8043 スターゼン 1Q後取材 20260828【初回取材】

2026/10/02

2026/10/08

Disclaimer
この取材ノートは投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式 (有価証券) についての投資判断あるいは有価証券の価格やリターンに対する動向に関する助言を行うものではありません。
当取材ノートに投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。
取材ノートに記載された内容は取材時の内容・取材ノート原本を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。ご了承ください。
また、取材ノートに記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。
大きい変更があった場合は再投稿という形で新しく上げ直すよう努めます
。

※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。

株探 バフェット・コード

スピーカー: IR
P/E 9.7x P/B 0.86x (取材記事公開日現在)

Q. 創業から現在に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?

A. 当社は戦後の1948年に創業し、食糧難の中で国産の食肉を消費者に届けるべく事業を開始した。その後は高度経済成長に伴う食の多様化に応えるため輸入食肉の取り扱いを開始し、さらにはハム・ソーセージの製造へと事業領域を拡大した。当社の成長において大きな転機の一つが、1971年に日本マクドナルドが銀座に第1号店を出店するにあたり、同社向けにビーフパティの供給を開始したことである。これを契機として、ハンバーグ、ローストビーフなどの加工食品事業も飛躍的に成長した。現在では、これらの事業で培ったノウハウや信用力を背景に、日本産和牛の輸出や、グローバル市場での海外販売にも積極的に取り組むなど、一貫して食肉を中心とした事業を展開している。

Q. 業界内における強みはどのようなものであると考えているか?

A. 当社の最大の強みは、国内外にわたる強固な調達ネットワークから、生産・加工、物流、販売に至るまでを一貫して自社グループで担う「トータルサプライチェーン」を構築している点である。 祖業である食肉事業で培った目利き力や独自の調達ルートを活かし、国産・輸入を問わず高品質な食肉を安定的に確保できる「調達力」、そして顧客の多様なニーズにきめ細かく対応し、最適な形態で商品を提供する「提案・加工力」を有している。さらに、全国を網羅する物流網と営業拠点によって、鮮度を保ちながらタイムリーに商品を供給できることが、B to B市場において強力な競争優位性となっている。

Q. 競合環境はどのようになっているのか?

A. 加工食品セグメントに関しては、同業他社が一般消費者向け(B to C)商品を多く展開しているのに対し、当社は業務用(B to B)商品を主力としており、一定の棲み分けができている状況である。B to Bビジネスにおいては、安定供給や品質、コスト競争力が重視されるが、、当社は豪州からの食肉調達規模が国内でもトップクラスであり、そのスケールメリットを生かした価格競争力と安定供給力が強みとなっている。

Q. B to B向けビジネスにおいては、顧客からのレベルの高い要求に応えられているという認識で合っているか?

A. その認識で合っている。当社のビジネスはB to B向けが大半を占めており、単なる原料供給にとどまらず、顧客の課題やニーズに寄り添った付加価値の高い商品を提供している。具体的には、店舗オペレーションの軽減や、人手不足の解消に寄与するよう、あらかじめカットや味付け等の加工を施したプロセスセンター商品に加え、外食産業や小売店など顧客ごとの細かな要望に応じた加工食品の開発を積極的に行っている。こうした製造・開発の両面におけるきめ細かな対応力が、顧客が扱いやすく、利益を確保しやすい商品を実現し、高い評価と信頼に繋がっている。

Q. 過去10年間の業績成長を支えてきた取り組みは何か?

A. 最大の要因は、従来縦割りで動いていた生産・加工・販売を一体化する構造改革に着手したことである。具体的には、分散していた各部門を本社ビルに集約し、情報共有を促進させた。これにより、食肉の在庫状況に応じた効率的な営業体制を構築できるようになり、業績のブレを抑制することに成功した。事業面では、成長市場である海外への進出を強化し、和牛の輸出拡大をはじめ、豪州Wagyuや加工食品の現地販売も推進してきた。また、深刻な人手不足に直面する小売業や外食産業に対し、従来の原料供給にとどまらず、アウトパック(加工業務の外部委託)製品や、半調理品・加工食品の提案を強化した。人手不足に対応する店舗省力化のニーズを的確に捉えたことで、外食市場等における販売規模を大きく拡大させてきた。単なる原料の価格競争ではなく、高付加価値化を進め、収益性向上を図ってきたことが、徐々に業績へ表れてきたと認識している。さらに、2026年4月にはハンバーグ製造に強みを持つオサベフーズをグループ化しており、足元の業績にも大きく寄与している。

Q. 加工食品セグメントの成長ドライバーは何か?

A. ローストビーフとハンバーグである。これらの商品は品質の高さが評価され、新規顧客の獲得が進むとともに、既存顧客からのリピート受注によって近年売上を大きく伸ばしている。特にハンバーグについては、家庭で手作りする機会が減少し、簡便調理商品の需要が高まる中、味や品質の高い商品を提供できることが評価され、スーパーマーケット、量販店、コンビニベンダー、ファミリーレストラン等での採用拡大にも繋がっている。

Q. 2027年3月期1Qにおいて加工食品セグメントの業績が大きく伸長した理由は何故か?

A. 当社の主力であるローストビーフやハンバーグなどの売上が順調に推移したことに加え、市場環境に応じた適切な価格改定を進めたこと、加えてM&Aによってオサベフーズを連結子会社化したことが大きな要因である。

Q. オサベフーズが低コストで高品質な商品を生産できる理由は何故か?

A.  安定かつ競争力のある価格での原料調達ルートの確保と、歩留り改善やロス削減など原料以外の製造コストを徹底的に見直すノウハウを有している。さらに、徹底した品質管理体制のもと、効率的なライン設計と独自の生産技術を組み合わせることで、高品質を維持しながら低コストでの製造を実現しているため。

Q. 食肉の安定調達における強みは何か?

A.当社の強みは、長年にわたり国内外で築き上げてきた強固なパートナーシップ、大規模な調達によるスケールメリット、そして国内最大規模の処理・加工インフラである。海外調達においては、海外サプライヤーとの長年にわたる信頼関係を基盤に、加工原料を中心に大量かつ継続的に輸入しており、この高い購買力が優位な調達条件を引き出している。また、国内においても、協力農場との強固なパートナーシップによる、安定的な集荷基盤に加え、と畜場併設の国内最大規模の加工処理能力を持つ工場を有している。調達からと畜・加工までを一貫して行える体制により、鮮度と品質を維持した効率的かつ安定的な供給基盤を確立している。

Q. 中期経営計画2030における「グローバルサプライチェーンの構築」とは、具体的にどのような取り組みをしていく方針か?

A. 将来的に国内市場の縮小が想定される中、海外では人口増加や新興国の経済発展などにより食肉需要の拡大が想定される。そのため当社では、「供給」と「販売」の両面から体制強化を推進している。供給面については、国内で生産された高品質な和牛の輸出拡大に向けた調達・加工体制の強化に加え、豪州でWagyuを生産して海外市場へ安定供給する体制の構築を進めている。販売面については、国内で培ったトータルサプライチェーンの強みを海外でも発揮できるよう現地の販売拠点や流通体制の構築に努める。これにより、日本産和牛、豪州Wagyuの販売拡大のみならず、高付加価値な加工食品のグローバル展開も目指す方針である。

Q. 海外ビジネスの構築における課題点は何か?

A. 現時点における主な課題は、「グローバル人材の育成・確保」と「現地市場における販売先の開拓」であると認識している。人材面では、国内で食肉に関する知識や当社のビジネスを習熟させた上海外で活躍できる人材へと段ピッチを上げて育成する方針である。同時に、当社の強みや考え方を共有できる現地人材の採用についても、併せて進めていく。販売先の開拓については、段階的に進める。まずは、既存取引先である日本の外食や小売企業の海外展開を支援し、市場への理解を深める。これを足がガリとして、将来的には地場の企業へのアプローチを進め当社独自の販売網構築による市場開拓にも繋げていきたいと考えている。

Q. 海外市場において、競合他社との差別化要因は何か?

A. 国内で長年培ってきた「きめ細かな対応力や高度な提案力」が強みであると考えている。単に食肉を販売するだけではなく、各部位の特性を理解した上で、切り方や食べ方まで含めた提案が可能である。こうした知見を持つ人材が海外でも提案営業を行うことで、価格競争に陥ることなく、お客さまとの信頼関係構築に繋げられると考えている。

Q. 海外向け人材の育成にはどれくらいの期間を要するのか?

A. 個人差もあるので一概には言えないが、数年程度、国内の営業現場で実務経験を積んだ後、本社部門で海外取引を学ぶ期間を想定している。なお、既にこのような方針で育成を進めており、準備が整った者から順次、現地へ派遣し、グローバル体制の強化を図っていく方針である。

Q. 現在の従業員数のうち、海外事業に携わる人材は何名程度いるのか?

A. グループ全体で100名程度の従業員が海外事業に関連する業務に携わっている。今後の海外展開の加速に伴い、体制をさらに強化していく予定である。

Q. 2031年3月期までに売上高を1,000億円増加させるという目標達成に向けた具体的な施策は何か?

A. 目標達成に向けては、「国内食肉事業のシェア拡大」「加工食品事業の拡大」「海外事業の成長」の3つの柱を総合的に推進していく。主力である食肉事業においては、強固な調達基盤を活かし、多様化する顧客ニーズに対応することで、国産・輸入食肉ともに国内市場でのシェア拡大を図る。加工食品事業においては、オサベフーズの子会社化に伴うシナジー効果の創出や付加価値の高い商品の拡販を通じて、継続的な売上成長と収益性向上を見込んでいる。さらに、今後の大きな成長ドライバーとして位置付ける海外事業においては、日本産和牛・豪州Wagyuの供給基盤強化や販売網を拡充し、海外売上の比重を高めていく。また、DX投資による生産性向上や物流の効率化など事業基盤の強化にも並行して取り組むことで、確固たる成長基盤を構築する。

Q. 海外事業や加工食品セグメントの成長に伴い、今後は利益率が改善していくという認識で合っているか?

A.  その認識で合っている。加工食品セグメントにおいては、オサベフーズの子会社化により販売・製造の両面でシナジーが発揮されるとともに、付加価値の高い商品の販売構成比が高まることで、セグメント全体の利益率向上を見込んでいる。また、食肉セグメントについても、和牛などの海外輸出は国内販売と比較して高い粗利益率を確保できるため、今後の輸出拡大が、グループ全体の利益率向上に大きく寄与する。

Q. 国内販売と比較して輸出の利益率が高い理由は何故か?

A. 霜降りや独特の食感など海外の牛肉にはない日本産和牛の特長に加え、輸出できる輸出認定工場を持つ企業が限定されていることで、海外市場での希少性が増し、高い付加価値に繋がってと考えている。加えて、近年の円安による為替環境も海外での価格競争力を高める追い風となっている。また、北米や欧州、アジアをはじめとする主要市場で富裕層や高価格帯レストラン向けを中心に需要が拡大していることも、高い利益率を伴った輸出の拡大を後押ししている。

Q. 2027年3月期1Qの業績をどのように評価しているか?

A. 加工食品と輸入ビーフの販売が堅調に推移したことにより、物流費等の販管費増加を上回る売上総利益を確保できたことや、持分法適用会社からの収益が前年同期比で2億円増加したことで、営業利益、経常利益および四半期純利益の全ての段階利益において過去最高を達成し、極めて順調なスタートを切ることができたと評価している。

食肉セグメントにおいては、国産品は生産コストの上昇により売上高が前年同期を上回ったものの、売上総利益は前年並みとなった。一方、輸入品では、ビーフの相場上昇前に先物で買い付けていた在庫が利益確保に大きく貢献した。

加工食品セグメントについては、既存商品が堅調に推移したことに加え、ローストビーフの価格改定やオサベフーズの新規連結効果が寄与し、売上高、売上総利益共に前年同期比で30%以上の成長を実現した。2Q以降、オサベフーズ子会社化のシナジーが販売・製造の両面で発揮されるよう取り組みを進めていく。

Q. 持分法適用会社からの収益増加は、オサベフーズ以外の子会社によるものという認識で合っているか?

A.  その認識で合っている。主に国内でブロイラー事業を展開する持分法適用会社と、豪州の食肉加工会社の2社が牽引している。両社の利益貢献額は、概ね同程度であり、今期についても前期並み、あるいはそれを上回る堅調な推移を見込んでいる。

Q. 2Q以降の業績はどのように推移する見込みか?

A. 例年、2Qは季節要因による調達コストの上昇が利益面に影響しやすい時期ですが、現時点ではコスト環境は想定の範囲内で推移しており、業績もおおむね計画に沿って進捗する見込み。一方、当社にとって年末商戦を含む3Qが通期業績を左右する重要な需要期となる。まずは、2Qの取り組みを着実に進めるとともに、3Qの最需要期に向けて安定供給と販売の最大化に注力していく方針である。

Q. 今後の業績におけるリスク要因として、懸念していることはあるか?

A.現時点で業績に大きな影響を及ぼす具体的な事象は顕在化していないが、市況や需要動向など、外部環境には不確定な要素がある。今後も事業環境の変化を注視しながら、通期業績への影響を慎重に見極めていく。

下の投稿タグから過去のノートが参照できます。

 

追加の質問や、「これ違わない?」という指摘などあればコメント欄よりお願いします。
企業様宛のコメントや質問、要望なども受け付けております。
この辺りは公開されませんのでご安心ください。

関連記事

コメント

コメントする

コメント記入欄の上に表示するメッセージ

コメント記入欄の下に表示するメッセージ

トップへ戻る