2782 セリア 4Q後取材 20260604【初回取材】
2026/07/01
2026/07/01
Disclaimer
この取材ノートは投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式 (有価証券) についての投資判断あるいは有価証券の価格やリターンに対する動向に関する助言を行うものではありません。
当取材ノートに投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。
取材ノートに記載された内容は取材時の内容・取材ノート原本を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。ご了承ください。
また、取材ノートに記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。
大きい変更があった場合は再投稿という形で新しく上げ直すよう努めます。
※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。
スピーカー: IR
P/E 15.0x P/B 2.39x (取材記事公開日現在)
Q. 100円ショップを始めた経緯はどのようになっているのか?
A. 創業者が何かビジネスを探していたところ、スーパーマーケットの軒下等で行っている100円商品の催事を見て、参入を決めた。創業した1985年当時は、卸売業者が催事業者に容易に商品供給をしたため、参入障壁は低かった。
Q. 今後も100円ショップというコンセプトを維持していく方針か?
A. お客様は価格を気にせず買い物できるということが特別な体験であり、当社も100円に絞ることで原価管理や商品開発の方向性を明確化でき、事業運営をシンプルにできる利点があるため、今後もコンセプトを維持していく方針である。
Q. 過去数年間で事業環境はどのように変化してきたか?
A. コロナ禍では、巣ごもり需要を背景に生活必需品、趣味嗜好品、推し活関連商品、ハンドクラフト用品等の需要を取り込み、売上が大きく伸長した。その後は外出機会の増加に伴う特需剥落に加え、物流費や原材料費の上昇が利益を圧迫したが、シールなどの低原価商品の開発、パッケージ簡素化等による原価低減策の効果が表れ、2024年頃から利益は回復傾向にある。
Q. 他社と比較した際の強みや差別化の要因はどのように考えているか?
A. 競合他社が高価格帯商品の展開を進める中、当社は100円商品のみを取り扱い、品揃えを維持拡充していることから、定番商品や他社にない商品を安定的に提供できる点が差別化要因となっている。特に、推し活関連商品やシール等の趣味関連商材では、専門店並みの品揃えにより需要を取り込んでいる。
また、発注支援システムにより、お客様ニーズに沿った品揃えとそのデータを主要取引先約150社に日次で共有することで、売れ行きに応じた生産調整を迅速に行える体制を構築している点も当社の強みである。これにより、バイヤーとサプライヤーが一体となって直近の需要を即座に捉えた商品開発が可能となっている。
Q. メインの購買層はどのような顧客か?
A. 顧客属性の詳細データは分析上不要と考え取得していないものの、30代から40代の女性が多いと認識している。ただし、特定のターゲット層を前提に商品開発を行っているわけではなく、販売データに基づいて需要のある商品を展開した結果、自然と当該層に支持される構成になったと考えている。
Q. 推し活領域の需要を取り込むことができた理由は何か?
A. 趣味嗜好性の高い商品の需要予測は一般に難しいものの、販売データの分析を通じて流行の兆しを捉えることで、他社に先行した対応ができたことが要因であると考えている。
Q. どのような形態の店舗が多いのか?
A. 認知が弱かった時代はロードサイド型単独店舗が中心であったが、認知が進んだ結果、ショッピングセンターやスーパーマーケットへの併設型へシフトしている。これは、顧客にとって一度の外出で買い回りが可能となる利便性があることに加え、併設先との相互送客による売上向上と出店リスク低下が見込めるためである。
Q. 出店戦略はどのようになっているのか?
A. 従来は出店打診を受けてから採算性や周辺環境、施設集客力等を踏まえて判断する受け身の出店姿勢が見られた。しかしながら、2026年3月期は120店舗の出店計画に対して実績は117店舗に留まり、受け身の出店姿勢では優良物件を十分に確保できないことが明確となったため、2027年3月期からは市町村別の人口や競合店舗数等を分析し、出店余地のある地域に対して能動的に営業を行う姿勢へ転換を進めている。
Q. 現在の店舗数に対する今後の出店余力をどのように考えているか?
A. 人口2万人当たり1店舗とした場合、100円ショップのみの国内市場の店舗数は最大約6,000店舗と推定される。直近は高価格帯商品を導入する競合他社を含めると市場全体で9,000店舗超まで拡大している状況であるが、当社としては、100円商品のみを扱う業態として6,000店舗体制の構築余地があると考えており、シェア拡大を通じて実現を目指していく方針である。
Q. 具体的な店舗数の年間目標はあるか?
A.現在の出店ペースは、なお引き上げ余地があると認識しているため、中期的には年間140店舗から150店舗程度の新規出店を進め、100店舗程度の純増を目指していく方針である。
Q. 店舗タイプはColor the days等いくつかのパターンがある理由は何か?
A. 2007年のブランディング開始以降、新規出店や店舗リニューアルのタイミングに合わせて順次Color the daysへの切り替えを進めており、既存店舗を一律に刷新しているわけではないためである。
Q. 直営既存店の客数が純増を続けている理由は何か?
A. 競合他社が高価格帯商品の展開を拡大して100円商品の品揃えを縮小したことにより、100円商品が充実している当社を選択する顧客が増加していることが要因であると考えている。
Q. 古い店舗を含め、既存店全体で客数が増加している認識で合っているか?
A. その認識で合っている。
Q. 2026年3月期3Q以降に客単価が上昇した理由は何故か?
A. シールや趣味嗜好品需要の高まりが要因と考えている。なお、直近は日用雑貨の販売も月次で好調に推移していることから、今後シール需要が落ち着いた場合も客単価は大きく変動しない想定である。
Q. 100円均一を継続することに対して、投資家や社員からはどのような意見が挙がっているか?
A. 従来は100円価格の維持が利益の低下に繋がるとの懸念が一部で見られていたが、直近で既存店売上が堅調に推移し、原価を抑制しながら利益を確保している実績を示したことで100円均一モデルは再評価されつつある。
そのため、社内においても100円均一を貫くことに対し否定する意見はなく、価格維持に向けた工夫を重ねる企業風土が根付いている。
Q. 原価や人件費のコントロールはどのように実施しているのか?
A. 商品原価については、パッケージや仕様の見直しを通じて細かな単位で削減を積み重ねるとともに、シールのような原価率の低い商品と相対的に原価率の高い商品を適切に組み合わせることで、全体の原価率をコントロールしている。
また、人件費については、セルフレジ導入等による省人化を進めることで、売上および店舗数の拡大に対して人件費を抑制できている。
Q. 営業利益率を過去の10%水準に戻すことは可能であると考えているか?
A. 近年の原材料価格高騰を踏まえると、短期間で営業利益率を10%水準まで回復させることは難しいが、今後も売上拡大と各種コスト削減を継続し、7~8%程度の利益率を徐々に向上させていく方針である。
Q. 為替の変動リスクをどのように認識しているか?
A. 国内メーカーから商品を仕入れているため、為替変動による直接的な影響はほとんどない。取引先メーカーが海外で商品を製造している場合は間接的に影響を受けるが、急激な円安が長期的に継続しない限りは影響度は限定的であると考えている。
Q. 2027年3月期の業績予想では増収見通しである一方、営業利益は横ばいを見込んでいるが、これは各種コスト上昇を前提にしているという認識で合っているか?
A. その認識で合っている。中東情勢等を背景に取引先からの値上げ要請が発生しているが、安定的な商品調達を優先する観点からこれらの要請を受け入れているため、2027年3月期は原価率の悪化を見込んでいる。
Q. 原価率の悪化はいつ頃まで続くと考えているか?
A. 2027年3月期2Qから3Qにかけて悪化し、4Q以降に緩やかに改善していく想定である。
Q. 業績の季節性はどのようになっているのか?
A. 年末は大掃除や正月準備、クリスマス等の需要を背景に、12月の売上が最も高くなる傾向にある。それ以外の期間については大きな変動はなく、概ね安定的に推移している。
Q. 2026年3月期下期の売上高販管費率について、賃借料率やその他販管費率が低下した理由は何か?
A. 既存店売上高が好調に推移したためである。
Q. 出店要請を受ける中で、出店判断において重視している点は何か?
A. 採算性やキーテナントであるスーパーマーケット等の集客力を重視している。
Q. 営業活動においてボトルネックとなる要因はあるか?
A. 店舗数が増加する中で、年々契約見直しや閉店交渉等に伴う事務負荷が営業活動の制約となっていたことから、現在はこれらの業務をシステム化し、営業部隊が新規出店営業に専念できる体制整備を進めている。
コメント