5381 マイポックス 3Q後取材 20260324 【初回取材】
2026/04/10
2026/04/10
Disclaimer
この取材ノートは投資の参考となる情報提供を目的としたもので、掲載企業の株式 (有価証券) についての投資判断あるいは有価証券の価格やリターンに対する動向に関する助言を行うものではありません。
当取材ノートに投資勧誘を意図するものはなく、投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。
取材ノートに記載された内容は取材時の内容・取材ノート原本を一言半句違わず記載しているものではなく、話の流れ等が分かりやすいよう幾らか加筆している部分がございます。ご了承ください。
また、取材ノートに記載された内容等は取材・作成時点のものであり、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。
大きい変更があった場合は再投稿という形で新しく上げ直すよう努めます。
※こちらの取材ノートは 企業様検閲済み となっております。
スピーカー: CFO
P/E 25.4x P/B 1.59x (取材記事公開日現在)
Q.創業から今日に至るまでの事業の経緯はどのようになっているか?
A.創業当初は顔料や色箔をドイツから輸入していた。その後、色箔の自社生産を行っていたが、出版業界が縮小していたため、粒子を接着剤でフィルムに塗布する技術を活用し、精密研磨フィルムの製造を開始したことが大きな転機であった。その後はHDDの高性能化に伴い、磁気ヘッドとハードディスクの隙間を狭くするための研磨フィルムを継続的に開発しており、現在では約1nmの隙間にも対応している。
Q.御社が受託事業を開始した理由は何か?
A.当時は社名が日本ミクロコーティングであったため、顧客からコーティングに関する相談を受けたからである。
なお、色箔や研磨材の製造プロセスでは分散させた粒子をバインダー樹脂と混ぜ、フィルム上に塗布するため、様々な粒子を含有した塗料のコーティングが得意で、当社には顧客と共に製品や技術を開発するカルチャーが根付いている。また、当社は大量の粒子が塗工されたフィルムのエッジを欠損させずに垂直に切断する技術を有しており、この技術を応用して様々なスリット加工を行っている。
Q.フジミインコーポレーテッドとはほとんど競合していないという認識で良いか?
A.その認識で問題なく、フジミインコーポレーテッドはスラリーを得意としているが、当社はフィルム上に粒子を固定する固定砥粒を得意としている。なお、当社もスラリーを扱っているが、フジミインコーポレーテッドが扱っているスラリーとは領域が異なっている。
Q.フィルムとスラリーを比較すると、前者の方が研磨力は高いという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、フィルムはたわむ性質を利用してシリコンウェーハのエッジのみを研磨することもできる。
Q.スラリーによる研磨では微細な凹凸は研磨できるが、大きな凹凸を研磨することはできないという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.砥石・フィルム・スラリーの各市場は基本的に異なっているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、スラリーを使用すると、加工後の表面の洗浄や研磨くずの処理が難しいため、それらが容易なフィルムの使用が拡大することを期待している。
Q.精密研磨用のフィルムを製造している主な企業は3Mであるという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、国内では研磨布紙メーカー等も精密研磨分野への参入を図っているが、当社はクリーンルーム等の設備や精密分野での経験知を有しており、、当社とはそれほど競合していない。
Q.製品事業における今後の方針はどのようになっているか?
A.ハイテク関連製品は利益率が高いため、今後も注力していく方針であるが、顧客が属する電子デバイス業界の特性により製品需要のボラティリティが非常に高いため、需要が安定している一般研磨関連製品にも一定程度注力することで業績の変動を緩和する予定である。なお、ハイテク関連製品では技術力が重要であるが、一般研磨関連製品では流通網の効率化やPR等が重要である。
Q.一般研磨関連製品は多数の競合企業が存在する一方で、ハイテク関連製品は参入障壁が高く、競合企業が少ないという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。特にデータ損失が極めて忌避され、製品の信頼性が重要であるHDD関連においては、顧客と数十年にわたり開発を行ってきたため、新規参入は極めて困難であると考えている。
Q.投資家との面談において、基本的にハイテク関連製品は分野別で説明を行っているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。用途別(半導体、光ファイバー、HDD)に説明を行っている。
Q.光ファイバー関連の業績が近年は好調に推移している理由は何か?
A.顧客の業界全体が好調に推移しているからである。
Q.光ファイバー関連においては、フェルールコネクター向け研磨製品が売上高の大半を占めているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.多芯タイプの光ファイバーはデータセンターにおいてサーバー間のコネクターとして使用されるという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.多芯タイプの光ファイバーについて、競合企業は存在しているという認識で良いか?
A.その認識で問題ないが、多芯化やCPO向けコネクターに関する顧客からの相談は当社が最初に引き受けており、当社がソリューションとして提案した加工プロセス全体に他社が追従しているため、当社の競争力は非常に高いと考えている。
Q.光ファイバーにおいて研磨工程が必要な理由は何か?
A.研磨により光ファイバーの端面同士を接触させる際の隙間や傾き、端面の表面の傷を無くすことで、光の断絶や散乱による減衰を防ぎ、データ損失が発生しないようにする必要があるからである。
Q.多芯タイプの光ファイバーについて、今後の市場の見通しはどのようになっているか?
A.1年先の受注が確定するほどではないが、直近の需要は非常に旺盛である。なお、最終顧客や代理店は、1年後の需要は約20%~200%増加すると予想しており、顧客やその時の情勢によって予想に大きな違いがあるが、データセンターの需要動向や顧客の意見を参考にすると、今後の需要は大幅に増加すると予想している。
Q.光ファイバーの生産量に応じて御社の関連する製品の売上高も変動するという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.光ファイバー関連製品の主な販売先は商社であるという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、北米の販売についてはFiber Optic Centerを主軸に据える一方、国内においては直接販売も行っている。
Q.上期において、輸送費が当初の想定と比べて増加した理由は何か?
A.データセンター向け多芯コネクターの需要が増加し、一部の材料の供給に関して問題が発生したことで、納期に間に合わせるために航空輸送を行う必要が生じ、輸送費を当社が負担したからである。
Q.米国関税について、価格転嫁は既に完了しているという認識で良いか?
A.その認識で問題なく、航空輸送を行った場合は顧客が関税を負担する契約を締結している。
Q.現在のフィルムの製造キャパシティはどの程度か?
A.フィルムのコーティング工程においては、コーターの塗工面積を考えると稼働率はそこまで高くなく、生産計画を最適化することで塗工面積を増加させられると考えている。
なお、大型のコーターを新たに導入する場合は、投資期間は比較的長期となり、投資額も比較的高額となる想定であるが、コーティングしたフィルムを切断・梱包する工程では、数カ月で数千万円の投資を行うことで装置を追加することができると考えている。
Q.原材料には石油化学誘導品等が多く含まれているという認識で良いか?
A.その認識で問題なく、有機溶剤や樹脂、PETフィルム等を原材料として利用しているため、原材料の調達に関して中東情勢の影響を注視している。また、中東情勢によって電気代が高騰した場合も業績に一定の影響が生じる見込みである。
Q.光ファイバー関連製品の売上高が四半期ごとに大きく変動する理由は何か?
A.データセンターの在庫状況や代理店の在庫戦略の影響を受けているからである。
Q.光ファイバー関連製品の流通在庫が想定以上に増加し、業績が悪化したことがあるという認識で良いか?
A.その認識で問題ないが、現在は代理店と緊密に連携を取り、流通在庫の状況を適切に把握するように努めている。
Q.現状ではデータセンターからの需要が非常に旺盛であり、流通在庫が過剰に増加しているとは考えていないという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.3QまでのHDD関連製品の業績をどのように評価しているか?
A.データセンターからの需要を考慮すると、業績は現在の水準よりも好調に推移する余地があると考えているが、HDDメーカーは過去の経験から設備投資に非常に消極的であり、HDDメーカーの工場稼働率は約100%に達しているため、需要に見合うほど業績が好調に推移しているわけではない。
なお、現在はHDDメーカーが設備投資を行う兆候が確認できており、中長期的には業績は順調に推移すると考えている。
Q.HDD関連製品の成長率は中長期的にどの程度で推移すると考えているか?
A.年率10%ほど高成長するとは考えていないが、1年間で使用されるプラッター数は現在の約8億枚から約10億枚まで徐々に増加すると考えている。
Q.HDD関連製品において、御社のシェアは約100%であるという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.御社の製品はアルミ基板とガラス基板の両方のプラッターに対応しているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.過去において、半導体関連製品の売上高が大きく増加した四半期が存在した理由は何か?
A.第一に、1台数千万~1億円する半導体向けのエッジポリッシャーを複数台販売した四半期が存在したからである。第二に、プローブカードのプローブ針が摩耗した際に使用するクリーニングシートの売上高が増加したからである。
Q.プローブ針に使用するクリーニングシートの売上高が四半期ごとに変動する理由は何か?
A.第一に、半導体市場の需要動向の影響を受けるからであり、第二に、市場の競争環境が激化しているからである。
Q.一般研磨関連製品の状況はどのようになっているか?
A.国内市場は成熟しており、コスト削減を目的として営業所の統廃合を行う競合企業が存在するが、問屋との関係性や納期への対応が重要であるため、当社は営業所を増設したことが功を奏していると考えている。
Q.一般研磨関連製品においては、利益率の低い製品も存在しているという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。なお、製品のラインナップを充実させることで全体的に利益を確保することが重要であるため、それらの製品を販売する意義はあると考えている。
Q.前期の利益率が四半期ごとに大きく変動した理由は何か?
A.工場全体の稼働率の変動に伴い、固定費の比率が大きく変動するからである。
Q.現在の工場全体の稼働率はそれほど高水準ではないという認識で良いか?
A.設備稼働という意味では、その認識で問題ない。なお、コストの増加を価格転嫁した上で稼働率が上昇すれば、営業利益率が15~16%の水準となる可能性もある。
Q.受託事業について、赤字が続く一方で事業を継続している理由は何か?
A.第一に、顧客から提供される材料を加工することで当社の技術力が向上し、自社製品の開発に役立っているからである。第二に、様々な材料を加工することで、市場動向を把握することができるからである。第三に、製品事業と受託事業を両方行うことで、会社全体で工場の稼働率を平準化したいと考えているからである。
Q.業績が好調に推移している製品事業に人員や設備を優先的に振り分けているため、受託事業は赤字が継続しているという認識で良いか?
A. むしろ製品事業に人員や設備を振り分けなければ、受託事業の赤字幅はより大きくなるため、製品事業への振り分けで赤字幅を縮小させている。
Q.12インチウェーハに対応したCMP受託ラインの構築完了は業績にどの程度影響する想定か?
A.業績への貢献は来期の後半頃になる想定であるが、需要が旺盛であるため、一定程度業績に貢献すると考えている。
Q.来期の業績の見通しはどのようになっているか?
A.データセンターの需要は引き続き好調であるため、売上高は好調に推移する想定であるが、受託事業の業績は低調に推移する想定である上、様々な費用が増加しているため、自動化への投資を積極的に行うことで費用を一定程度コントロールする方針である。
Q.来期において需要が想定通りに推移した場合は、追加で航空輸送の費用が増加するとは考えていないという認識で良いか?
A.その認識で問題ない。
Q.キャピタルアロケーションに関する方針はどのようになっているか?
A.当社の事業では設備投資に一定の時間と費用を要するため、自社で設備を保有することは競争優位性につながると考えており、相応のリターンが見込める範囲内で積極的に設備投資を行う予定である。同時に、これらを運用する人的資本への投資も不可欠と捉え、DX教育や階層別研修等の実施を通じて、設備収益性を最大化させるためのスキル向上を組織的に推進していく。
コメント