4047 関東電化工業 3Q後取材 20240306

2024/04/03

2024/03/31

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株探 バフェット・コード

スピーカー: IR
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Q.今期3Qの業績をどのように評価しているか?

A.業績予想対比では概ね想定通りの着地であった。

Q.4Qの業績をどのように見通しているか?

A.投資家からは、3Qが2億円の営業損失であり、通期計画と比較して4Qでは業績の上振れ余地があるのではないかという意見がある。しかし、4Qも業績予想通りに進捗すると考えており、4Qの営業損失は14億円になる見通しである。

Q.4Qにおける基礎化学品事業の状況はどうか?

A.基礎化学品事業部門の業績は中国品の流入により価格が下落している状況である。

Q.4Qにおける精密化学品事業の状況はどうか?

A.フッ素ガスの稼働率が上昇している一方で、電池材料は一段と不透明感が増加している。減価償却費は下振れ、当初計画の90億円に対して87億円程度になると想定している。なお、減価償却費の減少はあるが、修繕費などの固定費の増加があり、業績予想の通りに着地すると考えている。

Q.精密化学品事業における半導体ガスの状況はどうか?

A.定修要因込みで減収となったものの、実需はやや回復していると感じている。また、中期経営計画における前提条件の通りに需要が推移する見通しが立ってきたので、先行きについてはやや安心感が出てきた。

Q.中期経営計画では、半導体ガスの需要についてどのように推移する前提だったのか?

A.中期経営計画で開示した来期の営業利益70億円は、来期1QからYoY、QoQで増収になり、2QもQoQで増収になった上で、3Q以降はフル稼働になることを前提としている。現在の半導体ガスの需要は、中期経営計画の前提通りに推移している。

Q.半導体メーカーの市況はどうか?

A.半導体メーカーの市況については、DRAMは今期3Qに、NANDは今期4Qに底打ちすると想定している。QoQで減収が継続していた半導体ガスの一部には、今期3Qに増収となった製品があり、弊社も底打ちを実感している。

Q.精密化学品事業における電池材料の市況はどうか?

A.市場全体としては、中国国内で電解液や電解質を原価割れの水準で販売しているといった報道がなされている。下期に大口顧客との単価交渉がまとまらず、販売をスキップしたことが今期の下方修正の大きな要因になった。リチウム価格は、12月までは下落しており、直近は横ばいで推移しているが、市況はリチウム価格の下落以上に悪化している。

Q.EVの需要拡大が鈍化していることが原因であるという理解で合っているか?

A.その認識で問題なく、EVメーカー、電池メーカー、電解液メーカー、電解質メーカーのいずれも在庫過多になっていると見ている。また、EVメーカーも値下げを行っており、原材料メーカーへも価格引下げの要請がきているように感じている。
中国メーカーは、補助金を活用して製造キャパシティを拡大してきたため、供給能力が過大になっている。需給環境が改善しない限りは厳しい市況が継続すると考えている。

Q.中期経営計画では、電池材料の市況がどのように推移する想定をしているのか?

A.販売価格については、現在の市況が今後1年以上継続はせず、来期の下期には価格が回復して利幅が取れるようになると想定している。また、IRA法を理由とした引合を受けており、交渉を行っている。

Q.IRA法によって中国メーカーをサプライチェーンから外す動きは、EV向けの電池においても発生しているのか?

A.その認識で問題なく、IRA法では、中国産の重要鉱物などを使用するとEV車向けの補助金を受けることが出来ない。

Q.電池材料の業績が底打ちするのはいつ頃を見込んでいるのか?

A.まだ来期の業績は見通せていないが、中期経営計画においては、今年度の下期が底になると想定している。

Q.電池材料の棚卸資産の状況はどうか?

A.棚卸資産評価損を1Qに20億円、2Qに11億円を計上し、3Qで評価益を1億円計上した結果、合計で30億円の棚卸資産評価損となった。期初計画では棚卸資産評価損を29億円と想定していたので、1億円下振れたものの、概ね想定通りである。
棚卸資産については洗替法で評価しているので、今期は原価が上昇してマイナス影響が出ているが、年度末では切り離しとなる。原価が低水準になる来期以降は、プラスに寄与すると考えている。

Q.棚卸資産評価損が発生した理由はなぜか?

A. 昨年度はリチウム価格が暴騰しており、高値で購入せざるを得なかった。一転、今年度は80%以上の暴落となり、棚卸資産の評価損が発生した。

Q.来期の電池材料の棚卸資産の状況をどのように見通しているか?

A.評価損については、今年度の3Qで計上した30億円で出尽くしとみている。来年度についても発生は見込んでいない。

Q.来期の減価償却費はYoYで増加するのか?

A.その認識で問題ない。半導体メーカーの在庫調整により、稼働を後ろ倒しにした半導体ガスの設備を今年の10月から稼働させる計画であり、来年の下期から減価償却費が増加する。

Q.中期経営計画期間において、減価償却費が最大となるのは来期であるという理解で合っているか?

A.再来年度である2025年が最大となり、その後減少する見込みである。

Q.原燃料価格の変動要因は何か?

A.弊社の業績に与える影響が大きいのは、電力価格、リチウム価格、フッ酸価格である。

Q.フッ酸価格はどのように推移しているのか?

A直近ではやや下落しており、上昇傾向が収まっている。

Q.来期の原燃料価格をどのように見通しているか?

A.原油価格がやや上昇している影響は受けるものの、来期の原燃料価格は今期より減少すると考えている。また、為替影響は購入と販売でフラットとみている。

Q.来期も電池材料の業績が厳しいにも関わらず、中期経営計画において2025年3月期の売上が2023年3月期の水準まで回復すると見通している理由はなぜか?

A.来年の下期に半導体ガスの需要が完全に回復し、来年度は通年で寄与するとみている。

Q.中期経営計画における来期目標の達成確度はどうか?

A.中期経営計画を見直した時と比較して電池材料の市況の不透明感が増加していることが、ややマイナスな要素であるが、市況が回復すれば電池材料の売上も早期に回復すると考えている。来期の業績はまだ見通せているわけではないが、中期経営計画の目標達成に向けて取り組んでいる。

Q.今後の業績の見通しについて、投資家からはどのような意見が寄せられているのか?

A.キオクシアの稼働率上昇のニュースやHBMの需要拡大が、弊社の業績に貢献するのではないかという期待が寄せられている。

Q.KSG-14の開発・製造の状況はどうか?

A.KSG-14はキオクシアと共同で開発したガス製品であり、早期の立ち上げを予定している。

Q.クライオエッチング装置向けの半導体ガスについて、競合の動向を踏まえて、開発・製造の状況はどうか?

A.開示はしていないものの、クライオエッチング装置向けの半導体ガスについても研究開発を行っている。クライオエッチング装置向けにどのガスが使われるかはまだ確定していないものの、弊社は半導体メーカーや半導体製造装置メーカーとの共同研究において情報を先行して入手し、開発を進めている。また、弊社は特殊ガスの専業メーカーであり、大量製造にも優位性があると考えている。

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