5218 オハラ 2Q後取材 20260715【初回取材】
2026/07/31
2026/07/31
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スピーカー: IR
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Q.創業から現在に至るまでの事業の経緯はどのようになっているのか?
当社は1935年に日本初の光学ガラス専業メーカーとして創業し、以来90年以上にわたり光学産業の発展とともに事業を展開してまいりました。創業当初は光学機器向けガラスを中心に事業を拡大し、その後、社会や産業の変化に合わせて事業領域を広げながら、世界中のお客様へ製品を供給してまいりました。
現在は、「光事業」と「エレクトロニクス事業」を中核事業として展開しています。光事業ではカメラ、医療機器、車載機器など幅広い用途向けの製品を、エレクトロニクス事業では半導体、宇宙・天文、情報通信、エネルギー関連分野向けの製品を提供しており、いずれもグローバル市場で事業を展開しています。
当社は、時代ごとの市場ニーズに対応しながら事業領域を拡大し、現在では幅広い先端産業を支える素材メーカーへと発展してまいりました。光学ガラスで培った技術を基盤に、新たな市場や用途へ展開することで成長を続けています。
Q.御社の技術的な強みは何か?
A. 当社の技術的な強みは、組成開発、熔解、成形・加工、測定・評価、および品質保証までを一貫して行える技術基盤と、それを支える豊富な材料データや製造ノウハウにあります。その強みを活かし、お客様が求める特性を有する材料を設計し、製品化しています。
Q.板ガラス製造と光学ガラスでは、製造時に求められる品質や生産方法にどのような違いがあるか?
板ガラス製造では同一仕様の製品を大量生産することを前提としているのに対し、光学ガラス製造では、ガラス内部の泡・異物・脈理・着色といった品質不良を極めて低い水準に抑えながら、屈折率や透過率などの光学特性を高精度に管理することが求められます。
また、光学ガラスが用いられている光学機器では光学特性の異なる複数のレンズを組み合わせて光学系を構成するため、それぞれのレンズに適した異なる光学特性を持つ光学ガラスが必要となります。このため、光学ガラス製造では多品種・小ロット生産が中心となり、原料の純度、原料の組成設計、熔解、成形、品質評価まで、一貫した高度な品質管理が求められます。
Q.業界の競争環境はどのようになっているのか?
A. 光学ガラス業界では、中国メーカーが大規模な生産体制と高いコスト競争力を背景に大きな存在感を有しており、プレーヤーの数は限られるものの、厳しい競争環境となっています。一方、当社は多様な光学特性や高度な品質が求められる高付加価値な光学ガラス、特殊ガラスおよび石英ガラスに強みを有しており、これらの製品については日本国内での熔解を堅持しています。また、コスト競争力が求められる光学ガラスについては、中国での生産も活用しております。当社は品質、供給安定性およびサプライチェーンリスクの低減を考慮した供給体制を構築しています。
Q.エレクトロニクス事業の中心製品は何か?
A. 当社のエレクトロニクス事業の中心製品は、半導体産業向けの高機能ガラス(半導体関連製品)です。具体的には、半導体露光装置の光学系に使用されるi線用高均質性光学ガラス、およびフォトマスク基板をはじめとする半導体製造プロセスで使用される石英ガラス製品が主力製品となっています。
Q.エレクトロニクス分野の需要の見通しはどうか?
A. エレクトロニクス分野では、半導体関連製品が需要の中心となっています。半導体露光装置の光学系に使用されるi線用高均質性光学ガラスは、これまで在庫調整の影響を受けていましたが、2Q後半から回復の兆しが見え始めており、受注も増加しています。当社は、半導体製造装置や半導体製造プロセスで使用される製品を主に供給しているため、半導体市場全体の動向と当社の業績が必ずしも一致するわけではありませんが、半導体関連製品の需要は引き続き堅調に推移すると認識しています。
また、データセンター向け部材の需要が増加しています。データセンター間の通信用途に加え、データセンター内部で使用される用途も増加しており、需要は堅調に推移していると認識しています。
Q.データセンター向け部材の需要状況をどう受け止めているか?
A. データセンター向け部材(当社製品名DWDMフィルタ基板用材料「WMS™-15」)については、旺盛なAIデータセンター投資を背景に、需要は増加傾向にあると認識しています。特に、データセンター間の通信に加え、データセンター内部においても省電力化や高速・大容量化を背景として光通信需要が拡大しています。そのような環境の中で、光トランシーバー向けを中心に当社材料の需要も拡大していると認識しています。
Q.光学プレス品と光学ブロック品の利益率に違いはあるか?
A. 光学プレス品は、お客様の仕様に応じてレンズ形状に成形した研磨前の材料や、レンズ加工まで施した製品であり、当社の主力製品です。一方、光学ブロック品は、光学ガラス素材をブロック形状で供給する製品で、お客様の用途や製造工程に応じて使用されています。一般的には光学プレス品の方が付加価値は高い傾向にありますが、利益率は製品の仕様や要求特性によって大きく異なるため、一概にどちらが高いとは申し上げられません。
Q.決算説明資料内で言及されている光事業の「高単価な川下製品」とは何を指すか?
A. 決算説明資料でいう「高単価な川下製品」とは、球面レンズ製品や非球面ガラスモールドレンズなど、高精度なレンズ加工を施した製品を指しています。当社は光学ガラス素材の供給に加え、こうした加工進度の高い製品の提供を通じて、お客様のニーズに応えるとともに付加価値向上に取り組んでいます。
Q.価格競争、価格転嫁についてどのように対応しているか?
A. 中国によるレアアース輸出規制の影響に加え、レアメタルなどの希少原料やエネルギーコストの上昇により、光学ガラスの製造原価は上昇しています。当社では、中国での熔解も活用しながら生産・調達体制の見直しを進めるなど、サプライチェーン面での対応や原価低減活動に取り組んでいます。また、お客様にも価格改定をお願いしていますが、急激なコスト上昇の影響を完全には吸収できておらず、引き続き収益性改善に努めています。
Q.来期からの新たな中期経営計画をどのように構想しているか?
A. 次期中期経営計画については、2026年12月上旬の決算説明に合わせて開示する予定です。現時点で詳細は申し上げられませんが、光事業では収益性改善、エレクトロニクス事業では成長市場での拡販を基本的な方向性として検討を進めています。
Q.2Q決算の業績をどのように評価しているか?
A. 2Q決算の業績については、光事業では、デジタルカメラ向け製品、特に高単価な川下製品の需要が堅調に推移したことが売上を押し上げました。一方で、レアアースをはじめとする原材料費の高騰や調達リスク対応に伴うコスト増加の影響があり、収益性の改善には引き続き課題が残っています。
また、エレクトロニクス事業では、半導体露光装置向け製品の在庫調整の影響が継続しているものの、データセンター関連として低誘電ガラスの売上が増加しました。
全体としては、光事業を中心に売上高では当初想定を上回って推移した一方、収益面では原材料費の高騰や製品構成の変化による影響が残っており、引き続き収益性改善に取り組む必要があると認識しています。
Q.上期のエレクトロニクス事業が前年同期比で約7億円の減益となった要因は何か?
A. 減益となった主な要因は、半導体露光装置向け製品の在庫調整の影響により、生産設備の稼働率が低下したことです。加えて、収益性の高い製品の売上が減少し、製品ミックスが悪化したことも利益を押し下げる要因となりました。
Q.中東情勢の業績への影響はあるのか?
A. 現時点において、中東情勢による当社業績への直接的な影響は確認されていません。一方で、今後の情勢変化に伴いエネルギー価格が上昇した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。引き続き関連動向を注視してまいります。
Q.AIサーバー向けプリント基板へ使用される低誘電ガラスを増産しない理由は何か?
A. 当社はプリント基板に用いられる低誘電ガラスの需要拡大に対応するため、台湾工場で新規熔解炉を立ち上げ、生産能力を順次増強し、増産に取り組んでいます。売上高についても、中期的な目標としていた10億円規模を今期中に達成する見込みです。
Q.キャピタルアロケーションについてどのように考えているか?
A. 当社は、営業キャッシュフローを基盤に、事業成長に向けた投資と株主還元のバランスを重視しています。当期は、石英ガラスや低誘電ガラスの生産能力増強、DXによる効率化などの成長投資を進める一方、株主還元については総還元性向30%以上をベースとした配当を基本方針としており、自己株式取得も実施しています。今後も持続的な成長と企業価値向上の実現に向け、成長投資と株主還元の最適なバランスを図ってまいります。
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