4413 ボードルア 4Q後取材 20260511
2026/05/21
2026/05/21
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スピーカー: CEO
P/E 22.8x P/B 9.26x (取材記事公開日現在)
Q. 2026年2月期決算を踏まえ、直近2~3年の事業状況をどのように捉えているか?
A. 前回取材時の2024年2月期2Qと比べ、現状で外部環境や事業内容、今後の見通しに大きな変化はなく、現在は次の中期経営計画の期間である2029年2月期までの目標達成に向けて準備を進めている状況である。
なお、足元の株価が低調に見える背景は、日本の株式市場における売買について、現在は個別企業の状況よりもセクター中心に行われているためで、大手生成AI開発企業のプレスリリースが関連するテーマの株価に一斉に影響する傾向があり、個別株レベルでの予測が異なる投資家も市場の流れに乗らざるを得ない状況である。株価は必ずしも個別企業の具体的な状況に応じたものとなっておらず、当社もその例に漏れない。長期的な目線で見れば業績と株価は一定の相関関係があり、将来的にはAIによる代替可能性等、個別企業ごとの事業特性を反映した株価形成に移っていくと考えており、その方向性は漸次見え始めていると考えているが、現状はテーマでの売買の方が強い。
Q.未経験者を採用・育成して業績貢献につながるビジネスモデルによる年間30%の成長は、今後も維持できる見通しか?
A. その認識で問題ない。未経験者を採用して育成するのには数年かかるので、1年後、2年後の専門人材の計画人数は今から採用しても増加しないが、その代わり、現在の人員の繰り上がりで専門人材、高度専門人材が増えていくので、計画の蓋然性は高い。未経験者層の採用は他社との競争が少ないため、採用の蓋然性も引き続き高いと考えている。
Q. 売上比率について、2025年2月期と比較して、セキュリティ分野の比率が伸びてクラウド分野の比率が減少しているが、IT業界の潮流として各分野の需要が変化しているのか?
A. 当社の市場シェアはまだ限定的であり、各分野の売上比率は業界全体の需要動向というよりも当社が受注した案件の内容に左右されている。そのため、売上比率について、事業環境レベルでの変化は感じていない。
Q. 自社業務のAI代替性をどのように評価しているか?
A. 代替性は相当低いと考えている。2026年2月期決算説明資料P2,3でも説明しているように、ITシステムを箱と中身に分けると、当社のITインフラストラクチャ(以下、「ITインフラ」)と通信工事は箱の部分となり、同じIT業界でもアプリやミドルウェアが中身の部分となる。中身の部分の方がAIの影響度合いは強く、通信工事会社は工事と合わせてICT、ITインフラの部分の売上も30%程度あるが、株価も堅調に推移していることからAI代替の懸念はないとマーケットから思われていると予想する。、当社も開発が主要なSIerよりは、通信工事会社の領域に近いため、AIによる代替可能性は同様に低いと考えている。
Q. ITインフラ分野において、AIによる代替が難しい付加価値はどこにあるのか?
A. 顧客のITインフラの環境は設計図通りになっていないことも多く、実際の環境と設計図を照らし合わせが必要であったり、構築の際には断線等の障害試験等を物理的に行ったりするので、ソースコードのように言語を書いていくような業務とは異なり、ボタン一発でIT環境が出来上がる世界観ではない。そのため、クラウドサービスが普及した際も、オンプレミスよりも便利になる面はあったが、結局専門家がクラウド環境構築を行うように変化しただけとなっている。
Q. 買収等でITインフラ専業の企業が減少しているが、事業環境に影響しているか?
A. 業界内での変化は特に感じていない。広いマーケット内で、1社の変化が業界全体に大きな影響を与えるとは捉えていない。ITインフラ専門であるか、他分野を中心としながらITインフラも担うかは単に守備範囲の違いであって、総合病院と専門医の違いのようなイメージに近いと考えている。
Q. 今後のM&A戦略についてはどのように考えているか?
A. オーガニックで毎年度30%の成長を目指し、M&Aで上乗せする戦略である。2027年2月期は売上高34.9%増の計画であるが、その内30%がオーガニックによる成長で、残りの4.9%は2026年2月期の期中に買収した企業のフル寄与分となっている。中計は毎回着地から30%成長で更新しており、更新前の中計であればM&Aを行わなくても達成可能だが、着地が30%以上になると発射台が高くなったところからの30%成長になるので、M&Aが必要になってくる。
また、従前はPERが高かったため未来の高成長を犠牲にして利益を優先する場合もあったが、株価が落ち着いてきたことも鑑み、投資家からの期待値が以前より落ち着いている現在だからこそ、30%以上の成長は確保しながら、PMIや新規事業への投資など、中長期の成長に向けた取り組みを進めやすいと考えている。
Q. M&A後、PMIを実施し30%の成長を実現するまでの期間はどの程度かけているのか?
A. 被買収企業について、買収後1年目はグループ全体の成長率を一時的に押し下げるが、2年目以降には本体を上回る成長率を実現するケースが多い。買収した子会社は規模が小さいため高成長率を達成しやすく、その高成長によって新たなM&A先の低成長を補い、全体で30%成長を実現している。
当社は当初から未経験者しか採用せず育成によって高度人材を確保してきた経緯があり、企業を成熟させる知見が蓄積し型ができているため、効率よくPMIを実施できている。KPI達成のための営業や文化形成、研修カリキュラムの進捗管理等、当社で育成してきた人材を送り込んで対応させる傍ら、研修や営業の一部を本社に集約することで、必要人材の抑制も図っている。
そのため、通常であれば短期間にM&Aを反復すると減損リスクになるが、当社ではこの型によりリスクが発生せず、IFRSではのれんの定期償却が不要であるため、減損リスクを抑えられれば、IFRSメリットを享受しやすいと考えている。
Q. 2026年1月にM&Aを実施したリクソルは売上に対する利益率が低く見えるが、今後の成長戦略はどのように考えているか?
A. リクソルについては、1年後の利益に対して、4~5倍程度のバリュエーションを想定している。本質的なPMI、成長には時間がかかるが、当社から業務を分配することなどにより、黒字化を達成し、1年でPMIを完了させ、4~5年で投資を回収する計画である。
なお、リクソルは買収初月から黒字化を実現済みであり、買収時の事業計画を上回って成長しているため、現時点では減損リスクにつながるような懸念はない。
Q.生成AIの自社活用についてはどのような取り組みを行っているか?
A. AIの専門家15名程度を集めた新規子会社を設立し、AI時代に向けた事業を開始している。30%成長の上回りの部分でリスクを取って行っており、いわゆるFDE(=Forward Deployed Engineer : 現場のニーズに応じ最前線で課題を解決するエンジニア)のようなAI専門人材を他社に派遣する外販事業を展開する。このようなAI人材は市場の母数が少ないため、今後、業務コンサルティングやITコンサルティングの経験がある人材を採用として、体系化したカリキュラムで研修を実施することが有効であると考えている。
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