?
A.その理解で合っている。
Q.アルタイルトリプルスタークラウドについて、自社のクラウドシステムを活用していることから、売上高が増加してもランニングコストは一定であり、売上高の伸びに比例して利益率が高まっていくという理解で合っているか?
A.基本的にその理解で合っている。なお、AIの導入も進めており、更なるコスト削減効果も出始めていることから、今後は更なる利益率の上昇に期待できると考えている。
Q.アルタイルトリプルスタークラウドにおいて、どのようなAIの活用シーンを想定しているのか?
A.例えば、北海道MaaSでは、顧客とAIの対話を通じてチケット購入へ誘導するモデルを試行している。また、データ分析においても、顧客のSNS上での投稿をAIに分析させ、どのような状況で何を求めているかを把握する取り組みを進めている。
Q. SaaS(決済+α)について、地域マネーの収益化にはまだ時間を要するという理解で合っているか?
A.基本的にその理解で合っており、アルタイルトリプルスタークラウドは2026年6月期より黒字転換予定である一方、補助金に頼らない自走可能な電子マネーの実現を目指していることもあり、導入に想定以上の時間を要しており、当面赤字が続くと考えている。
Q.地域マネーで解決したい課題は、地域経済の活性化に貢献しつつ、対面決済におけるキャッシュレス化の推進という理解で合っているか?
A.その理解で合っている。
Q.アルタイルトリプルスタークラウドについて、2027年6月期以降も順調に業績が伸びていく想定であるか?
A.その理解で合っている。
Q. アルタイルトリプルスタークラウドについて、主な成長ドライバーは顧客数の増加という理解で合っているか?
A.基本的にその理解で合っており、そのためにも利用可能エリアの拡大が重要となる。例えば、「スルッとQRtto」では、2027年3月に京都府が参画することで関西エリアがほぼ網羅されることとなり、QRコードは乗車券としての機能だけでなく企画券として他のサービス利用も可能となるため、当該事業の大きな飛躍のきっかけになると考えている。
また、当社の認証システムは上述の通り非常に価格高競争力が高いため、付帯するシステムの受託開発の依頼も増加しており、この点も成長ドライバーとなってくる。
Q.今後の通信インフラの変化と、それに伴う事業への影響をどのように想定しているか?
A.将来的にはLTE等の通信インフラが実質的に無料になり、エリア内で常時通信可能な状態の社会が実現すると考えている。その場合、社会全体の情報システムコストが劇的に低下すると考えている。その中で、当社はローカル分野に注力し、サーバー型認証を駆使して地方の交通機関等のデジタル化の推進に貢献していきたい。
Q.交通機関等のデジタル化構想について、具体的なイメージはどのようなものか?
A.例えば電車の改札機等、未だに現金や磁気チケット(切符)が残っているアナログ領域のデジタル化を想定している。この場合において、現金決済が不要となれば券売機自体も不要になり、サーバー型認証システム(スマートフォンによるQRコードやマイナンバー認証)へ移行可能となれば切符も不要になり、発券機や自動改札機等のローカル端末の導入コストを大幅に低減させることが可能となる。なお、JR北海道においては、交通系ICカードが導入されていない路線との定期券の連携等において当社のサーバー型認証システムがすでに採用されている。
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