4495 アイキューブドシステムズ 4Q後取材 20240903【初回取材】

2024/09/12

2024/09/13

Disclaimer
この取材ノートは投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式 (有価証券) についての投資判断あるいは有価証券の価格やリターンに対する動向に関する助言を行うものではありません。
当取材ノートに投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。
取材ノートに記載された内容は取材時の内容・取材ノート原本を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。ご了承ください。
また、取材ノートに記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。
大きい変更があった場合は再投稿という形で新しく上げ直すよう努めます

※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。

株探 バフェット・コード

スピーカー: IR
P/E 12.8x P/B 2.69x (取材記事公開日現在)

Q.今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?

A.2001年に創業し、当初はソフトウェアの受託開発を行っており、その後2007年から2010年にかけて複数のプロダクト開発をした。クラウドビジネスに今後の事業成長を見越し、9つ目のプロダクト開発としてモバイルデバイス管理サービスであるCLOMO MDMを2010年にサービスインし、スマートデバイスのビジネス利用拡大のもと主力商品として成長していった。

Q.モバイルデバイス管理サービスに注力していくことにした理由は何か?

A.クラウドビジネスの成長が期待できたためである。

Q.CLOMO MDMをリリースしてから転機となった出来事は何かあったか?

A.2015年のマイクロソフトと協業開始及び2019年のGoogleのAndroid Enterprise Recommended認定取得は弊社の技術力という点で転機になったと感じている。また、2018年以降、NTTドコモグループに主力販売パートナーとなってもらったことは、売上を大きく牽引する転機であったと考えている。

Q.CLOMO事業の販売体制と料金体系はどうなっているのか?

A.販売体制は代理店経由が大半である。料金体系はライセンス料を回収しているが、月額のサブスクリプションでの契約が多くなっている。

Q.NTTドコモ等の代理店が販売する際は、各社のモバイル端末と一緒に紹介するような形式をとっているのか?

A.その認識で合っている。

Q.競合他社も同様に携帯キャリアでの代理店販売が主流ということか?

A.その認識で合っている。

Q.MDM市場の競争状況はどうなっているのか?

A.MDM市場のシェア率は、MDMベンダー同士の競争ではなく携帯キャリア同士の競争に影響される傾向にある。NTTドコモはKDDIやSoftBankと比較してもビジネス用スマートフォンの普及が遅れている状況であるため、今後の弊社のMDMシェア率は成長余地があると考えている。

Q.競合他社とMDM内のサービスや機能に差はあるのか?

A.MDMはOSが公開しているAPIを元に機能開発をするため、大きな機能差はないと考えている。

Q.海外の大手企業もMDMを扱っているが、その中で顧客が御社のMDMを採用する要因は何か?

A.海外のMDMは大企業向けかつサポートサービスが海外製であるため利用ハードルが高くなる。そこで手軽に利用できるという点で弊社のサービスを利用する顧客が多いと感じている。

Q.NTTドコモ以外の端末に御社のMDMを導入することは可能か?

A.可能である。例えば、顧客からKDDIの端末へCLOMOを導入したいとの要望があった場合等は対応可能である。

Q.MDM市場は今後どのように成長していくと考えているか?

A. MDMの導入率は、ビジネス用スマートフォンを利用している企業の約3割程度であるため、今後の成長余地はあると考えている。特に、現在は建設現場や学校でのモバイル端末が普及してきているため、今後の成長ドライバーになると考えている。
また、身近な市場であるPC資産管理市場では、現在オンプレミス型のパッケージソフトからSaaSへの切り替えが進んでいる。そのため、今後はスマートフォンとPCの両方を管理できるようなサービス需要が高まるため、MDMの市場の更なる成長が見込める。

Q.MDMとPC資産管理ツールとでは機能は大きく異なるのか?

A.社内のデスクトップPCの管理を前提としたPC資産管理ツールに対して、MDMは社外に持ち運ぶモバイル端末の管理機能を備えた製品であるため、考え方や機能は異なる部分が多いと考えている。

Q.GIGAスクール構想が発表された際の案件獲得状況はどうだったか?

A.2020年頃にGIGAスクール構想が実施された際、導入された端末の多くはChromebookであり、既にGoogle独自のMDMの一部機能が搭載されていた。そのため、獲得した案件数や業績への寄与は非常に少なかったが、来年からNEXT GIGAが実施されるため、前回よりも案件数を獲得したいと考えている。

Q.オプティムと御社、両者共に「国内MDM市場13年連続No.1」としているが、No.1とする基準の違いによるものか?

A.オプティムは国内のMDM市場全体でNo.1としているが、弊社はその市場の中でOEMを含まない自社ブランドでのNo.1としている。

Q.代理店で販売する際、代理店は御社からライセンスを卸して販売しているのか?

A.その認識で合っている。

Q.代理店・御社・エンドユーザーはどのような接点方法になっているのか?

A.契約は代理店とエンドユーザーが直接行い、サポートは弊社から直接エンドユーザーへ実施している。

Q.売上の大半が卸値で、原価に通信費や人件費が含まれているのか?

A.その認識で合っている。

Q.業績報告では導入法人数・継続率・ARPU(=導⼊法⼈数当たりの平均⽉間単価)・ARR(=年間経常収益)を開示しているが、御社の中で重要視している指標はどれか?

A.導入法人数とARRである。

Q.単価は非公開なのか?

A.ライセンス単価は非公開であるが、1社当たりの月額課金額という形でARPUを開示している。

Q.顧客層はどのようになっているのか?

A.売上の大半は大企業であるが、最近は中小企業の契約も増えてきている。

Q.過去4年ほどARPUが低下傾向である要因は何か?

A.1社当たりの契約ライセンス数が低下傾向にあることと、NTTドコモのあんしんマネージャーNEXTへOEM提供を開始したことにより、中小企業の契約が増えたことが要因であると考えている。

Q.1社当たりの売上が低い顧客が増えたことにより、カスタマーサービスへの負担は増えないのか?

A.OEM提供に当たってカスタマーサービス制度の強化を実施したため、現状大きな問題はない。

Q.カスタマーサービスのコストは原価と販管費どちらに含まれているのか?

A.販管費に含まれている。

Q.現在のARPUは35,000円であるが、今後どこまで低下する見通しか?

A.OEM提供しているサービスは旧サービスからの移行先であることから、今後も契約社数が増加していく。そのため、現段階で正確な数値を言及できないが、旧サービス終了予定である2026年までは微減していくと考えている。

Q.2024年6月期通期決算説明資料のP.12で、売上高の構造でアップセルの占める割合が多いように感じるが、アップセルにはどのような売上が含まれているのか?

A.既存顧客からの追加ライセンスやオプションサービスからの追加売上である。

Q.オプションサービスにはどのようなものがあるのか?

A.セキュリティサービスやMDMの運用代行などがある。

Q.オプションサービスによって1社当たりどの程度の追加売上が発生するのか?

A.正確な金額は言及できないが、アプリ配信を管理するMOBILE APP PORTALというオプションは大半の顧客が導入しているため、その分の売上は確実に計上されている。

Q.売上高の構成はどうなっているのか?

A.CLOMO MDMが売上高の9割を占めており、残りがSECURED APPsやその他という構成となっている。

Q.直近1、2年の売上成長率が10%を超えて推移している要因は何か?

A.顧客数の増加が売上成長に繋がっていると考えている。

Q.過去売上高の成長が緩やかになった時期はあったか?

A.OEM提供を開始する前までは成長が緩やかであった時期があった。

Q.契約率が今期で大きく減少した要因は何か?

A.契約率は平均して97%程度を維持しているが、今期94%代まで落ち込んだ。この背景としては、MDM導入当初から終了時期が決まっていた顧客が今期契約満了となるタイミングだったためである。
このような期間限定での契約は珍しいケースであるため、今回の契約率の大幅な減少は一過性のものであると考えている。

Q.中長期で見た場合、成長率は何%程度を目指しているか?

A.MDM市場の成長率が年平均10%程度であり、また成長可能性の高いNTTドコモグループとパートナー契約を結んでいるため、市場以上の成長率を達成したいと考えている。

Q.中長期で見た場合、費用や利益はどのような推移となる見通しか?

A.過去で大きく費用が増えた場面は、営業拠点の増設、ISMAP取得のための申請費用など、成長投資を実施した場面である。弊社では中長期計画で掲げている2026年6月期で売上高50億円達成のため、利益率よりも売上高の成長を重視していきたいと考えている。そのため成長投資を実施する際は、ある程度の利益率の増減が発生すると考えている。

Q.ISMAPとはどのような制度か?

A.ISMAPとは政府が推奨しているクラウドサービスリストであり、行政機関等はこのISMAPクラウドサービスリストから利用サービスを選定するようになっている。弊社は2024年2月にISMAP認定を取得し、今後は行政機関の顧客獲得も期待できることから、市場内における競合優位性の向上に繋がると期待している。

Q.御社以外でISMAPを取得しているMDMベンダーはあるか?

A.Microsoft IntuneとSoftBank系ベンダーである。

Q.2026年6月期で売上高50億円は現時点で達成できる見込みはあるか?

A.OEM提供によって業績成長は見込めるものの、CLOMO事業のみでは目標達成は厳しいと考えている。そのため、新規ビジネスの獲得のためにM&Aも検討している。

Q.売上総利益が過去大きく変動している要因は成長投資以外に何かあるか?

A.開発ソフトのリリース時期によって1年間の減価償却費が変動することが要因であると考えている。

Q.CLOMO MDM以外に好調なサービスはあるか?

A.昨今の企業に対するサイバー攻撃の増加を背景に、セキュリティオプションサービスであるDeep Instinctの利用顧客が徐々に増加してきている。

Q.オプションサービスのTeam Viewer RemoteやHarmony Mobileは今後販売していくサービスか?

A.その認識で合っている。

Q.オプションサービスは他社製品と御社製品とでどちらの割合が多いか?

A.他社製品である。MDMはマルウェア対策などの機能がないため、その場合は他社製品のオプションを追加している。

Q.今後も成長投資を実施するとのことだが、具体的にどのような投資を検討しているのか?

A.PC資産管理市場への市場拡大には追加機能の開発が必要になると考えている。また、定常的に発生するコストとしては、他社のオプション機能を仕入れるための費用やOSアップデートに合わせた開発費用が挙げられる。

Q.投資事業では具体的に何を行っているのか?

A.一番の目的はCLOMO事業の更なる成長のため、新事業の獲得を目的とした投資を実施している。また、創業の地である九州の起業家の支援目的としても投資活動を行っている。

Q.投資事業の今後の見通しはどうか?

A.CLOMO事業の業績を優先させながら、年間数社規模で投資社数を増加させていき、最終的に10億円規模の投資を目指したいと考えている。

Q.配当性向は30%程度で推移しているが、御社が目指す水準はどの程度か?

A.具体的な数値目標は設定せず、前年以上の配当金となるよう株主還元を実施している。

下の投稿タグから過去のノートが参照できます。

 

追加の質問や、「これ違わない?」という指摘などあればコメント欄よりお願いします。
企業様宛のコメントや質問、要望なども受け付けております。
この辺りは公開されませんのでご安心ください。

関連記事

コメント

コメントする

コメント記入欄の上に表示するメッセージ

コメント記入欄の下に表示するメッセージ

PAGE TOP