4996 クミアイ化学工業 1Q後取材 20260415【初回取材】
2026/05/07
2026/05/07
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スピーカー: IR
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Q.創業から今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?
A.1949年に庵原農薬株式会社を設立し、1965年にはイハラケミカル工業と旧クミアイ化学工業に分社化した。その後、両者を2017年に経営統合し、現在のクミアイ化学工業となったことで、旧クミアイ化学工業が行っていた農薬及び農業関連事業に加えて、イハラケミカル工業が行っていた化成品事業を行うことになった。
Q.社内では農薬及び農業関連事業を主力事業として捉えているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。一方で、農薬及び農業関連事業ではジェネリック品の参入により、主力製品である「アクシーブ」の競争環境が悪化している。製造コスト低減等によりアクシーブの競争力を高め事業の拡大を図るとともに、新剤・新技術の開発や既存剤の最大化に加え、化成品事業を第二の主力事業として成長させる必要があると考えており、近年は化成品事業の育成にも力を入れている。
Q.現在において、2017年の経営統合後のPMIは完了しているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.現在の農薬及び農業関連事業の状況はどのようになっているか?
A.主力製品の「アクシーブ」については、既に一部地域でジェネリック品が参入してきている上、最大規模の市場であるアメリカにおいても今後ジェネリック品が参入してくる想定であるため、今後はジェネリック品との競争が一層激化すると考えている。
なお、国内については、市場全体の成長率は低水準であるが、「エフィーダ」や「ディザルタ」の好調によって当社製品のシェアは拡大しており、事業は順調に成長していると考えている。
Q.農薬及び農業関連事業の販売経路はどのようになっているか?
A.国内では、7支店、4営業所を配置し、全国に製品の販売・普及活動を行っており、主に全農に農薬を販売することで、全農・JAを通じた農家への製品供給を行っている。一方で、海外では農薬の有効成分の原体を各国の販売会社に対して販売しており、各販売会社が当社の原体を利用して農薬の製造・販売を行っている。
Q.販売会社向けの原体販売を行っているということは、海外の農家における認知度は高くないという認識で良いか?
A.その認識で問題なく、海外では当社の原体が使用された農薬であっても各販売会社の製品として認知されていると考えている。
Q.農薬及び農業関連事業について、国内市場は今後も安定的に推移する想定であるという認識で良いか?
A.その認識で問題なく、国内市場は当社の農薬事業を支える根幹であり、事業を成長させるためにはシェアを拡大することが重要であると考えている。
Q.農薬及び農業関連事業における、海外売上高のその他の内訳はどのようになっているか?
A.海外向け売上高のその他には、数億~数十億円規模の様々な製品の売上高が含まれており、自社開発製品に加えて、他社の農薬を導入し自社製品として販売しているものも含まれている。
Q.IRミーティング資料に記載のとおり、「アクシーブ」の販売動向は主要4か国(アメリカ、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル)ごとに説明することが多いという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、他の製品の販売動向については製品別に説明することが多い。
Q.「アクシーブ」がヒットした経緯はどのようになっているか?
A.北米や南米では除草剤の「グリホサート」に耐性のある遺伝子組換え作物が栽培されているが、十数年前から「グリホサート」に抵抗性のある雑草が顕在化し、作物の栽培に大きな支障が生じていた。その時期に、それらの雑草に対して非常に高い効果を発揮する「アクシーブ」が上市し、低薬量で効果が得られる点や一度農薬を散布すると効果が長期間持続する点も評価され、製品がヒットした。
Q.農薬業界における特許と事業の関係はどのようになっているか?
A.特許には複数の種類があり、有効成分である化学物質に対する基本特許や、他の有効成分との組み合わせを用いた混合剤特許、有効成分の工業的生産方法に関する製造法特許がある。特許の存続期間は20年であるが、開発段階で特許出願を行い、開発には約10年を要するため、上市時点から存続期間の終了までは約10年となることが一般的である。
また、基本特許の存続期間が終了するとジェネリック品の参入が開始するため、混合剤特許や生産方法に関する特許を活用して特許侵害品の市場参入を防止しつつ、事業を行う。
Q.「アクシーブ」の基本特許の存続期間は既に終了しているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、アメリカとブラジルではオリジナルメーカーが農薬登録時に使用したデータを保護する制度が存在するため、アメリカは2025年までジェネリック参入のリスクは低かった。ブラジルは2030年までデータ保護制度が継続される。
Q.ジェネリック品の参入に対応するため、アメリカにおける「アクシーブ」の販売価格は低下させる方針であるという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、製品価格が下落することで市場規模は拡大すると考えているため、販売数量を拡大させ、収益を確保する方針である。また、具体的な価格の下落率は不透明であるが、一般的には農薬はジェネリック品の参入により約30%価格が下落する傾向があると言われている。
Q.アメリカにおいて、1Qの「アクシーブ」の売上高が前年同期比で増加した理由は何か?
A.第一に、販促支援の強化を行ったからであり、第二に、2Q以降に出荷予定であった製品を1Qに数十億円分だけ前倒して出荷したからである。なお、2Q以降の四半期別の売上高は1Qと比べて減少する可能性があるが、通期の売上高は計画通りとなる想定である。
Q.アメリカにおいて、「アクシーブ」のジェネリック品が参入する具体的な時期は不透明であるという認識で良いか?
A.その認識で問題ないが、既に複数のジェネリック品の農薬登録を確認している。
Q.アメリカではジェネリック品の参入を待つ農家も存在しているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.来期以降において、アメリカの「アクシーブ」の売上高と利益はどのように推移する想定か?
A.「アクシーブ」の売上高と利益の推移はジェネリック品の動向次第であると考えているが、利益を確保するために販売数量を増加させることことに加え、原価を減少させるために製造方法の効率化を進めている。
Q.オーストラリアとアルゼンチンにおいて、ジェネリック品の参入による事業への影響はどのようになっているか?
A.3年前の想定と比べてジェネリック品の流通量が増加しており、特にジェネリック品の参入から一定期間が経過しているオーストラリアでは競争が激化している。
Q.オーストラリアにおいて、1Qの「アクシーブ」の出荷が行われなかったことは想定内であるという認識で良いか?
A.その認識で問題ないが、今期における今後の出荷については見通しが立っている。なお、前期1Qの売上高49億円は、特許侵害品に対する法対応が功を奏し、違法品の市場からの撤退に伴いオリジナル品の需要が一時的高まった影響により、好調に推移した数値である。
Q.オーストラリアとアルゼンチンにおいて、「アクシーブ」の売上高は通期計画を達成できる見込みであるという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.ブラジルにおいて、「アクシーブ」の市場は2030年まで成長する想定であるという認識で良いか?
A.その認識で問題ないが、現在は金利高によって農家の資金繰りが悪化している上、「アクシーブ」の競合の除草剤が在庫過多によって値下げされているため、今期の売上高は低調に推移する想定である。
なお、1Qにおいては、一部で製品の出荷が2Q以降へ後ろ倒しとなったため、売上高は計画と比べて低調に推移したが、通期計画は達成できる見込みである。
Q.農薬の有効期限はどの程度か?
A.最終製品の有効期限は3~5年であり、比較的長期である。
Q.「アクシーブ」は主要4か国以外においても販売を行っているという認識で良いか?
A.その認識で問題なく、穀物の生産量が多い主要4か国(米国、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチン)を含め、農薬登録は25か国で取得しており、更なる販売拡大を目指している。
Q.農薬の原材料について、イラン情勢の影響はどのようになっているか?
A.原材料の在庫を一定程度保有しているため、現時点では工場が停止するほどの影響は出ていないが、原材料の調達先からは値上げや今後の調達難に関する通達を受けている。また、当社は原材料として有機化合物を扱っている上、農薬を包装する容器などはポリエチレンやポリプロピレンを使用しているため、現在の状況が継続すれば数か月後にはイラン情勢の影響が何らかの形で顕在化する可能性はある。
Q.原価全体に対して、イラン情勢の影響を受ける原材料が占める割合は高水準であるという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.化成品事業に関して、塩素化事業と精密化学品事業の取扱製品は何か?
A.塩素化事業ではIPC・TPC・PXDC・OPAD等を製造しており、主にアラミド繊維の原料や半導体の封止材に用いる樹脂の原料として使用されている。精密化学品事業ではビスマレイミド類を製造しており、主に銅張積層板のガラスクロスに耐熱性を付与する樹脂の原料として使用されているため、生成AI関連の需要拡大を背景に売上高は好調に推移している。
Q.精密化学品事業の売上高に占めるビスマレイミド類の割合はどの程度か?
A.前期は40~50%であるが、現在はビスマレイミド類の割合が更に上昇している。
Q.御社は国内においてビスマレイミド類のトップメーカーであるという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、海外については中国企業等と競合しつつも、主に中国や台湾へ製品を輸出しており一定のシェアを確保している
Q.1Qの精密化学品の売上高が前年同期比で増加した理由は何か?
A.主にビスマレイミド類の売上高が増加したからである。
Q.ビスマレイミド類の市場環境はどのように推移する想定か?
A.半導体電子材料の需要拡大に伴い、市場全体の成長は一定程度継続すると考えており、今後の成長にも期待している。中長期的には競合他社の参入により価格が下落する可能性や、新材料の開発によるビスマレイミド類の需要減の可能性が懸念材料である。
Q.精密化学品事業の売上高に季節性はないという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、2Q以降の売上高の前年同期比での増加率は1Qと比べて低下する可能性はあるものの、引き続き好調に推移すると考えている
Q.中期経営計画上のキャピタルアロケーションについて、配当還元や借入返済は順調に進捗しているという認識で良いか?
A.その認識で問題なく、特に借入返済については当初の想定を上回って進捗している。なお、成長投資における戦略投資については、現時点で投資額が約5億円に留まっているが、適切な案件があれば、当初の投資枠である約130億円の範囲内で積極的にM&A等を行う方針である。
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