4463 日華化学 2Q後取材 20260819【初回取材】
2026/09/03
2026/09/03
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スピーカー: IR
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Q.創業から今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?
A.1938年に、繊維向けの精練剤を提供する宮下精練剤工業所の経営に当社の創業者が参画したことが創業のきっかけであり、物体間の境界面である界面をコントロールする界面科学技術を軸に、様々な産業へ薬剤を提供してきた。さらに、羊毛や絹等を洗ったり染めたりする技術を活かして、同じ動物性タンパク質である人の毛髪向けに応用し、美容室向けを中心とした頭髪化粧品事業も展開している。
現在、当社は繊維加工の初工程から最終工程までの一貫した加工薬剤を有する国内唯一の企業であり、お客様の問題・課題の原因追及から薬剤のソリューションまで一貫して提供できる点が強みである。
なお、繊維産業の海外シフトに合わせて1968年の台湾展開を皮切りに、現在は9つの国と地域に14拠点を有し、2025年12月期の海外売上高比率は48%となっている。
また、当社はE(環境/Environment)、H(健康・衛生/Health)、D(デジタル、先端材料/Digital)向けの高付加価値製品に注力しており、化学品事業におけるEHD関連製品の売上高比率は2025年12月期で45%である。一方、既存の非EHD関連製品も提供を続けているが、EHD以外の新製品は開発しない方針としている。
Q.EHD関連製品には、具体的にどのような製品があるか?
A.代表的な製品としてはフッ素フリー系撥水剤、水系ウレタン樹脂、半導体加工用クーラント剤が挙げられる。フッ素フリー系撥水剤はフッ素を使用しない撥水剤であり、スポーツウェアのアウターを始め幅広く使用される。撥水剤は従来、フッ素が使用されてきたが、環境への配慮からアパレルメーカーではフッ素フリー系撥水剤への移行が進んでいる。
なお、当社は2026年3月に公表したケマーズ社からの非フッ素系撥水剤「Zelan™」事業の譲受によって品揃えを拡充したため、フッ素フリー系撥水剤においては世界でもトップシェアになったと想定している。
水系ウレタン樹脂は、人工皮革や自動車の内装部品等に使用される製品である。従来型の溶剤系ウレタン樹脂は環境への負荷が懸念されるため、非溶剤系である水系ウレタン樹脂が選好されてきている。
半導体加工用クーラント剤は、シリコンインゴットからシリコンウェーハを切り出す際の冷却剤および潤滑剤として使用されるもので、主要な顧客はシリコンウェーハメーカーである。
当社のクーラント剤は水溶性で、従来の溶剤型より環境面で利点があることに加え、使用後のクーラント廃液を顧客から有償回収し、自社設備でリサイクルして再び製品化・再販する業界唯一の資源循環型ビジネスモデルを構築しており、顧客のゼロエミッション達成に貢献している点が特徴である。
Q.化学品事業のスペシャリティケミカルは、半導体加工用クーラント剤の割合が高いという認識で良いか?
A.スペシャリティケミカルは繊維加工用薬剤とクリーニング用薬剤以外の全ての製品が含まれる領域で、半導体加工用クーラント剤を含むデジタル・先端材料領域の割合が高めである。
Q.EHD関連製品の中でも利益率が高い製品は何か?
A.利益率が比較的高めなのは半導体加工用クーラント剤等の電子材料である。一方で、利益率は製品カテゴリーだけで決まるものではなく、子会社によっては繊維向け・非繊維向けのいずれでも高い利益率を確保しているケースがある。そのため、特定の製品のみを高収益製品として捉えることは難しい。
Q.半導体加工用クーラント剤について、AI需要等でシリコンウェーハの生産量が増加すれば、消費量も増加していくという認識で良いか?
A.クーラント剤の需要に直接影響するのは、主にシリコンウェーハの加工面積であり、半導体の小型化・高精密化が進んでいることから、AI市場の成長率と当社クーラント剤の売上増加がそのまま比例するものではないが、AI半導体関連需要の拡大によるプラスの影響は一定程度期待できる。
Q.業績の季節性はどのようになっているか?
A.化粧品事業における自社ブランド事業は、2月、8月が閑散期となっており、売上は賞与シーズンが比較的高くなる傾向がある。なお、ODM(受託開発)事業は顧客からの発注タイミングによるため、季節性があるわけではない。
化学品事業については全体として季節性は小さく、主力の繊維化学品における売上は暖冬などの気候的要因等による顧客の在庫状況の影響をある程度受ける。
Q.2026年12月期2Qの業績をどのように評価しているか?
A.化学品事業が全体業績をけん引し、売上高・各利益が上期として過去最高となった。化学品事業では、フッ素フリー系撥水剤が事業譲受も寄与して伸長したほか、環境配慮型の工程薬剤も販売が増加したため、EHD関連製品売上高比率が前年同期の45.2%から48.1%に上昇した。加えて、繊維化学品分野において、中国で大手繊維加工場との取引が好調であったことや、インド・バングラデシュ等の売上が伸長したことが、売上および利益の増加に貢献した。一方、化粧品事業では、代理店の在庫調整やODM事業のリピート減少、韓国経済停滞の影響などにより、減収・減益となった。
Q.化学品事業は前年同期比でEHD関連製品以外の売上も増加しているが、この要因は何か?
A.繊維化学品分野に含まれる韓国の受託事業において、想定以上の受注を受けたことが要因のひとつである。
ただし、これは一時的なもので、2027年12月期以降も継続するとは考えづらい。
Q.2026年12月期の下期について、どのような見通しを持っているか?
A.化粧品事業は、ブリーチ剤を使用せず、施術時間を短縮しながらも、高明度・高彩度のカラー表現を実現する自社ブランドのヘアカラー(TOIROCTIONブリーチレスライン)を6月に発売したほか、日韓共同開発の新ヘアオイルブランド(FeTeE)を9月から日韓同時期発売する計画としており、2026年12月期の下期は堅調に推移すると考えている。
一方、化学品事業については、中東情勢の不安定化による影響など外部環境の不透明感は継続するものと見込んでいる。ただし、今後のコスト上昇分も加味した価格改定を5月から実施しているため、コスト増の影響は徐々に相殺されていくと考えている。上期実績と、こうした下期見通しを踏まえ、2026年12月期通期業績予想を上方修正し、売上高、各利益ともに過去最高となる見通しである。
Q.化粧品新工場「福井スマートファクトリー」の減価償却はいつから始まる予定となっているか?
A.竣工は2027年5月の予定で、稼働開始は2027年下期を想定している。そのため、減価償却費は2027年12月期の下期からの計上見込みで、1年間を通しての計上は2028年12月期となる。償却負担により一時的に営業利益が押し下げられるが、EBITDA(営業利益+減価償却費)を最重要指標とし、稼ぐ力の向上を目指している。
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