5537 AlbaLink 1Q後取材 20260608【初回取材】

2026/07/02

2026/07/02

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※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。

株探 バフェット・コード

スピーカー: CFO
P/E 18.2x P/B 11.03x (取材記事公開日現在)

Q.創業から今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?

A.創業者の河田は学生時代からアフィリエイト等のウェブマーケティングで個人事業を行っていたが、ウェブマーケティングは変動の激しい領域であるため、安定事業を作りたいと考えたことが不動産に関わり始めたきっかけである。
空き家を中心とした訳あり物件の方が利回りは高くなりやすいと考え、安価な物件を買いたいと考えていたが、そのような物件は流通が少ないことが分かった。
一方で、世の中は空き家問題が深刻化していることから、安い物件は存在するが需要に結びついていないと考え、需給のギャップを埋めるマッチング事業を立ち上げた結果、実際に空き家を手放したい人は多く存在し、当時の河田のような空き家に投資したい需要も豊富なため、今日まで事業を拡大してきている。

Q.リフォーム等のサービスは展開しているか?

A. 当社では大半の物件についてリフォームを行わず、三為取引という形で仕入時のまま瞬時に販売している。一方、リフォームや残置物の撤去等を予定する一部の物件や売主が早期に現金決済を希望する場合などについては自決取引を行っている。また、2026年12月期はトライアルとして自社でリフォームを行った物件の民泊運用を開始しており、今後は賃貸運用も計画している。

Q.資産価値の上昇に向けた大きな作業等は行わず、売主と買主を結び付けることが事業の中心という認識で良いか?

A.その認識で問題ない。ただし、当社はリスクを取って自ら購入し販売しているため、不動産仲介業者とは明確に異なる。

Q.仲介ではなく買取再販の形態をとる利点は何か?

A.売主としては、仲介と比べ買い手が見つからなくても確実に、かつ、スピーディーに物件を売却できる。また、当社としては、契約不適合責任は発生するものの、手数料規制がなく、安価な物件も取り扱える。当社の売主は地方の実家を相続したケースが多いが、現地の不動産仲介業者に相談しても、低い売買価格では手数料規制の観点からメリットがなく、仲介を断られるケースや廉価物件の販売網がないため仲介を依頼してもなかなか買主が見つからず売却できないケースが多い。
実家を手放せない場合、固定資産税の負担や管理負担、倒壊リスクが残るほか、そのような物件が子供世代へ引き継がれてしまう可能性もあり、そのようなリスクから解放されたい売主が当社へ問い合わせることで、取引が成立している。

Q.買主はどのような属性が多いのか?

A.当社の販売先は経験豊富な個人投資家が中心である。彼らはリフォーム等の作業を自身でリフォーム業者に委託するまたはDIYで自ら行うため、価格を重視する傾向が強く、当社としては特に作業を行わず、可能な限り安価で販売している。
なお、当社の販売価格の中央値は約200万円であり、買主は約100万円で賃貸が付く最低限のリフォームを行い、計300万円を投じた物件に月5万円の賃料をつけ、利回り20%を得たいと考えるような層が中心である。

Q.買主が売主と直接取引するのではなく、御社を通したマッチングに価値を感じている理由は何か?

A.空き家の売主と買主が個人間でつながる機会は少なく、また、個人間売買は売主と買主の双方にリスクが大きい。そこで、上場企業であり宅建業者でもある当社が間に入ることで、安心感が生まれていると考えている。

Q.販売はリピーター向けが多い状況か?

A.リピーターと新規の双方へバランス良く販売できている状況である。2023年以降で2件目以降を購入するリピート購入の比率は、2026年12月期1Qで38.8%まで上昇している。これは1件目で高い利回りを得られたため、2件目以降の購入につながっていると想定している。
一方で、残る61.2%は新規の購入である。当社は販売に関する広告費をほとんど使用していないが、その中でも新規の投資家が継続的に流入し、顧客層が広がっている。

Q.リピート購入率は伸ばしていく方針か?

A.特にコントロールは考えておらず、現在は自然と上昇してきている状況である。なお、販売が停滞し始めた場合はリピート購入を増やす施策を行う可能性がある。

Q.営業担当者の役割はどのようになっているか?

A.基本的には売主のもとへ訪問して査定や交渉を行うことで、仕入を行っている。本社がウェブマーケティングを中心に月に約3,000件の問い合わせを獲得し、獲得した問合せを物件の場所に応じて各支店に所属する営業担当者に割り振る体制となっている。

Q.支店を増やしている理由は何か?

A.顧客と直接話すことが、信頼獲得や仕入の契約率の向上につながるためである。売主は高齢者が比較的多く、遠隔での交渉より地域に根ざした対応が望ましいと考えているため、支店を増加させている。

Q.2026年1Q決算補足決算説明資料P.15に記載のとおり、地方物件の売上総利益率が高い理由は何か?

A. 有料引取や、10円といった低廉な価格での引取(仕入)が増えるためである。例えば、当社が10円で不動産を取得する際、売主からは別途100万円を受け取り、50万円で販売するケースがあるが、この場合は原価10円、売上150万円となり、売上総利益率は高くなる。

Q.競合の環境はどのような状況か?

A.よく比較される企業として空き家の買取再販をしている上場企業があるが、当該企業は比較的状態の良い空き家を取得し、リフォーム後に実需向けへ販売するビジネスモデルである。一方、当社は状態の悪いものを含むほとんどの空き家を対象とし、投資家向けに販売するため、入口も出口も異なっており、競合しないと考えている。    
また、地域限定などの形で小規模に空き家の買取再販を行っている事業者はいるが、空き家は全国に膨大な数があるため、激しい競争にはならないと考えている。

Q.仕入から販売までの流れはどのようになっているか?

A.当社の三為取引では契約と決済のタイミングが分かれており、売主との売買契約の概ね60日後に決済するケースが多く、この60日間で買主を見つけ、仕入と販売を同日に決済する流れである。2026年12月期1Q決算補足説明資料P.22に記載のとおり、三為取引の比率は2026年12月期1Qで84.3%と高くなっている。また、三為取引は登記が1回少なくなるため、コストメリットもある。
なお、当社へ登記を移転してから販売する自決という手法も行うため、残る15.7%は売れ残りというわけではない。前述の通り、当社では買主が投資家であり、販売金額を下げていくと利回りの合う買主が現れるため、60日での販売を目指せば60日以内で売れない物件はほとんどない。

Q.仕入を増やすことが優先的な成長戦略であるという認識で良いか?

A.その認識で問題なく、当社の成長戦略は全て仕入を増やすことである。仕入の問い合わせ獲得については余裕があり、月に約3,000件の相談を獲得しているが、これは営業人員のキャパシティに合わせて調整している。
問い合わせは広告費をかければ獲得できる状況が過年度より継続している。そのため、広告の全面的な出稿はせず、営業担当者1人当たりの問い合わせが30件から35件になるように調整し、組織の拡大にあわせて問合せ数をコントロールしている。

Q.営業人員を拡大できれば売上を伸ばしていけるという認識で良いか?

A.その認識で問題ない。

Q.自治体との提携の目的は何か?

A.中長期的な認知や信頼獲得のためである。自治体との提携が短期的に問い合わせへ直結する関係にはないが、空き家を手放したいと思った際に当社の想起が生まれやすくなり、仕入の交渉もしやすくなる効果がある。

Q.2026年12月期1Qの業績をどのように評価しているか?

A.損益計算書上の数字については、概ね想定通りである。
また、仕入契約についても順調であり、1Qの仕入契約数は1,207件と、従来の過去最高であった900件弱を上回った。当社は1Qに契約した物件の8割以上は2Qまでに販売が完了するため、上期の粗利獲得に向けてポジティブな材料であると捉えている。

Q.販売や在庫に季節性はあるか?

A.販売が2Qと4Qに偏る傾向があるが、これは半期の粗利に対するインセンティブ制度を設けているためであり、営業担当者は1Qまたは3Qに仕入物件の確保に注力し、2Qおよび4Qに販売決済を進める傾向がある。
また、在庫回転期間は在庫残高÷売上原価で算出するが、売上原価は販売のタイミングで計上されるため、販売が偏る2Qと4Qは分母の売上原価が大きくなり、回転期間が短くなる一方、1Qと3Qは回転期間が長くなる傾向がある。
なお、棚卸資産には自決した物件のみが計上されるが、1Qは仕入に注力することで残高が増加し、2Qで少なくなるという傾向がある。

Q.資材費の高騰が懸念されるが、買主の需要は強いという認識で良いか?

A.現時点では想定通りの需要は確保できていると認識している。仮に資材が手に入らないような市況になっても、買主は自己資金で購入するケースが多く、資材が入手困難でも、条件に合う物件はまず購入しておき、資材を確保できたタイミングで工事を行うという考えの人も多い。また、リフォームは最低限にとどめることが多いため、資材費高騰の影響はそこまで大きくならないと考えている。

Q.広告費の投下方針はどのようになっているか?

A.当社の広告費は問い合わせ獲得のためと認知獲得のための2つに分けている。認知獲得のための広告投資は中長期的な施策として位置付けており、現在は複数の都道府県でテレビCMを放映している。今後については、効果を見極めながら段階的に投下していく計画である。
一方、問い合わせ獲得のための広告費についても、特定の時期に大幅に増やすといった計画はないものの、人員の増加に合わせて増やしていく方針である。

Q.株主還元方針はどのようになっているか?

A.現時点では配当を実施しない方針であるが、個人投資家を中心に配当を要望する声が多くあるため、今後は検討していく予定である。

Q.手許現金の活用方針はどのような想定をしているか?

A.当社において大きく資金を投じる領域は3点あると考えている。
1点目はM&Aであり、現状は具体的な案件はないが、将来的に資金需要が生まれる可能性はある。     2点目はトライアルとして展開している民泊事業や、今後計画している賃貸事業等のビジネスであり、これらの拡大には資金が必要となることも想定される。ただし、BSを意識しながらの拡大を考えているため、資金効率が大幅に悪化することはないと考えている。
3点目はテレビCM等の認知獲得のための広告費であり、先行投資として行っていく可能性がある。
これら3点に前述の株主還元を含めて、今後のキャピタルアロケーションを検討していく方針である。

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