9348 ispace 3Q後取材 20250227

2025/03/26

2025/03/26

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株探 バフェット・コード

スピーカー: IR
P/E -x P/B 16.83x (取材記事公開日現在)

Q.新しい売上計上基準の内容はどのようになっているのか?

A.従来は原価回収基準を採用しており、ミッション完了時まで粗利を計上できなかったが、4Qからは「履行義務の進捗度に基づき収益を認識する方法」(以下、「進捗基準」という)に変更し、ミッション完了前でも進捗度に応じて原価以上の売上を計上できるようになる。具体的には、該当ミッションの総原価に対する月ごとの発生原価の比率を進捗度とし、その比率と該当ミッションの総契約金額から毎月の売上を算出する方法となっている。
この進捗基準の適用に伴い、ミッション遂行中の期間であっても粗利計上が可能となり、ミッション2において進捗基準へ移行できることはポジティブなことと受け止めている。その理由は、将来的にミッション単位で黒字化し、且つ進捗基準を適用できた際に、原価回収基準で収益認識をする場合と比して、より早いタイミングで損益計算書上も黒字化できることになるためである。(上述の通り、原価回収基準では、ミッション完了時に粗利を一括計上するが、進捗基準では原価回収基準よりも前倒しで粗利計上できるため)

しかしながら、この会計基準は現時点でミッション2にのみ適用されており、ミッション3の会計基準は依然として原価回収基準方式となっている。

Q.ミッション2のみが会計基準変更の対象となった理由は何故か?

A.ミッション2はミッション1の実績があったことと、打ち上げ後の費用は運用に関わる人件費のみであったことから、費用の見通しが容易であったため変更が可能となった。ミッション3以降も同様にミッションを繰り返すことで、費用の見積の妥当性に対する監査法人の判断材料が増え、基準変更が適用できる土壌が整っていくと予想される。ただし、ミッション3,4で使用されるランダーはミッション1,2のものとは異なり、新規の研究開発要素が含まれるため、不確実性が高く、すぐには変更できず、開発が進んで費用が確定した段階で変更される見込みである。実績が積み上がれば、ミッション6以降は開発初期から適用できる可能性もある。

Q.上方修正後の業績予想において、販売管理費が約14億円減少した理由は何故か?

A.ミッション3の費用計上タイミング(支出時点で都度費用認識される当初想定から、最終支払い時の一括費用計上に変わったもの)と部材納品のタイミングが数か月ずれたことにより、今期計上できる費用が当初の見通しよりも減少したためである。今期で計上されなかった分の費用は2026年3月期に計上される見込みである。

Q.各ミッションの進捗状況はどのようになっているか?

A.
【ミッション2】
予定通りに打ち上げが成功し、現在も順調にマイルストーンを達成できているため、月面着陸の完了を目指して引き続き航行していく予定である。
【ミッション3】
部材納品の遅延は発生したものの、開発自体は順調に進んでいる。契約に関しては、NASAのペイロード輸送に係る既存契約の契約金額の増額に加え、イタリア政府宇宙機関と新規PSAを締結したため、総契約金額は65MMドルとなっている。
【ミッション4】

開発は順調に進んでおり、間もなくPDR(=基本設計審査会)が完了する見通しである。

Q.ミッション2は現時点でsuccess5まで成功しているが、success6からsuccess10までの中で最も重要視しているのはどれか?

A.ミッション1でsuccess9以降が未達成であるため、success9とsuccess10を最も重要視している。また、success8では推進系を最大出力で噴射するため、ハードウェアが最大出力に対応可能かどうかを確認できるという点では、技術的に重要なポイントになると考えている。

Q.success5の成功をどのように評価しているか?

A.ミッション2はFireflyとの相乗り打ち上げであり、打ち上げ後に当社側での軌道変更が必要であったため、月フライバイを用いて目的の軌道に移行する必要があった。宇宙業界において、少ない燃料で軌道を変更する手法として月フライバイは一般的に活用されているが、民間企業としてはおそらく初の月フライバイ達成となる点は評価している。

Q.日本ミッション(旧ミッション6)をミッション4に前倒した理由は何故か?

A.米国のミッションはNASAのCLPSプログラムを考慮してスケジュールを作成しており、今後のオーダータイミングを考慮し、米国のミッション(旧ミッション4と旧ミッション5)のスケジュールを見直し、先行して日本ミッション(旧ミッション6)を実施することになったためである。

Q.現時点の打ち上げ頻度は年間1回程度であるが、今後打ち上げ頻度は増える想定か?

A.打ち上げ頻度は年間2、3回へ増やしていきたいと考えている。高頻度でのミッション実施に際しては、複数ミッションの並行開発ができる体制の構築と、ミッション開始判断に必要な資金手当(大きな需要獲得や資金調達)が必要と考えている。

Q.現在は政府需要による打ち上げがメインであるが、今後、民間需要が増加する見込みはあるか?

A.2030年頃までは政府需要によって市場が形成されていくが、その後は民間需要が増加していく見込みである。

Q.現在の1kgあたり1.5MMドルという契約価格は民間企業にとっては妥当な価格であると考えているか?

A.現時点では1kgあたり1.5MMドルが市場価格であり、ミッション1とミッション2共に民間企業からの受注実績があるため、受注状況への影響は問題ないと考えている。ただし、現状は政府機関が顧客の中心となっているが、今後、より多くの民間企業からの受注や、より大きなペイロードサイズを民間企業から受注するために、設定単価の見直しも検討する余地はあると考えている。

Q.ミッション3からランダーの形状が変化するとのことだが、ランダーの形状が変化することのメリットとデメリットは何か?

A.メリットは搭載できる荷物が増加することである。デメリットとしては、ミッション1とミッション2で使用したRESILIENCEランダーは相乗り打ち上げが可能であったが、APEX1.0ランダーのような大型ランダーの場合は相乗り打ち上げが不可能であるため、相乗りによる打ち上げコストの削減効果が無くなることである。

Q.今後はどのようなハードウェアの開発を考えているか?

A.現状抱えている課題として、月の夜は2週間続き極低温となることから、バッテリーの凍結を防ぐために、日の入りで着陸し2週間以内にミッションを完了させるという時間の制限があることである。そのため、極低温に耐えることができるハードウェアが開発できた場合、より長時間の運用とデータ取得量の増加が期待できる。現状の液体電池のバッテリーは低温で凍結し、溶けるとショートする可能性があるため、凍結を防ぐための全固体電池の開発や、核エネルギーの利用が検討されている。

Q.4Qで営業費用が増加する見込みであるが、これは打上費用によるものという認識で合っているか?

A.その認識で合っている。

Q.来期の業績をどのように見込んでいるか?

A.来期はミッション3の売上原価が計上されていくが、ミッション4とミッション5の売上原価が計上されるかどうかで業績が大きく変化すると考えている。そのため、計上できる売上原価の源泉となる新規案件の受注に向け、現在はミッション4を対象にした需要の獲得、ミッション5でのNASA CLPS案件の獲得を目指して営業を続けている。

Q.来期の資金調達は検討しているか?

A.当社のビジネスモデルの場合は開発赤字が続くため、財務バランスを見ながらデット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスを実施していく方針である。また、Heights Capital Managementを割当先としたエクイティ・プログラムは3月に4回目の割当が完了するため、一定の財務バッファを確保することができる。

Q.最後に話しておきたいことはあるか?

A.ミッション2ではミッション1の経験を活かし、開発期間の短縮と開発費用の削減を実現することができたため、この取り組みを以降のミッションでも継続していくことで、会社全体で黒字化を目指していきたいと考えている。

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