5132 pluszero 2Q後取材 20260709【初回取材】
2026/07/28
2026/07/28
Disclaimer
この取材ノートは投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式 (有価証券) についての投資判断あるいは有価証券の価格やリターンに対する動向に関する助言を行うものではありません。
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※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。
スピーカー: COO/CFO
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Q.創業から今日に至るまでの経緯はどのようになっているか?
A.代表取締役社長である森は、2016年に学位を取得し、バイオインフォマティクスと呼ばれる、生物学上の問題をコンピューターサイエンスやAIを用いて解決する研究に取り組んでいた。同時に、森が支援していたユニプロが、CtoC型の中古車流通アプリを開発していたものの、競合サービスと比べて価格設定が割高であったため、取引が活性化しないという課題を抱えていた。そこで、競合の情報を参考に、AIを用いて適正な販売価格とコンバージョン率を提示するUIを開発したところ、取引が活性化した。
この経験から、数学的な最適化や数理的な技術が即座に社会の役に立ち、社会が変化する契機となると実感した。数理的な課題解決を通じてアカデミックな世界の外にあるフロンティアで社会の役に立ちたいと考え、数学の素晴らしさを社会に広めたいという志を共有する3人で、2017年に事業化に向けた活動を開始し、2018年に当社を設立した。
なお、創業当時は「AEI(Artificial Elastic Intelligence)」というAIのブランド名は使っていなかったが、2020年から2021年にかけて使用するようになった。
Q.代表取締役会長である小代氏はどのような経緯で御社に合流したのか?
A.AIを実装するシステム開発の必要性を実感し、当社が提供できるバリューチェーンを拡大するため、2020年にユニプロのITソリューション事業を事業譲渡により取得した。その際に小代も当社に合流した。
Q.森氏と小代氏の経営の役割分担はどのようになっているか?
A.森は代表取締役社長兼COO、小代は代表取締役会長兼CEOとなっており、職務権限規程上は同等の立場である。森は技術領域を、小代はITを活用した事業開発やコンサルティング、SI等のビジネス領域を専門としており、両者の得意領域を融合した経営を実施している。
Q.AI関連企業が数多く台頭している中で、御社の強みは何か?
A.対応する問題が複合的であり、数多くの領域の専門家がチームを組んで協力する場合が多いため、特定の技術領域に特化するのではなく、幅広い領域に対応できることを目指している。
当社の強みは2点ある。1点目はPoCにとどまらず、実用化に注力している点である。PoCの段階から後工程の実装を前提としており、顧客の予算の範囲内で有用なAIを開発できているため、顧客からのリピート率が非常に高くなっている。
2点目は、生成系AIによる単一アプローチでは解決が困難な問題に対し、他のアプローチを組み合わせることで、幅広い問題に対応している点である。このコンセプトは5年ほど継続しており、その取り組みの一環であるAEI関連事業の売上は前年同期比85.3%増加している。研究開発が長期化したため、実用化までに時間を要したが、徐々に成果が出てきており、競争優位性の高い技術を開発できていると考えている。
Q.AEIの開発経緯はどのようになっているか?
A.2020年頃に、言語処理において解決が容易に見えて困難な課題への対応を目的として考案した。当時は現在のように生成AIやLLMが広く実用化・普及していなかったが、意味世界を数理的にモデル化する技術はいずれ現れると考えられていた。しかし、ビッグデータの有限性や入力情報量の制約等を考慮すると、データ入力だけでは解決できない領域が存在すると考えた。そこで、当時の動向として汎用人工知能であるAGIの開発が目指されていたが、極めて実現困難であると考え、AIとAGIの中間的な技術としてAEIを提唱した。
AEIは、前述のとおり、当社が実装する二重過程モデルのAIのブランド名であり、AEIのコンセプトは、特定の業務領域に特化することで、人間のように振舞える限定的なAGIである。現在は当初の定義から変遷しており、機械学習中心の第3世代AIの限界を超えるため、データによるアプローチとデータ以外のアプローチを同時に使用することで、既存のAIでは解決できない問題を解決しようとするものとして定義している。単体で使用するのではなく、生成AIと組み合わせることで、新たな領域における課題解決を試みている。
Q.生成AIは、AIの世代分類上どのように位置づけられるか?
A.生成AIは、当社の整理では、機械学習を中心とする第3世代AIの延長線上にある「第3.5世代AI」に分類される。定められたルールに基づいて推論する仕組みは全てのAIに共通しているが、ルールを人間が規定するものが第1世代AIと第2世代AIである一方で、データが規定するものを第3世代AIとしている。
Q.人間が定めたルールとデータが規定したルールの両方をシステムに組み込むことでプロダクトを作成しているという認識で問題ないか?
A.その認識で問題ない。
Q.AEI活用サービスの初期開発と販売はどのように行っているのか?
A.アップセルテクノロジィーズ等のパートナー企業との連携によって開発と販売を共同で実施している。パートナー企業からの資金提供を受けながら、システムを共同で開発している。また、当社は社員の約8割がエンジニアであり、営業人員が限られているため、パートナー企業による既存顧客へのアップセルや新規顧客開拓を通じて顧客を獲得している。
Q.オーダーメイド型AI/DXソリューションの状況はどのようになっているか?
A.堅調に推移している。当社のエンジニアは顧客の案件を担当する者と研究開発を担当する者に分かれているが、案件の状況に応じてスタッフがエンジニアを振り分けることで相互に対応できる状況となっている。そのため、エンジニアの稼働率も90%台後半という高い水準で維持できている。
Q.採用の進捗状況はどのようになっているか?
A.期初では10%程度の人員増加を目標としていたが、独自に開発したAIによる開発支援ツールの生産性が想定以上に高く、既存人員で目標売上を達成することができると判断した。そのため、足元では採用計画を見直し、退職者の補充を中心とする方針に変更した。
ただし、AIを活用する環境下でも若手人材を育成できる制度を整備したいと考えている一方、現在は採用よりもAIコーディングツールの開発を優先している。なお、技術力の高い人材の採用は積極的に実施している。
Q.離職率をどのように評価しているか?
A.同業界の3分の1程度となっており、低水準であると評価している。
Q.人材の獲得経路はどのようになっているか?
A. 以前は従業員の紹介やインターンからの採用が主な経路であったが、現在はスカウトが中心となっている。エンジニアや学生が登録しているメディアでプロフィールを確認し、活躍が見込める人材を直接スカウトしている。そのため、人材紹介会社は利用しておらず、採用関連費用を抑制できている。
Q.人材に占める東京大学出身者の割合はどのようになっているか?
A.2026年4月末時点で、全社員に占める東京大学在学者・出身者の割合は33.1%である。以前は東京大学出身者が多かったが、現在は全国の研究室から多様な人材を採用したいと考えている。同じ大学出身の人材は専門領域が重複する可能性があり、様々な研究領域の人材を集めることで普遍的な価値を提供することができると考えている。
Q.全国の研究室から人材を採用するためにどのような施策を実施しているか?
A.フルリモートでの勤務体制を整備しており、地方に在住したまま働くことを可能にしている。
Q.人月単価をどのように評価しているか?
A.他社と比較して25%から50%程度の価格水準となっており安価であるが、今後上昇余地はあると評価している。数理的技術の恩恵を世の中のあらゆるものに届けたいと考えており、顧客に提供できる付加価値が大きい場合を除き、コストパフォーマンスの良い水準で価格設定をしている。高単価でも案件を獲得することは可能であるが、経済合理性を維持しながら継続した依頼が期待できる価格設定となっている。そのため、リピート率が非常に高くなっており、営業費用を抑えることで高い営業利益率を実現している。
Q. ALBERT社のように、給与水準だけでなく、面白い研究ができる環境を求めて技術力の高い人材が集まっているのか?
A. その認識に近く、一つのプロダクトを作成する企業が多い中で、AIの会社には99点のものを100点に近づけることに喜びを感じる者や、多様な案件に触れて見識を広げることに喜びを感じる者等、様々な気質の人間が存在する。
当社はオタク気質で穏やかな人が多く、牧歌的で居心地の良い環境だと考えている。待遇面では外資系企業ほどの水準ではない部分もあるが、心理的安全性や居心地の良さを提供できており、良好な環境を提供できていると考えている。
Q.下期の業績の推移をどのように想定しているか?
A.前年同期はスポット案件の売上があったが、今期は案件がしっかり積み上がっているため、前期のように2Qから売上が大きく落ちるようなことはなく、3Q以降も堅調に推移すると想定している。
ただし、サービス型の立ち上がりの時期や規模が期初の想定を下回っているため、上方修正の可能性は低く、通期業績予想の達成を目標としている。また、販管費が固定であるため、売上の成長率に対して営業利益の成長率が高くなると考えている。
Q.エンタープライズ企業の獲得に向けた投資方針はどのようになっているのか?
A.認知度を向上させるために、現在は経団連等の経済団体との関係構築に注力している。ただし、効果的な使い道がなければ投資は実施しない。
Q.プロジェクト型売上の計上方法はどのようになっているか?
A.請負契約等については、案件の進捗度に応じて一定の期間にわたり収益を認識しているため、月次で売上が大きく変動することはなく、月次の稼働量や進捗度に応じて売上を按分して計上している。
Q.下期の売上目標である11億6,000万円の達成に向けてどのような対策を行っているか?
A.案件の確度を管理し、月次で達成度合いを確認している。
Q.次期中期経営目標をどのように考えているか?
A.サービスの立ち上げの段階で3年間の数値を正確に予測することは困難である。そのため、数値ではなく、関心のある事業領域や市場性、AI業界の中での当社の独自性などの定性的なメッセージを発信することを重視している。前回の中期経営目標では、AI関連の売上が本格的に成長するのは2025年から2026年頃になるという長期的な予想をした。次期中期経営目標でも、社会に不足しているソリューションや当社の強みを示しつつ、それに基づく数値目標を開示する予定である。また、配当を出していないため、事業の非線形的な成長を通じて時価総額を向上させていくビジョンを示したいと考えている。
Q.2027年以降の達成目標である売上27億円、営業利益13億円という数値は、AEIが普及した際に達成可能であるが、時期の予想が困難であったという認識で問題ないか?
A.その認識で問題ない。技術開発や顧客との取引において想定以上に困難な部分があり、実現が遅れた。ただし、潜在的に達成可能な数値であるという認識は現在も変わっていない。
Q.売上成長のための投資と利益創出のバランスをどのように考えているか?
A.売上成長のみを重視しているわけではなく、最終的な純利益を重視している。ただし、単年度の純利益と中長期的な純利益のバランスは常に意識している。先述の通り販管費の大部分が固定費となっているため、限界利益率は売上総利益率に近似しており、営業利益率50%を超える水準を目指すこともできる状況である。しかし、無理に利益率を上昇させる必要はないと考えており、一定以上の利益率の水準を維持しながら、将来に向けた長期的な投資を積極的に実施していく方針である。
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