4448 kubell 4Q後取材 20250319【初回取材】

2025/04/09

2025/04/09

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株探 バフェット・コード

スピーカー: CFO
P/E -x P/B 10.69x (取材記事公開日現在)

Q.創業から今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?

A.2004年の設立当初は中小企業のWeb集客支援サービスの開発・販売を行っていた。2011年にビジネスチャット「Chatwork」をリリースし、事業を大きく転換した。2014~2015年にVCから資金調達を行い、順調に事業・組織が成長した結果、2019年に上場を果たした。チャットアプリには、滞在時間が長く使用頻度も高いという特徴があるためスーパーアプリ化しやすいことから、上場後からはチャットアプリのスーパーアプリ構想を掲げている。近年はスーパーアプリを実現する中間地点としてBPaaS事業に参入し、kubellパートナーを設立した。

Q.なぜスーパーアプリ構想の中間地点としてBPaaSを考えているのか?

A.導入にあたって比較検討が必要になるSaaSには一定程度のITリテラシーが必要になるため、中小企業においては導入のハードルが高く、SaaSのみでは成長に限界が見えている。ChatworkのユーザーにSaaS連携サービスを紹介する送客ビジネスを展開していたが、その過程で中小企業向けにSaaSを提供して成長することの難しさに直面した。そのため、中小企業の業務ごと請け負い、SaaSやAIを活用した効率化を行うBPaaS事業を開始した。

Q.Chatworkセグメントについて、ビジネスチャットの市場をどのように認識しているか?

A.ビジネスチャットの国内普及率は20%弱であり、中小企業向け市場では多くの潜在顧客が存在すると考えている。

Q.Chatworkの課金ID数・ARPUの増加ペースをどのように認識しているか?

A.2023年12月期3Qの価格改定によりARPUは上昇し、売上増加の要因となった。一方で、課金ID数については、2023年12月期1Q以降はフリープランの利用制限を変更したことで、有料化の進捗が進まなくなったために伸びが鈍化傾向にあったが、2024年12月期3Qに、フリープランにおけるグループチャットの利用制限を再調整した結果、純増数の回復が見られる。

Q.今後のユーザー数の増加ペースをどのように見通しているか?

A.無料・有料ユーザー数は堅調に増加しており、市場に多くの潜在顧客が存在することを踏まえると、今後も現在の増加ペースが継続すると見込んでいる。

Q.直近数年間で、Chatworkを利用開始するユーザーの特徴に変化はあるか?

A.大きな変化はないと認識している。また、現在もネットワーク効果によるユーザー数の増加が大きい。

Q.ChatworkのDAUの伸びが従来と比較して鈍化している点について、どのように捉えているか?

A.登録ID数の増加に対し、DAUの伸び率は低下しており、課題となっている。アーリーアダプター層だけでなくマジョリティ層にも利用者が拡大したことに伴い、毎日利用しないユーザーが増加していることが要因の1つであると考えている。今後は当社として施策を検討し、DAU数を改善する余地があると認識している。

Q.Chatworkの今後の価格戦略はどのような方針か?

A.世の中の状況、競合状況、当社の機能追加等を総合的に判断する。ただし、ChatworkはSlackと比較すると約3割の価格差があり、値上げの余地はあると考えている。そのため今後は、大規模な価格改定は数年おきに実施し、マイナーチェンジはより頻度高く行う方針である。

Q.価格改定による解約率への影響は生じたのか?

A.価格改定により、契約更改時に解約するユーザーは一定数発生した。しかし、2024年12月期3Qから足元にかけては、フリープランの利用制限変更と、価格改定から1年が経過して価格が変更となるユーザーが一巡したことにより、課金ID数の純増数は回復傾向にある。

Q.Microsoft TeamsやSlackとの競争環境をどのように捉えているか?

A.日本市場ではMicrosoft TeamsやSlackは大企業向け、当社は従業員数300名以下の中小企業向けにフォーカスしており、同業他社のソリューションと相見積を取られるケースは少ない。一部大企業では複数のビジネスチャットを併用しているケースもあるが、棲み分けはできていると考えている。

Q.BPaaSの事業体制はどのような状況か?

A.BPaaSにおいては、顧客から請け負った業務を処理するため、契約社員を採用している。オンボーディングや教育のために採用から稼働まで一定期間を要するものの、業務内容は複雑ではないため、採用や育成は順調に進んでいる。

Q.BPaaSでは具体的にどのようなサービスを提供しているのか?

A.kubellパートナーでは、Chatworkアシスタントサービスと買収したミナジン社による給与計算アウトソーシングサービスを提供している。

Q.Chatworkアシスタントサービスはどのようなサービスなのか?

A.Chatworkアシスタントサービスでは、経理、人事労務、営業事務といった専門性が低い業務を請け負っている。このうち売上比率が大きいのは、継続的な依頼が多い経理・人事労務である。

Q.給与計算アウトソーシングサービスはどのようなサービスなのか?

A.給与計算アウトソーシングサービスでは、社労士への確認等を要する専門性の高い業務を請け負っている。なお、今後も専門性が高い業務についてはM&Aを活用して参入する方針である。

Q.BPaaSの今後の成長戦略はどのような方針か?

A.M&Aによるサービス拡充に加えて、Chatworkアシスタントではビジネスチャットの顧客によるクロスセル、ミナジン社の給与計算サービスでは独自顧客の獲得によって、成長を目指す方針である。また、当社の強みはクロスセルによる販促費の削減なので、将来的にはミナジン社のサービスもChatworkユーザーへクロスセルしていく方針である。さらに、BPaaSにおいてSaaS化やAI化が進展すれば、より粗利率が高く販管費を抑制できるビジネスになると考えている。

Q.BPaaSにおいて、新規事業を展開する余地をどのように考えているか?

A.中期的にはBPaaSを拡大し、長期的にはビジネス版スーパーアプリのようなプラットフォームを目指す方針である。具体的には、データソリューション、マッチングビジネス、ファイナンス、福利厚生等の様々な事業をインキュベーションする可能性があると考えている。

Q.BPaaSの売上はどの程度か?

A.2024年12月期4Qの売上は約2.2億円であり、前年同期比約+100%のペースで成長を続けている。今後も高い成長率を維持することで、今期中には売上に一定程度貢献するようになると考えている。

Q.BPaaSではしばらく先行投資を行うのか?

A.その認識で問題なく、Chatworkセグメントの利益をBPaaSに投資する方針である。なお、全社では増収増益を維持する見通しである。

Q.BPaaSの提供に対して、投資家からはどのような反応があるか?

A.投資家からの意見としては、BPaaS事業の労働集約的な側面による収益性への懸念や、SaaSの成長鈍化に対応するための新規事業への期待の両方が寄せられている。ただし、収益性への懸念については、BPaaSにおけるSaaS化・AI化や、既存顧客へのクロスセルを進めることで、効率化と収益性向上を目指す方針である。また、SaaSにアプリを追加するだけでは将来的な成長性に限界が見えるものの、BPaaSの提供によって、当社が将来的に提供できるサービスの幅も広がると考えている。

Q.2025年12月期の売上をどのように見通しているか?

A.売上はやや保守的な水準で業績予想を開示しており、+15%の売上成長率を見込んでいる。また、業績予想では価格改定による増収や課金ID数の増加ペースの回復をあまり見込んでいないこと、成長率が高いBPaaSによる売上貢献が今後拡大することを踏まえると、売上成長率は今期に底打ちし、来期以降成長が加速する見通しである。

Q.2025年12月期のEBITDAはどのような前提に基づいているのか?

A.2025年12月期のEBITDAは10億円を見込んでいる。より高い水準を期待する投資家の意見はある一方で、当社としては戦略的に投資する余地を設けて、達成確度が高い水準で開示している。2025年8月の2Q決算頃には、より精度の高い業績予想を開示できると考えている。

Q.2025年12月期の業績予想において、特別に計上する費用を見込んでいるか?

A.特別に計上する費用は想定しておらず、主に人件費への投資が中心となる。広告宣伝費についても、クロスセルを活かすため、大きな増加は見込んでいない。

Q.採用や組織体制に関して懸念要因は顕在化しているか?

A.採用は順調であり、育成体制も整っていると認識している。また、2025年3月から導入した成果主義型の人事制度により、当社組織の筋肉質化を進めている。Chatworkの従業員をスリム化することで、採用は継続するものの、従業員数の純増ペースはなだらかになる見込みである。

Q.現金の使い道はどのような方針か?

A.当社は成長段階であるため、配当は適切な時期に検討する方針である。一方、M&AはBPaaSとの相性が良いため、積極的に行っていく。

Q.決算発表後の株価下落の要因をどのように捉えているか?

A.第一に、2025年12月期の売上成長率+15%が保守的だと捉えられたからだと考えている。第二に、2024年12月期3Q単体の営業利益が約1.5億円であった結果として醸成された利益水準への高い期待が、株式報酬費用計上による一時的な利益減少によって剥落したからだと考えている。

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