3665 エニグモ 1Q後取材 20260703 【初回取材】

2026/07/21

2026/07/21

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株探 バフェット・コード

スピーカー: IR
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Q.創業から今日に至るまでの経緯はどのようになっているか?

A.代表取締役である須田と当時の共同創業者が、ショッピング・コミュニティサイトの運営を目的として、2004年に共同で設立し、2005年2月からBUYMAのサービスを開始した。このサービスは、共同創業者が海外在住時には安価だったサーフボードが日本では高価であり、現地の友人に購入を依頼して日本に発送してもらったという経験から、現地に住んでいる日本人をネットワークし、在庫の適正化や需給のバランスを取ることによって、世界中の価格格差や情報格差を解消しながら利益を創出できると考え、立ち上げに至った。
サービス開始当初はファッションに特化しておらず、世界中の現地在住者が、その土地固有の商品を自由に出品していた。しかし、商品が乱立してしまった結果、ターゲットを絞り込むことができず、曖昧なサービスとなっていた。その中で、アメリカのカジュアルブランドが日本に上陸した際、欠品状態が続いたことで、BUYMAに注目が集まったため、ファッション領域に注力することとなった。
ファッション領域は世界中で価格格差が激しく、国内外の価格差を活かしたBUYMAのビジネスモデルが強みを発揮したため、ラグジュアリーブランドの取扱いを中心に事業を拡大し、2012年にマザーズ市場に上場し、2019年に東証一部に市場変更を実施した。

Q.BUYMA TRAVELを立ち上げた背景は何か?

A.BUYMA TRAVELを立ち上げた2018年時点で、パーソナルショッパーと呼ばれる現地在住の出品者が世界中に10万人以上存在していたが、年間で成約する出品者は10分の1程度であり、残りのパーソナルショッパーを有効活用したいと考えた結果、現地に住むパーソナルショッパーが旅行プランを提案することで、現地の言葉や地理を知らない日本人旅行者が、より安全に現地ならではの体験をできるのではないかという発想に至った。これを起点としてパーソナルショッパーにサービスの草案についてアンケートを行ったところ、賛同の声が多かったため、BUYMA TRAVELを立ち上げた。その後、アテンドに必要な許可の取得や資格等の調査を実施し、外部から資格保有者をリクルーティングした上で、本格的なサービス開始を迎えた。

Q.BUYMAの価値の源泉は何であると考えているか?

A. グローバルに存在するパーソナルショッパーと国内の顧客を繋げることによって、価格格差や情報格差をなくすことであると考えている。

Q.BUYMAとBUYMA TRAVELの収益構造はどのようになっているか?

A. BUYMAは、パーソナルショッパーが出品した商品を顧客が購入し、購入者と出品者の双方から手数料を受け取る収益構造となっている。
BUYMA TRAVELについては、プラットフォーム事業は成約金額に応じて手数料を受け取るため、基本的にはBUYMAと同様の収益構造である。一方、海外アクティビティサービス等では、提供したサービスに応じた売上を計上しており、事業ごとに収益構造が異なる。

Q.パーソナルショッパーの獲得経路はどのようになっているのか?

A.当初は各国で日本人が多く在住するコミュニティエリアや飲食店等にチラシを置いて宣伝していた。その後は口コミを通じて自然に流入するようになった。また、現時点で大規模な投資は実施していないが、ウェブ広告等への投資は段階的に実施している。

Q.新規購入者の流入経路はどのようになっているのか?

A.一時期は検索上位に表示されやすく、自然流入が多かったが、現在は自然流入が減少しているため、SNSを中心とした広告運用を強化している。

Q.BUYMAの総取扱高の拡大に当たって、パーソナルショッパーの人数と購入者の人数のどちらがボトルネックとなっているのか?

A.サービス開始当初はパーソナルショッパーの人数がボトルネックとなりやすい状況であったが、現在は購入者の人数がボトルネックとなっている。
このように状況が変わった背景としては、ヨーロッパを中心としたラグジュアリーブランドの価格戦略が変化して、世界的に価格が大幅に上昇していることに加え、劇的な円安の進行により、日本人による海外ラグジュアリー商品の購入が減少していることである。

Q.競合のサービスとしてはどのようなものがあるか?

A.直接的な競合は特に意識していないが、商品単位では、ブランドの国内版公式サイトや、ブランド提携型ECモールが競合になり得ると考えている。

Q.BUYMA TRAVELの総取扱高の拡大に当たって重視していることは何か?

A. BUYMA TRAVELは体験型消費であるため、BUYMAとは異なり適正価格や定価といった概念がない。そのため、顧客がどれだけ高い満足度を得られるかを重視しており、顧客の満足度の向上がリピート率の成長に直結するため、現地ガイドによるサービスのクオリティを高める必要がある。

Q.2021年1月期から今期までの業績変動の要因は何か?

A.2021年1月期はコロナ禍における外出制限の影響で、EC市場が劇的に成長し、当社もこの影響を受け、売上が大幅に成長した。しかしながら、コロナ禍が明けた後の外出制限解除に伴い、実店舗での消費が回復し、コロナ禍で急拡大したEC市場が反動で縮小した。
また、同時期から急激に円安が進行したことや、ヨーロッパ系のラグジュアリーブランドが世界的な価格統一を実施した上に、顧客を富裕層に限定するための大幅な価格引き上げを行ったことで、ラグジュアリーブランドを購入できる層が限定されてきている状況である。

Q.全社プロジェクトであるPHOENIX PROJECTはどのようなプロジェクトか?

A.グループの再成長に向けた構造改革プロジェクトであり、3つのミッションと、それらを横断的に支えるAIによる事業基盤の強化から構成されている。
1つ目は、主力事業であるBUYMAの再成長である。従来のラグジュアリーブランドだけへの注力では業績の急激な回復は困難であるため、若年層の顧客獲得の強化に向けて、著名人とコラボレーションしたアジア系デザイナーズブランドの展開や、マーケティング投資の強化により、若年層への訴求を実施する。
2つ目は、事業の多層化である。従来はBUYMAに依存した事業展開となっており、国際情勢など外部環境の影響を受けやすいという課題があった。この課題を解決するために、既存のBUYMA TRAVELへの投資や、新規のM&A、新規事業の立ち上げ等を慎重に検討しながら、利益の成長に向けた投資を実施していく。
3つ目は、上記の取り組みにむけたAIによる事業基盤の強化である。人員増加による単純な組織の拡大ではなく、AIを活用した組織基盤の整備に向けて投資を実施していく。

Q.BUYMAの総取扱高が減少傾向にあるのは、ラグジュアリーブランドを購入できる層の減少が主な要因であるという認識で問題ないか?

A.その認識で問題ない。ただし、この傾向は、今後1~2年で底打ちすると考えており、すでに顧客数の減少は一段落したと考えているが、現在の為替水準よりさらに円安となった場合、もう一段階顧客数が減少する可能性がある。

Q.若年層への訴求に向けた韓国ブランド等の取扱いに向けて、アジア各国でのパーソナルショッパーの獲得状況はどのようになっているか?

A.足元では順調に獲得できている。単価の違いがあるため全体の取扱高はヨーロッパが中心となっているが、国別の成約件数はすでに韓国が1位であり、国内のサイトにおける韓国ブランドの販売数量においてもBUYMAが最も多いと認識している。

Q.アジア圏ではどのような商品が多く取引されているのか?

A.幅広く取引されているが、アジア圏の安価な商品の中には品質のばらつきが生じるケースもあるため、当社が出品者へ品質確認を要請するなどの品質管理体制を敷いている。
また、韓国のアイドルとコラボレーションしたデザイナーズブランド等と情報を共有し、顧客満足度の高い商品を厳選して出品させている。

Q.BUYMAにおいて、欲しい商品が決まっていて購買に至るパターンと、ウィンドウショッピングのようにサイト内を回遊して購買に至るパターンのどちらが多くなっているか?

A.前者のパターンが多く、後者の購買パターンについては、増加させることができておらず、若年層を十分に獲得できていない状況が続いていた。そこで、BUYMAへの流入を目標として、オウンドメディアであるSTYLE HAUSを立ち上げた。STYLE HAUSでは情報の発信基地として世界のムーブメントを発信することで、多様な商品を取り扱っているという認知を定着させ、サイト内での回遊率を上昇させていきたいと考えている。

Q.若年層の顧客の獲得とアクティブ会員数の増加が、今後の課題であるという認識で問題ないか?

A.その認識で問題ない。ラグジュアリーブランドとアジア系ブランドでは単価が大きく異なるため、アクティブ会員数の増加は売上の急激な成長には直結しないが、事業の将来性に不可欠であると考えている。

Q.若年層に対する足元のSNSマーケティングをどのように評価しているか?

A. 決算説明資料P.15にも記載されている通り、4月の10代の総取扱高は、前年同月比で109.4%にまで成長しており、従来獲得できていなかった10代などの若年層を獲得し始めている状況であると評価している。

Q.今期のBUYMAの再成長の進捗状況はどのようになっているか?

A.大型マーケティング施策の一環としてコラボレーションを4月から実施しているが、円安の進行などの影響があり、1Q単体では十分な成長には至っていない。しかし、顧客の流入は回復傾向であり、先行的な数字に施策の効果が現れ始めている。そのため、施策の効果分析を早急に実施し、効果的な領域に投資を強化する方針である。

Q.BUYMAの購入平均単価はどのように推移しているか?

A.円安とラグジュアリーブランドの価格引き上げ戦略によるラグジュアリー商品単価上昇に伴い、購入平均単価も上昇している。

Q.新規登録会員の成長率を全体と30歳以下に分類して開示している理由は何か?

A.若年層の新規登録会員の回復度合いを明確に確認できるからである。

Q.アジア系デザイナーズブランドとラグジュアリーブランドの総取扱高の比率はどのようになっているのか?

A.現在は依然としてラグジュアリーブランドの取扱高が大半を占めているが、今後は若年層向けのアジア系デザイナーズブランドの割合を全体の30%程度にまで上昇させたいと考えている。この比率の目標を達成することで、外部環境の影響を軽減できると考えている。

Q.BUYMA TRAVELの収益性はどのようになっているか?

A.堅調に推移しており、今期中の単月黒字化を目指している。BUYMA TRAVELはさらにプラットフォーム事業と海外アクティビティサービスに分かれているが、海外アクティビティサービスは常に黒字を達成しており、現状は、プラットフォーム事業の赤字を、海外アクティビティサービスで補っている状況である。そのため、現在はプラットフォーム事業の成長に注力しており、黒字化することで収益性が急激に改善されると考えている。

Q.BUYMA TRAVELのプラットフォーム事業の成長における課題は何か?

A.認知度の向上が課題である。従来は、大規模な顧客流入に耐えられるサービス運営を行っていなかったことや、ホテル予約機能が十分でなかったことが要因となり、認知度向上に向けた施策を実施していなかった。
しかしながら、今期中にサービス運営の改善やホテル予約機能の拡充を実施する計画であり、今期後半から来期にかけて大型のマス広告を実施したいと考えている。プラットフォーム事業は顧客満足度やリピート率が非常に高いため、認知度が向上しサービス利用者が増加すれば、リピートに繋がり黒字化を目指せると考えている。

Q.BUYMA TRAVELの営業利益3億円という目標に向けて、売上はどの程度必要な見通しか?

A.海外アクティビティサービスの売上は20億円程度が必要であると考えている。一方、プラットフォーム事業において、月間の予約金額が2億円程度、年間で25億円程度になれば、3億円から3億5,000万円程度の売上になり、海外アクティビティサービスの営業利益と合わせて、目標を達成することができると考えている。

Q.新規事業であるヘルスケア事業の業績への貢献見通しはどのようになっているか?

A.重要投資先の一社であるサイキンソーとの共同プロジェクトであるFloraXに期待をしており、認知度を上昇させて需要を獲得することで、将来的には当社の業績へ一定の利益貢献をもたらす可能性があると考えている。

Q.BUYMA VINTAGEは商品の取扱いにおいて、従来のBUYMAとどのような違いがあるのか?

A.中古商品はクオリティコントロールを実施する必要があり、出品者を許可制とするホワイトリスト制度を導入している点が異なっている。

Q. BUYMA VINTAGEにおいて自社在庫が増加している要因は何か?

A.想定以上の需要があることから、冬の繁忙期に向けて、当社が過去の購入者の購入履歴から状態の良い商品を直接買い取り、売れ筋のアイテムに的を絞って在庫を厚くしていっている。これにより、今後の更なる取扱高の拡大を目指している。

Q. BUYMA VINTAGEで取り扱う商品の定義はどのようになっているか?

A.一般的に想定されるような、販売価格を大きく超えてプレミアがついた商品ではなく、ラグジュアリーブランドの中古商品の中で、比較的状態が良いものを取り扱っている。

Q.売上に占めるBUYMA VINTAGEの割合はどの程度か?

A.全体の1%程度の割合であるが、今後大きく成長させていく予定である。

Q.2028年1月期における営業利益20億円という目標は達成可能なのか?

A.ピーク期であった2021年1月期にはBUYMA単体で30億円以上の営業利益を実現しているため、目標達成は不可能ではないと考えている。ただし、売上を当時の水準まで回復させることは困難であるため、AIを活用した経営効率の向上等により、目標達成を目指していく。

Q.AI化によるコスト削減の状況はどのようになっているか?

A.開発部門において最も大きな効果が現れている。現在、約50名の体制(業務委託人材15〜20名含む)で運営しているが、BUYMAのシステム構造をAIに読み込ませ、自動コーディングまで導入することができれば、外部リソースに依存することなく、30名程度の社員で効率的に運営ができるようになると考えている。

Q.2028年1月期以降の株主還元の方針をどのように考えているか?

A.現在公表している、DOE5%、または調整後EPSを基準とした配当性向50%のいずれか高い方を採用するという還元方針を維持する。この方針により、配当が現在の30円から減少する可能性があるが、事業成長を示し株価を上昇させることで配当を増やせると考えている。なお、株価上昇が鈍化した場合は、追加の還元も検討したいと考えている。

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