9342 スマサポ 2Q後取材 20240513【初回取材】

2024/05/31

2024/05/31

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株探 バフェット・コード

スピーカー: COO
P/E 58.7x P/B 8.10x (取材記事公開日現在)

Q.事業の成り立ちから現在までの経緯はどのようになっているか?

A.代表取締役の小田と藤井、取締役の森田と室之園は、不動産管理会社であるTAKUTOグループの経営企画室の出身である。TAKUTOグループは、管理戸数の増加に伴う人件費の増加や、季節ごとの繁閑といった課題から、売上が成長しても営業利益率が悪化するという課題を抱えていた。そのため、弊社の創業メンバーは経営企画室において、管理戸数の増加が収益性の改善に直結するように、入居者対応を効率化する業務を行い、TAKUTOグループの収益性改善に貢献した。
その後、2016年に独立して弊社を創業し、TAKUTOグループでの経験を活かして、現在はサンキューコールとtotonoというソリューションを不動産管理会社向けに提供している。

Q.2023年12月から共同代表取締役制にした理由はなぜか?

A.藤井が代表権を持つことで、藤井が担当していたアライアンス戦略の実行がスムーズになると考えたからである。そのため、小田の代表権を維持しつつ、藤井が代表取締役COOに就任した。

Q.サンキューコールとtotonoを提供している理由はなぜか?

A.TAKUTOグループでは、掲示板機能のデジタル化によって業務改善をしていた。ただし、入居者と不動産管理会社がコミュニケーションを取れるサービスをSaaSとして提供し、スケールさせることは難しかった。
そのため、不動産管理会社のワークフローに入り込むサービスとして、スマサポサンキューコールやtotonoの提供を開始した。現在は、スマサポサンキューコールでは782社、totonoでは117社の不動産管理会社と契約している。

Q.スマサポサンキューコールとtotonoの売上比率はそれぞれどの程度か?

A.売上比率はスマサポサンキューコールが約70%、totonoが約24%、その他が約6%である。

Q.スマサポサンキューコールはラストワンマイルと競合しているのか?

A.その認識で問題ない。インフラサービスの取次は参入障壁が低いサービスであり、ビジネスモデル上はラストワンマイルとの大きな差別化要因はない。そのため、ラストワンマイルは競合でもあり、協業相手でもある。

Q.競合のインフラサービス取次販売業者との相違点は何か?

A.第一に、弊社はスマサポサンキューコールによって顧客の収益性を改善させた上で、totonoの導入を目指していることである。スマサポサンキューコールの収益性のみを追及するのではなく、入居者とのトラブルを発生させないための教育に他社よりも費用をかけているので、スマサポサンキューコール自体の営業利益率は低いものの、チャーンレートや入居者とのトラブル発生率が低いという特徴がある。
第二に、不動産管理会社から不動産オーナーに入居者の状況を報告しやすいようにするために、インフラサービスを取り次ぐ際の電話において、入居者の状況のヒアリングも合わせて行っていることである。

Q.不動産管理会社が複数のインフラサービス取次販売業者と契約することはあるのか?

A.1社のみのサービスを導入するケースもあれば、サービスの質を見極めるために地域ごとに異なるサービスを導入するケースもある。

Q.スマサポサンキューコールはどのようなニーズがある不動産管理会社に導入されているのか?

A.入居者からのクレームの減少に付加価値を感じる不動産管理会社は弊社のサービスを導入している一方で、収益性を重視する不動産管理会社は他社のサービスを導入している傾向がある。ただし、クレームの減少によって入居者ごとのLTVを最大化しているという点では、弊社も不動産管理会社の収益に貢献していると考えている。

Q.前期から既存顧客との取引条件を見直している理由はなぜか?

A.前提として、昨年までは、スマサポサンキューコールで販売したインターネットや電気・ガスの収益のうち、前年の販売データに基づいて予測した販売金額を、弊社から不動産管理会社に分配する契約をしていた。
しかし、昨年から新電力市場が冷え込み、新電力会社からの手数料が大幅に減少し、スマサポサンキューコールの収益性が悪化した。
そのため、昨年から、既存顧客に対して、収益性が急激に悪化した場合は弾力的に分配金額を見直せる条件へ契約変更を進めた。契約条件の変更に伴って解約した顧客がいたため、契約社数は一時的に減少したものの、前期から今期にかけては収益性が改善したので、営業利益率の改善に寄与すると考えている。

Q.入居者とのコンタクト数は売上と連動しているという理解で合っているか?

A.コンバージョンできた電話件数のみをコンタクト数として開示しているので、その認識で問題ないが、電力価格等によって単価が増減するため、綺麗な連動にはならない。なお、今期は単価が1Qから上昇基調にある。

Q.スマサポサンキューコールにおいて、取次対象のサービス別売上比率はどうなっているか?

A.インターネット等通信による売上が約半分を占めており、残りの約半分が電気・ガス・ウォーターサーバー等による売上である。

Q.今後はどのように契約社数を増加させる方針か?

A.弊社の顧客の平均管理戸数は約2,000~3,000戸である。そのため、中小・零細の不動産管理会社による導入を加速する必要があると考えており、地方都市の不動産管理会社に対してもアプローチをする方針である。
ただし、営業担当を増やして全国展開するとCAC(=顧客獲得費用)が高くなるため、スマサポサンキューコールは2023年12月に連携を開始したリクルートの営業リソースを活用して拡販していく。具体的には、「申込サポートby SUUMO」を不動産管理会社が契約すると、入居者の状況が弊社に送られてくるので、弊社がスマサポサンキューコールのサービスを入居者に提供する。

Q.入居者とのコンタクト数はどの程度まで成長させられる見通しか?

A.賃貸不動産から賃貸不動産への転居は年間400~500万件あると言われているので、弊社のシェアはまだ10%未満であると考えている。競争が激しい市場ではあるが、少なく見積もっても入居者とのコンタクト数は100万件まで伸ばせると考えている。

Q.totonoの導入が難しいのはどのような不動産管理会社か?

A.入居者の情報をエクセルやkintone等で管理している不動産管理会社にとっては、totonoと連携するための中間システムが必要になるため、導入が難しいと考えている。また、totonoとの連携可能な管理システムを導入しているケースにおいても、不動産管理会社が管理システムに適切な情報を入力していないといったオペレーション面における課題があるケースが多い。

Q.totonoはどのような管理システムと連携しているのか?

A.ビジュアルリサーチ、いえらぶ、OBIC等のシステムと連携している。

Q.不動産管理会社が入居者対応に課題感を抱えている理由はなぜか?

A.オーナー対応では、工数がかかっても売上に直結するケースが多い一方で、入居者への対応は契約更新や転居に伴う解約、駐輪場等の契約といった問い合わせが多いので、売上に繋がらないからである。
そのため、弊社は、電話や郵送ではなく、デジタルによって入居者と不動産管理会社が繋がる仕組みの整備を目指している。

Q.スマサポサンキューコールにおいて、有償の入居者対応サービスをオプションで提供している理由はなぜか?

A.現在は売上の約9割の人件費がかかっているが、チャットログや部屋の間取り、マンションの特徴といったデータをAIに学習させることで、AIによる戸別の入居者対応が可能になれば、人件費削減に繋がり、収益性が大幅に改善すると考えているからである。
現在、AIによる入居者対応に関する研究を東京大学と実施しており、1~2年後の導入開始を目指している。

Q.totonoはどのような収益モデルか?

A.管理戸数5,000戸までは月額10万円、それ以上の戸数に対しては従量課金が発生するSaaSモデルである。ただし、2年前からは導入を加速するために月額料金を半額にしていたので、ARPUは約8~9万円である。

Q.アプリダウンロード数は顧客の合計管理戸数に沿って増加するのか?

A.その認識は間違っており、現在の合計管理戸数が約80万戸まで増加しているが、アプリダウンロード数は全体の約1/4に留まっており、施策を実施しなければダウンロード数は増加しないと考えている。
従来は、アプリ未ダウンロードの入居者向けに、掲示板への貼り紙やポストへの投函による訴求を実施していたものの、大きなダウンロード数の増加は見られていなかった。一方、最近は新たに設置したダウンロード推進室によりショートメールを活用した施策を実施したところダウンロード数が増加傾向にあり、今後も様々な施策を行ってダウンロード数を増加させることが重要だと考えている。

Q.通期予想に対するtotonoのアプリダウンロード数の進捗をどう評価しているか?

A.通期予想に対する進捗は計画通りであり、引越し件数が多い3月と4月にダウンロード数が増加する季節性がある。そのため、上期と下期に同じ程度ダウンロード数が増加する見通しであり、通期予想の達成確度は高いと考えている。

Q.通期予想に対するtotonoの契約不動産管理会社数の進捗をどう評価しているか?

A.通期予想の154社に対しては未達になる可能性はあるが、売上では通期予想を達成する確度が高いと考えている。

Q.契約不動産管理会社数が未達であっても、売上では通期予想を達成する確度が高い理由はなぜか?

A.上期に8万戸を管理しているJSBと契約をしたからである。大口顧客と契約した際は、弊社のリソースが割かれるので契約不動産管理会社数は少なくなるものの、業績への貢献度は大きい。

Q.顧客の合計管理戸数をKPIとして開示しない理由はなぜか?

A.顧客の管理戸数は顧客からの自己申告によってしか分からないことや、ビルのメンテナンスをしている物件も含めて管理戸数を計算している不動産管理会社があることが理由である。

Q.今後の収益性をどのように見通しているか?

A.リクルートや大東建託との提携によって、大手企業のリソースを活用した拡販が可能になったので、足元の営業利益率は大幅に改善している。今後は、まずは営業利益率を10%以上に改善させ、将来的には20~30%まで上昇させることを目標としている。

Q.今後の成長戦略はどのような方針か?

A.スマサポサンキューコールを主要な収益源として成長させるとともに、業務改善のツールであるtotonoの不動産管理会社への導入を目指す。また、totonoにおける入居中サービスの取次や、BOOK OFFとの連携による解約者向けの買取サービスといった収益を成長させることで、営業利益率が上昇すると考えている。

Q.御社の事業にはどのような季節性があるか?

A.3月と4月には引越し件数が多いので、2Qと3Qに売上が増加する傾向にある。一方で、8月と9月の引越し件数は少ないので、4Qの売上が小さくなる。

Q.投資家に伝えたいことはあるか?

A.totonoにおける入居中サービスの提供やAIの活用による原価率の低下を考慮した、中期経営計画の策定を検討中である。中期経営計画が開示できるようになれば、投資対象として魅力的になると考えている。

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