4577 ダイト 3Q後取材 20260430
2026/05/26
2026/05/26
Disclaimer
この取材ノートは投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式 (有価証券) についての投資判断あるいは有価証券の価格やリターンに対する動向に関する助言を行うものではありません。
当取材ノートに投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。
取材ノートに記載された内容は取材時の内容・取材ノート原本を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。ご了承ください。
また、取材ノートに記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。
大きい変更があった場合は再投稿という形で新しく上げ直すよう努めます。
※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。
スピーカー: IR
P/E 14.0x P/B 0.67x (取材記事公開日現在)
Q.2026年5月期3Qまでの業績をどのように評価しているか?
A.2025年7月に公表した期初の業績予想に対して、3Qまでの業績を踏まえて、売上については主に国内10億円、中国5億円の計15億円の下方修正となったが、EBITDAは横ばいの着地を見込んでいる。また、利益面についてはいずれも上方修正となっている。
国内の売上が計画を下回る見通しとなった要因については、顧客側の在庫が消化できなかったことや出荷時期の問題等によって、製剤と原薬がそれぞれ5億円程度下回る見込みであることに加えて、業界内で一部の企業が好調に推移する一方で、それ以外の中堅メーカーの状況が上向いていないという複合的な要素も影響している。
また、中国については、元々知名度が低いこともあり薬局等への販売が想定を下回った状況である。
今後は従来の薬局への販売モデルから入札制度を介して病院市場へ進出するモデルへ切り替え、現地での知名度の向上を目指す方針である。
Q.中期経営計画を策定した2024年7月と比べて現在の事業環境はどうか?
A.国内はおおむね堅調であるが、中国が想定を下回る状況である。なお、国内においては選定療養の導入による増収増益期待が当初を下回ったことや、新商品の上市が一部中断したこと等が下振れの要因となっている。
一方で、当社は中期経営計画において非連続的な成長を目指す戦略であるところ、2026年3月には小野薬品工業から2品目を承継し、同年4月には3社合同で杏林製薬から後発医薬品事業を承継することで基本合意に達しており、今後の事業価値の増加に寄与すると考えている。
Q.他社との連携を強化している背景は何か?
A.中期経営計画の策定時に、建設コスト増加等のため自社での工場拡張も困難であると認識していたことが背景にある。
Q.医薬品の承継と、パートナー関係構築やコンソーシアムはそれぞれどのような違いがあるのか?
A.コンソーシアムは10社弱の企業間で生産品目を話し合いで整理していくものであり、資金を使わずに各社が利益を享受できる体制を目指す動きである。一方で、医薬品の承継は資金を伴うものであり、バランスシートも含め当社への影響は異なる。
Q.パートナー関係構築は特定領域での業務提携という認識でよいか?
A.その認識で問題ない。パートナー関係構築は現行の中期経営計画期間中に結果が出るものではなく、次期中期経営計画等、将来的な収益寄与を目指して進めている。
Q.他社との連携強化は付加価値の高い領域の拡大を目指したものか?
A.その認識で問題ない。現在の主軸であるジェネリック医薬品の原薬および製剤ビジネスに加えて、今後はより付加価値の高い領域の拡大が必要になると考えている。ノーベルファーマとの治験開始や、小野薬品工業からの承継は、中期経営計画に掲げている方針の一環であり、ライセンスを取得することで、一定規模の売上と利益に貢献すると想定している。
Q.小野薬品工業からの承継による業績への影響はどの程度か?
A.業績への貢献は非開示であるが、承継した医薬品の薬価ベースの市場規模は、同じ成分の他社製品やタイ向けを除き、約40億円弱であり、承継に関連する減価償却等の費用は発生するものの、償却後でも十分に利益貢献がある前提で購入を判断している。
Q.杏林製薬からの承継は出資比率に応じて収益に貢献する想定か?
A.その認識で問題ない。出資比率は非開示であるが、当社が最大出資者であるものの過半を超えないため、持分法適用会社として収益貢献する見込みである。
Q.杏林製薬からの承継について、他2社との共同承継とした背景は何か?
A.当社はMRを持たず医薬品の製造に特化している企業であるため、下流の販売網までカバーする目的でパートナーシップを構築したものである。
Q.2027年5月期の業績見通しはどのようになっているか?
A.2027年5月期の予算は精査中であるが、小野薬品からの承継による売上および利益への貢献が主たる成長要因となる。毎年の薬価改定はマイナス影響となるが、新商品の発売によるプラス影響でカバーし、おおむね2026年5月期を上回る水準になると想定している。
Q.中東情勢による業績への影響はあるか?
A.中東情勢による原材料価格の上昇リスクについては、一定程度の価格上昇を予算に織り込む予定である。直近の環境としては、医薬品の安定供給の重要性から受託先への配慮がなされており、一定程度の値上げを受け入れてもらえる環境になっているため、価格上昇分を当社のみが全額負担する状況ではないと認識している。
Q.中国事業において、市場への展開方法を切り替えるに至った背景は何か?
A.中国において薬価の下落が想定以上に大きくなっていること、当社に営業部門がなく知名度が向上しないこと、入札制度に変更があったことの3点が背景である。当初は日本品質を強みとして薬局等への販売を見込んでいたが、薬価下落が厳しく販売が難航し、想定していた売上を計上できなかった。そのため、入札制度を利用して病院市場に進出する方針に切り替えた。
Q.中国事業は展開方法の転換で利益率は下がる見通しか?
A.その認識で問題なく、展開方法の変更により販売数量は増えるが、当初の利益率は低くなる想定である。しかしながら、工場の稼働率を向上させることで、利益率は継続的に改善していく見通しである。
Q.中期経営計画で想定した開発スケジュールの進捗はどのようになっているか?
A.ジェネリック医薬品の開発等は想定より順調であり、2027年5月期は複数の承認が集中するスケジュールとなっている。しかし、今後は承認されたものを確実に販売して売上につなげる戦略や、生産体制の構築が課題になると考えている。
Q.中期経営計画における2027年5月期の売上560億円、EBITDA100億円という目標に対しどのような着地となる見通しか?
A.2027年5月期の目標に対しては、中国事業の遅れを医薬品の承継等でカバーしつつ、工場の稼働率向上や、オーソライズドジェネリック(先発医薬品メーカーから許諾を得たジェネリック医薬品)の政策変更に伴うシェア拡大等を見込みながら、現在予算を精査している。
Q.例年4Qに売上が偏重しているが、2026年5月期も同様の季節性となる見通しか?
A.その認識で問題ない。
Q.CCC(=キャッシュ・コンバージョン・サイクル)が大きく改善しているが、今後も改善状況は継続する見通しか?
A.CCCはキャッシュフローを中心に改善し、中期経営計画の目標をすでに達成する状況にあるが、今後は取適法の影響等もあるため、これ以上は大幅に短縮できるわけではないと認識しており、引き続き在庫の圧縮には取り組むことで、現在の水準の維持を目指している。
Q.現金の使途はどのような想定か?
A.直近の営業キャッシュフローは80億円程度であり、大きな設備投資の予定もなく、財務キャッシュフローと投資キャッシュフローを十分にカバーできている状況であり、中期経営計画で掲げた株主還元50億円の達成の目処は立っている状況である。加えて、銀行からの短期借入枠は潤沢にあるため、資金繰りについて懸念している点はない。
ただし、当社は自己資本が厚くROEが改善しにくい課題もあるため、資本効率の改善等については財務部門とともに今後も検討していく予定である。
コメント