2462 ライク 4Q後取材 20260723
2026/08/07
2026/08/07
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スピーカー: IR
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Q. 2026年5月期の業績をどのように評価しているか?
A. 売上高に関しては全事業が計画通りに進捗し、保育事業では計画外の補助金収入約7億円があったが、それを除いても売上は計画を超過した。
一方、営業利益は計画未達となった。主な要因は、保育事業において人件費が増加し、同事業が前年同期比で減益となったことである。認可保育園において正社員保育士の採用が困難となりパート保育士の採用に切り替えて配置したが、正社員保育士であれば1名あたりの給与分の補助金を受給できる仕組みであるのに対し、パート保育士の場合は就業時間も勘案し補助金を受給する仕組みとなっている。その結果、会社からの支払い分が増加し、売上の増加や補助金収入で補いきれなかった。
Q. 保育事業の計画外の補助金獲得は営業利益に対してプラスに貢献しているか?
A. 計画外の7億円は人事院勧告に伴う保育士の給与上昇に対する補助金であり、全額を保育士に還元するため利益には寄与しない。
Q. 保育事業における正社員とパートの人員配置が適正化できなかった理由は何か?
A. 主な要因は、保育士不足に対する人員補充を優先した点にある。採用後の人員配置調整が不十分だったことや、パート採用の優先によりコストが先行したものの、保育士の離職率低下という一定の成果も得られた。来期も引き続きコスト増を見込んでいるが、職員の定着が進むことで、中長期的にはこのコストを吸収できると考えている。
Q. 今後はパートを正社員に切り替えることや配置を適正化していくことで補助金を最大限に受給できるようになり、利益率は改善していくという認識で良いか?
A. その認識で合っている。加えて、外部販売を予定している保育業務支援システムの社内での利活用も想定しており、同システムによる職員の過不足の可視化によって、人員配置も徐々に適正化していくと考えている。
Q. 保育業務支援システムの導入状況はどのようになっているか?
A. 2026年9月に開発を終える予定であり、そこから社内と日本生命の子会社であるニチイ学館で導入して業務移行検証を行い、その後2027年4月に正式リリースする計画である。
Q. 決算説明資料P.23の2027年5月期連結業績予想について、セグメントごとにどのような前提を置いているか?
A. 全事業で増収増益の計画である。子育て支援サービスに関しては、児童の充足状況が好調であることに加え、今期の減益要因となった人件費増加についても配置の適正化を徐々に進め、補助金をより確保できるように検討している。また、食材費等に関しても事業者と交渉して抑えることができており、その他のコストもできるだけ小さくする動きを進めている。
介護関連サービスに関しては、2024年2月に開設したフェリエ ドゥ 上井草の入居率が高まることで、2026年5月期に計上した約1.5億円の赤字を縮小し黒字転換を計画している。
総合人材サービスに関しては、モバイルの業務委託案件のうち人材の約7割を外注しており利益を圧迫しているため、内製化を進めることで利益率の改善を図る。物流に関しても、主に関東圏の収益性に課題がある案件については、単価交渉や必要に応じて撤退等を行い収益性の改善を図る計画である。
Q. フェリエ ドゥ 上井草の赤字が続いていた要因は何か?
A. フェリエ ドゥ 上井草は、当社の中では非常に大きく102部屋ある施設であり、価格帯がやや高めでエリア内の競争も激しかったため、入居が進まず赤字の時期が長引いていた。2026年4月末時点の入居率は60%だが、2026年1月から徐々に入居のペースが上昇してきたため、その状況を踏まえると2027年5月期の黒字転換は達成可能と想定している。
Q. 2026年5月期は保育事業で人件費が増加し減益となったが、2027年5月期の費用計画はどのような前提であるか?
A. パート保育士も含めた保育士の配置を増やすことで、保育の質の向上や保育士の離職防止に努めている。今期も保育士の人件費が想定を上回るリスクはあるが、補助金を適正に受給することで費用をカバーできるよう取り組んで行く。
Q. 子育て支援サービスは業界的にも人手不足が続いているという認識で良いか?
A. その認識で問題ない。給与水準は高くなっているため採用環境は改善傾向にあるが、依然として潜在保育士も多く中途の正社員で働きたいという方が少ないと考えている。
Q. その他、2027年5月期に向けて話しておきたいことはあるか?
A. PLに直接影響はないが、保育業務支援システムの開発において2027年5月期に約3億円の投資を予定している。投資額はBSに資産として計上し、外部販売開始後に減価償却費としてPLへ反映されるため、2027年5月期は主にキャッシュフローとBSに影響がある予定である。
Q.保育業務支援システムの外部販売について、競合他社やマーケット環境はどのようになっているか?
A. 保育施設を運営していて、保育施設のバックオフィス業務を一元管理するシステムを開発している事業者は現状いないと認識しているため、当社が最初の事業者になると考えている。最初は認可保育園向けに販売していくが、認可保育園は全国に約2万3,000か所ある。
Q. システム会社等が保育業務支援システム販売への参入を決めた場合、どのような参入障壁があるか?
A.補助金の仕組みが非常に複雑であり、国の補助金だけでなく各自治体の補助金制度等を理解した上で構築しなければならず、事業特性の深い理解がないと構築できないことからシステム会社だけで作ることはほぼ不可能に近いと認識している。
Q. 顧客に合わせた保育業務支援システムの構築にはカスタマイズが必要になり、費用が比較的高額になるという認識で良いか?
A. 基本的なパッケージは置きつつ、それぞれの事業者の業務フローにあわせていくイメージであるため、ヒアリング後の個別実装のためのコストが発生すると考えている。この追加分に関しても、初期導入費として価格転嫁することを想定している。
Q.開発中の保育業務支援システムは比較的安価で利用できるシステムという認識で良いか?
A. 価格は確定していないが、月額で十数万円程度の価格帯で考えているため、請求書処理等を担当する事務員を配置している場合、その事務員1名分の人件費よりは安く済む見込みであり、その分のコスト削減にはなると考えている。
Q. 2027年5月期に想定している特殊なコスト等はあるか?
A. 2026年4月から本社の正社員総合職の賃金ベースアップを行ったため、その分は通期で販管費増につながる。
Q. 本社の正社員総合職の賃金上昇分は、年間でどの程度の金額となるか?
A. 1億円強程度という認識である。
Q. 2026年5月期においてパートの人数を補充した部分の採用費等は継続してかかる前提で予算を組んでいるか?
A. 継続してかかる前提で予算を組んでいる。
Q. これまで中期経営計画を策定してきた中で、今回、2035年5月期までを見据えた長期経営計画を開示した背景は何か?
A. 当社の事業特性上、保育、人材、介護の3事業に関して爆発的な成長は難しいため、着実な成長を示していく必要がある。それに加えて、保育業務支援システムの外部販売や海外事業等の新規事業も徐々に始めていく予定であるため、より長い目線で提示するのが適切であると考えたためである。
Q. 2035年までの目標値はローリングで途中見直しをする計画という認識で良いか?
A. 新規事業の進捗状況や、M&Aの状況次第でローリングを行う想定である。
Q. M&Aの予算や規模感等についての計画はどのようになっているのか?
A. 買収価格等について上限は設けていない。バリュエーションはEBITDA倍率で約6~7倍を想定しており、主に保育事業において、2035年までに売上高10億円規模の会社を3件買収する想定である。なお、それ以外の事業についても機会があれば積極的に行っていきたいと考えている。
Q. 売上高10億円規模のM&A3件は、どれくらいのペースで行う想定か?
A. 約2〜3年に1件程度のイメージであるが、もっと早くなる可能性は十分にあると考えている。
Q. その3件に関しては、長期経営計画の中に数字を織り込んでいるという認識で良いか?
A. その認識で問題ない。3件についてはM&Aによるのれん等の会計影響を計画に織り込んでいるが、それ以外の案件は未定であるため計画に織り込んでいない。
Q. M&Aの専任チームはいるか?
A. 全社の専任チームはおらず兼務している者が何人かいるが、保育事業に関してはIR担当者と事業部の役員、メンバーの計3名でM&Aチームを作っている。
Q. 特に保育事業に関してM&Aの実行に注力しているという認識で良いか?
A. その認識で問題ない。
Q. M&Aはどこからの紹介が多いか?それとも御社の方から見つけていくのか?
A. これまではM&A仲介会社からの紹介を中心としていたが、足元では当社が主体的に候補先を探すソーシングも徐々に強化している。今後は、経営者・オーナー間のネットワークと、実務担当者間のネットワークの双方を活用して案件を発掘していく方針である。
Q. 買収してからのPMI等を行う専任チームはいるか?
A. 専任のチームは設けていないため、過去の買収時と同様に各部門から人員を割り当ててPMIを行う手法になると考えている。
Q. 前中期経営計画の振り返りのトピックス(長期経営計画P.4)は、長期経営計画にどこまで活かされているか?
A. 保育事業においては収益性の改善余地を見込んでおり、長期経営計画へ反映している。過去5年間は施設開設を優先したことでオペレーション上の課題が顕在化しており、その改善も計画に反映した。
人材事業ではエキスパート職の採用強化を通じ、業務委託の内製化やコスト削減による収益性改善を織り込んだ。
介護事業については、物価高騰への対応や要介護度に応じた報酬調整等を考慮のうえ、計画を策定している。
Q. 介護報酬改定について、どのような前提で長期経営計画を策定しているか?
A. 介護報酬改定は3年ごとに行われる想定であり、過去の平均から約プラス0.5%の改善が行われることを見込んで計画を策定している。
Q. 今後も特定技能外国人材は増加すると想定しているという認識で良いか?
A. その認識で問題ない。介護事業においては特定技能外国人材の割合は約25%から30%弱程度が運営上適していると考えているため、その範囲内で増やしていく。また、人材事業でも特定技能外国人材を増やしていく予定である。なお、2027年4月より特定技能制度の対象に物流倉庫分野も追加され、当社が強みとしている物流業界の顧客との関係値を活かして、同分野への人材紹介を強化したい。また、日本国内における特定技能外国人材の転職関連サービスも検討していきたい。
Q. 保育事業の収益性の改善は、具体的にどのように進めようとしているか?
A. 保育事業では子どもの充足率を現在の約89%から将来的には95%まで引き上げていきたいと考えている。また、職員の配置を適正化等オペレーション改善により補助金の金額を増やす余地は十分にあると考えている。
Q. 保育事業における子どもの充足率は何%くらいが業界の高水準であるか?
A.当社が中心に展開している東京都では90.4%、神奈川県では95.7%の平均充足率である(2025年4月時点)。当社は直近5年以内に開設して埋まりきっていない施設があるため、平均で92〜93%は確実に達成できる数字であると考えている。93%超の充足率に持っていくには企業努力が必要であると考えており、付加価値サービスの提供等を行うことで、選ばれる保育施設になる必要がある。
Q. 海外展開の2035年目標が売上20億円、営業利益3億円(長期経営計画P.7)はどのように達成していく方針か?
A. 海外の保育事業は日本国内の保育事業と同程度の収益性を見込んでおり、海外保育事業単体の営業利益率は15%を下回る水準を想定している。一方、特定技能外国人材を日本へ紹介する事業も検討しているため、両事業を合わせて15%程度の営業利益率を確保できると考えている。
Q. 海外展開は既存ビジネスの営業利益率の改善等に結びつけるためのビジネスという認識で良いか?
A. その認識は間違っており、社会貢献的な側面があるが、日本と同様の収益性は達成したいと考えている。
なお、日本国内の保育所は約2万3,000施設であり、少子化の影響も相まって国内での市場シェア拡大には限界がある一方、子どもの数が多く教育熱が高まっている東南アジアにおいては、中長期的に大幅なシェア拡大が可能であり魅力的な市場であると考えている。
Q. 2035年以降の、より長期を見据えた注力領域として海外展開を行っていくという認識で良いか?
A. その認識で問題ない。
Q. 長期経営計画の成長のベースは、現状の事業領域(保育・人材・介護)という認識で良いか?
A. その認識で問題ない。加えて、保育業務支援システムの外部販売を第4の事業に育てていきたい。
Q. 保育事業の長期経営計画に対する数字の前提はどのようになっているか?
A. 子育て支援サービスの売上については、今後2〜3年は学童の開設が増加するという認識であり、国の制度等を踏まえると基礎となる公定価格は徐々に上昇していくと見込んでいるため、増収を達成できると考えている。
営業利益率については、ベンチマークとする同業他社が12%以上を達成している状況を踏まえ、当社も最低10%程度の水準を目指すべきと考えている。人材の最適化と子どもの充足率上昇により、それぞれ最終的に約2%ずつの営業利益率の向上を見込んでおり、これらを段階的に積み上げていく計画である。
Q. 財務戦略について、配当性向を40%程度とする方針は2035年5月期まで変更しない想定か?
A. 現時点ではそのように考えており、配当性向40%程度を目安に、原則として配当を維持または増額を継続していく方針である。
Q. 自社株買い等の財務戦略は考えているか?
A. 市場の流動性等を見ると、自社株買いによってこれ以上流動性を低下させてしまうのは良くないと考えているため、現状では検討していない。
Q. 投資家に伝えたいことはあるか?
A. 長期経営計画において、新規事業への投資のみならず、既存事業の収益性の改善が最重要課題であると考えており、投資家から見ても最も注目されている点と認識しているため、しっかりとコミットして改善していきたい。
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